2016年4月3日 のアーカイブ
「きっと待ってたんですよッ!」の巻。中編。
房総半島の中程の位置する、木更津。
ここに評判の回転寿司屋があるというので、
千葉の自宅からやってきた。
寿司屋の話は後日に譲るとして、
この店があるのは大型ショッピングモール。
ここにわたしが利用する洋服屋も出店をしている。
昨日帽子を紛失したわたしは、一縷の望みを抱いて寄ってみた。
店長に帽子を紛失して困っている旨を話すと、
今、店に並んでいる商品は、2013の型落ち物とのこと。
確かにあの帽子を買ったのは二、三年前ではあるが、
わたしの人生。こういった場合の期待はことごとく裏切られる。
それでも、あれば嬉しい。
ちょっとしたドキドキ感をもって案内してもらうと、オッと。
陳列棚に、ちょこんと並んでいるではないか。
よかった、よかった、とは思いながらも、
これを買うと、あの帽子への裏切りになるのではないか。
それに怠惰なわたしのこと。捜査意欲をなくす危惧もある。
しかし、万が一、出てこない可能性も否定はできない。
そうなると残されたチョッキに寂しい思いをさせることになる。
そこで店長に事情を話し取り置きをしてもらった上で、
昨日割り出した、訪問先に問い合わせてみた。
問い合わせた結果は、無惨であった。
ここしかない、と、
決め込んでいた訪問先に帽子の届け物はなかった。
ため息をつく、わたし。
捜査は闇に包まれた。
代替品を見つけた安堵感と目星を付けた訪問先になかった喪失感。
複雑な思いが交錯するなか、
とにもかくにも、代替品を確保して店を後にした。
続く。
2016年04月02日。
吉右衛門。