2014年3月10日 のアーカイブ
「あまちゃん」の巻。後篇。
場面は場末のスナックであった。
そこには娘の春子の歌に聴き入る忠兵衛と夏の姿があった。
それを演じた蟹江敬三さんと宮本信子さんの演技は凄まじかった。
二十数年ぶりに出戻ってきた娘への愛情を見事なまでに演じていた。
そして、そのシーンを自分に置き換えたら涙が止まらなくなった。
感度また感動であった。
2月11日から、このドラマを視始めた。
毎朝放映していただけに、週単位で小見出しが替わる。
それを踏まえて小見出し単位で視ようとすれば、一挙に六日分を視なければならない。一日単位では十五分の短いドラマもそれが六日となれば一時間半になる。しかし、その一時間半が一瞬に感じるところに、このドラマの面白さある。
面白さの源はなんだろう。
それは多分、親娘の情愛に適度な諧謔を織り込んだ脚本にあるが、それ以上に特筆すべきは豪華出演者の演技だと思う。
話は脱線外するが、私の少年期後半から青年期にかけての大ヒット作品と言えば、深作欣二監督の「仁義なき戦い」だ。
私はこの映画の大ファンでその熱きことには筋金が入っている。
映画館には何度も足を運び、ビデオ・DVDが発売されてからは全五作に番外篇を含めた八作を何度も何度も繰り返し鑑賞した。
この映画の面白さも役者さんにある。主役は無論の事だが、
脇を固めた役者さんの個性たるや主役を凌駕するほどであった。
あのキラ星の如く揃った役者さんが後年、当時を振り返り、
出演者が互いに負けじと張り合っていたから秀逸な作品と成った。
と専門誌のインタビューで語っていた。
人間、齡六十を越えると仕事というものが少しずつわかってくる。
鮨、散髪、按摩…。
それを生業にしているのは、どれも職人だ。
私がそこを訪れるのは、その職人たちの仕事に触れに行く。
そういった意味では、このドラマもそうだと思う。
役者さんの個性がぶつかり合って、
この素晴らしいドラマが創り出されたのだ。
閑話休題。
その素晴らしい役者さんは、上述のふたりだけでない。
杉本哲太さんのこのような役柄での演技は始めて視た。
小泉今日子さんは適役そのものだった。
塩見三省さんと荒川良良さんはいい味を出していた。
能年玲奈さんの目はキラキラと輝いていた。
そして海女を演じた五人の女性の演技と歌はズッと脳裡に焼き付いた。
昨夜。
「あまちゃん」の第12週72話を視聴した。
天野アキがアイドルを目指して上京していくところで終わった。
これから舞台が東京に移るようだから、ちょうど折返点辺りといったところか。
これからどうように展開していくのか。
見終わった時点でまた記事にしたいと思う。
そして最後に、
このドラマの挿入歌である
「汐朝のメモリー」の歌詞を書いて終わりにしたいのだが、
書くと怒られるし金をとられるから、それはヤメておく。
お仕舞い。
2014年03月09日(日)。
吉右衛門。
次回は「ジャイアントコーン」の巻です。