2018年10月1日 のアーカイブ
「栄冠は君に輝く」の巻、中編
人生初の甲子園球場へやってきた。入場券を持ち合わせていないのにだ。
実はわたし。昨夜までベッドの中でゆくかゆくぬか、ずいぶんと悩んだ。頭の中の上皿天秤が上がったり下がったりを繰り返した。では何が決め手となったのか。入れなくてもよいから甲子園球場を味わいたかった。阪神電鉄にも乗ってみたかった。さらに球場内の施設である甲子園歴史館を見学したかったことにある。
やはり甲子園球場は独特の雰囲気がある。
しかも今日は決勝戦。盛り上がりかたも凄まじい。で、球場の周囲をとぼとぼと歩き廻ってから歴史館へ入ろうするも、入り口がごった返していてとても入場する気にはならない。これには当てが外れたが、まあよい。待望の甲子園にもきたことだし、試合の方は宿へ帰ってTV観戦しようと駅へ向かいかけると、先ほどは気づかなかった行列ができているではないか。訊けば内野の当日券を求める列だという。それを聞くや否や列の後方に並んだが、残念でした。そううまくはゆかない。拡声器も持った係員から並んでも入手はできない旨を聞かされる。で、諦めて列を離れると何処かへ走る人の群れに出くわす。それは外野席を求める人々だった。
外野席に入場。
すでに満席に近いなか、ベンチの中ほどに三席分の空間を見つけて着席。やれやれと隣の空間に鞄を置いて、ひと息つく。空を見上げると紺碧な空間に夏雲が浮かぶ。ここに甲子園の原点を感ず。
原点を感じたのはよいがプレーボールまでは二時間以上もある。このすし詰状態の炎天下で、どう時間を潰すかを思案していると隣の空席にひとりの中年ファンが現れた。そして着席するやお友だちに連絡をとっている。どうやら離れ離れで観戦するハメになっているようだ。
「あのお、よろしければこの鞄を足元に置くのでお友だちを呼んであげてください」。会話を盗み聞きしたようでバツが悪かったが、言ってみるものだ。ずいぶんと喜んでくれた。そして新たに現れたご友人も含めて意気投合。野球談義に花が咲き、二時間などあったいう間に過ぎ去った。
後編に続く。
平成30年9月30日
吉右衛門
お詫びです。
今回で終わらすべく前回よりマウスを動かしてまいりましたが、駄文に駄文が重なり終えるには至りませんでした。で、もう一週いただいて締めようと思います。だらだらとごめんなさい。