2018年1月26日 のアーカイブ
ひこうき雲のシネマメモ(^27^)
今年も1月1日に映画を観てきました。
アガサ・クリスティの有名推理小説である
「オリエント急行殺人事件」のリメイク版です。
2015年に三谷幸喜監督が日本版としてドラマ上映したので
ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ちなみに私もこれを見ていたので、結末は知っておりました。
なので・・・・今回はあえて、感想を交えて
ネタバラシをしちゃおうと思います!
真冬のオリエント急行列車で
その名の通り、乗客が刺殺される事件が起きます。
そこに偶然居合わせた探偵エルキュール・ポアロが
事件の真相を解明していく、という内容です。
目的地まで止まることのない寝台列車で、
確実にこの中に殺人犯がいる・・・という背筋の凍る心理劇。
しかも、列車は積雪の脱線事故により、
途中で止まってしまうのです。ギャー。
豪華列車内殺人というシチュエーションは
不穏感しかしないので個人的にとても好きです!!!
さて・・、
この映画の最大の肝でもありますが
実は「乗り合わせた乗客全員が犯人」なのです。
刺殺された男は昔、とある富豪家の愛娘デイジーを誘拐し、
身代金を要求した後、無残にも殺害した非道な人物でありました。
デイジーの母は身ごもっていたものの、その後ショック死、
父親はそれを苦に拳銃自殺してしまうという、凄惨な結果をもたらしました。
乗客は、ポアロとその友人の車掌以外の12名は皆、
その富豪家に関係のある人たち
(親族、使用人、事件の裁判に関わった弁護士、など)で、
殺害犯の男を殺す目的で、その列車に乗車したのです。
ポアロさえ乗り合わせることがなければ、
復讐を遂げられていたのに・・・という気持ちになりますね。
作中、非常に感慨深かった台詞があり、
それは「この世には善と悪しかなく、
その中間は存在しない」という言葉なのですが
これはポアロが物語の始まりの辺りに言う
自らの性格を象徴する台詞なのです。
彼はあらゆる出来事の不均衡をとても嫌います。
ちょっとした違いや異常にすぐ気がつくからこそ、
日常が生きづらく、探偵が成り立っている。
ただ、この結末を知っていると、
それは自分のポリシーを掲げただけの台詞なのではなく
この先に起こる事件を暗示しているようで、
なんとも言えない虚無を感じる言葉となりました。
事実、ポアロは列車を降りた後
彼らの復習の真実を警察に言わずしてその場を去ります。
それは、本当に善悪の中間は存在しないのか?と
己を問う事件と巡り合ってしまったように思えます。
-『オリエント急行殺人事件』★★☆☆☆
改めて思ったのですが、私はこの結末があまり好きじゃないです(^^;)
それは、この12人がこの先
絶対に心からの安堵を手に入れることは無いだろうという悲しさと
いい人たちを殺害犯にすれば、この結果以外ありえないでしょ!
というなんとも言えない気持ちにさせられるからです・・・。