2016年11月25日 のアーカイブ
ひこうき雲のシネマメモ(^21^)
リバイバル上映の映画館があるのをご存知ですか?
少し前に上映した映画を安く、
しかも2本立てで見られるのですが
都内にも飯田橋、目黒など複数拠点があるのです。
かねてから見たかった映画が
上映されているのを発見して、いってまいりました。
「リリーのすべて」という映画です。
伝記を元にした話で、
昨年たまたまCMで拝見して、見たい!と
強く思った映画なのですが
上映されている場所が少なくて結局、逃してしまっていました。
それだけインパクトの強い予告編だと感じましたし、
ものの30秒~で内容が分かる(ネタバレといういう意味ではなく)ような
興味をかき立てられるCMでした。
なので、あらすじを言葉でいうより
予告編が魅力的ですがざっくりと紹介すると、
世界で初めて性別適合手術を受けた画家の方のお話です。
妻が夫に肖像画(女性)の代役をつとめたことをきっかけに
夫はだんだん自身の中の内なる女性に気付いていく・・・
というようなハッとする内容です。
お化粧をした主役の男性の美しさといったら、衝撃的でした!
元々柔らかい表情の方なので、完璧な女性という訳ではなく
非常に中性的な美しさがより目立ってました。
映画の色彩もコペンハーゲンの少し曇りがかった水色や
内装のゴテゴテしさがとっても綺麗でした。
なにより、自分のなかの女性であるリリー・エルベに浸食されていくさま、
それに混乱する夫である自分、またその一部始終を一番近くで見ている
妻の心情が苦して、心臓をぐーっと掴まれました。
誰もが誰かを傷つけるつもりではないけれど、
結果、全員が傷ついてるような。
作中、コペンハーゲンの寂しげな風景を画くシーンがあるのですが
最後にその場所が実写で映るのが、印象的でした。
-『リリーのすべて』★★★★★
個人的には支えると決めた妻の姿に共感するというよりも
女性として生きようと決め、
ひとりで立ち向かったリリーの姿が素敵だと感じました。
解放感や安堵が身体中から滲み出ていて、
残酷で綺麗で、とても切ない映画です。