2013年10月15日 のアーカイブ
「名古屋で三遊亭画伯と会った」の巻、前篇。
2013年10月07日(月)。
名古屋の中心、栄町。
この町の片側三車線道路に面して、古いホテルがある。
そのホテルのフロントが画伯との待合せ場所であった。
約束の時間にエレベーターから下りると、彼女が待っていてくれた。
彼女とは今年一月以来の再会となる。
その彼女と名古屋で会うことに成るとは思わなかった。
彼女にしたってオレが名古屋まで尋ねてくるとは思わなかっただろう。
そうそう話の順序が逆になってしまったが、
今回、彼女に無理を言って押しかけたのは、
事務所のウェブのトップページのデザインを頼みにきたことにある。
このデザインだけは外部で作りたくなかった。
退職されたとはいえ、彼女は身内同様。
それ故のお願いであった。
名古屋名物数あれどその代表格は、名古屋コーチン。
その鳥料理屋を彼女が予約してくれていた。
ホテルから料理屋迄は数分の距離。
その間、旧知の間柄とは言え、いきなり話が止まらなくなるオレ。
それを素敵な笑顔で受け止めてくれる彼女。
烏龍茶で乾杯したあとデザインについての夢を語らせてもらった。
その戯言を、微笑み浮かべ聞いていてくれる姿勢は昔のままだ。
そして本題が終わっからは雑談となった。いい時間であった。
思い起こせば、彼女が在籍してくれたのは
2005年の晩秋から寿退社される2009年の初春迄の三年半。
面接をしたのは、オレであった。
求職者の誰もが黒尽くめの服でやってくるのだが、彼女は違った。
カジュアルな格好で登場し、
なんとも人懐っこい笑顔でデザインへの思いを熱く語ってくれた。
そして最後に放ったひと言は今でも耳に残っている。
どうしてもやりたいのですよ…。
その熱意にほだされ、翌月からお越し願った。
言葉に嘘はなかった。
造ってもらったものはどれも素晴らしかった。
息を呑むことさえもあった。
それは実践でも如何なく発揮された。
どれもが納入先に喜ばれ、自分としても鼻高々であった。
この頃は売上げの最盛期。
彼女の元には多くの指名がきて、沢山の汗を流してもらった。
彼女に来てもらって良かったと思った。
しかし、掛けたご苦労には忸怩たる思いも芽生えていた。
そんな思いであったが、咲かせた昔話は面白かった。
彼女の人柄なのだと思う。
深刻な話は一切なかった。
あはは、と笑ってばかりで過ごせた時間であった。
時計をみると、時刻は21時半。
名残惜しかったが、引き止めるわけにもいかず、
記念写真を撮って、一件落着。
お別れとなった。
去年の初冬のことだ。
彼女から一通のメールが来た。
開封すると、こんな書き出しになっていた。
消息不明状態になっていたのでお忘れになられたかもしれませんが…。
長い中米、南米への新婚旅行から帰国されての第一報であった。
あれからそろそろ一年になろうとしている。
律儀で礼節を弁えた彼女とは長くお付合いできればと思う。
2013年10月07日(月)。
吉爺。
この写真はご本人からの許諾を得ておりません。
彼女から抗議があった場合、撤去致します。