2011年3月27日 のアーカイブ

計画停電。


2011.03.24。

先週から計画停電が実施されている。
その公平性は兎も角として、
オレが居住している千葉の市内はトコトン灯りが消される。
その為、この日も夕刻から実施されるとの事で、
不安にかられているであろう家族の為に、
早々と仕事を切り上げ、帰宅の途についた。

駅に着いてみたら、駅下の商店街は既に終業。
ロータリーに出てみると、未だ十八時前だと言うのに、
ちょうどパチ屋のシャッターが閉まるところ。
これじゃあ、商売に成らないだろう。

帰宅して家族に迎えられ、停電を待っていたのだが
定刻になってもなかなか灯りが消えない。
家内に聞くと、いつも遅れて始まるとの事。
それでも始まらないので、
今日は中止か、と思いきや突然ブチっ!。
音と同時に暗闇に成った。
早速、家内がロウソクに火を灯し
「わーい、停電停電っ!」とハシャギだし
子供たちも嬉しそうに部屋中を走り出した。
……なんだ、結構楽しそうにやってじゃねえか。
こんなんだったら、もっと仕事をしてくればよかった……。
ひとりブツブツと言っていたのだが、
この状態が三時間も続くのかと思うとヒマで仕方が無い。
そこで女房に、
「オイっ!、歌でも唄え!」と言ったら
「嫌よっ!」、キッパリと断られた。
そういえば、所帯を持ってから36年、あいつの歌は聞いた事が無い。
恐らく、子守唄すら唄ってないのではないか。
それとオール電化だから寒くて仕方がない。それを口にすると
「被災地の方々はもっと辛い思いをしているのだから……」
と説教をされる始末。
「そうだ、オレの服を被災地に送ろうよ」、と提案してみると
「馬鹿ね!、古着なんか送ったら失礼でしょ。
それに太った貴方の服なんか誰もいらないわよっ」だって。
なんで不安な家族の為に、早く帰ってきたオレをそんなに罵るのだ。
「鬼っ!」、心の中で叫んでやった。

間が持たないので、マリンと五郎に
「停電で、ヒマっ」とだけ書いてメールを送ると
マリンから直ぐに返信が来た。
オレの腐り目では細かい字は読めないので
ロウソクを頼りに虫眼鏡で読んでみると、やった!。
「ただ今、自炊中(笑う)」とある、
これは今度手料理を作るので来て頂戴、との謎掛けだろう。
遂に彼女はオレに心を開いた。
ひとり、ほくそ笑んでいたら五郎からも来た。
こちらも読んでみると、哀しいお知らせです。受注した仕事の開催延期が……。
別に、こんな事は明日でも良いだろうに……熱心に仕事してくれているんだ。
こんな事をしていたら、予定より大分早く灯りが点った。
時間にして九十分あまりの出来事だったが、ズッと電気がある事が普通の生活を営んできたのに対応が出来ない。
まさか、こんな時代が来るとは思いもしなかった。
これから、どうなってしまうのかなあ。
それと、案外家族で一番対応が出来てないのがオレだったりして……。

吉右衛門。

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