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怪獣捕獲日誌、最終回。
わたしの趣味は、怪獣捕獲ゲーム。
初陣は、本年8月13日。
主戦場は、千葉ポートタワー。
採集した種は、142種中141種。
いよいよ、このゲームも最終局面を迎えた。
残すは(蜥蜴の大親分)だが、これを直接の捕獲ができればよいが、
そうそうチャンスが到来するとは思えない。
そこで尻尾に火の点いた(蜥蜴の小僧)をたくさん捕まえて、
大親分に変身させることにした。
変身に必要な飴の数は、125個。
現在77個を持っているから、残すところは48個。
小僧が持っている飴の数は3個だから、16匹を捕まえればよい計算になる。
16年10月15日
午前7時半。
小松川橋を渡河して大島のとある江戸川沿いの公園にやってきた。
昨夜、職場のスタッフと食べたタン塩が胃で蠢いている。
体調は万全とは言い難いが、なんとか今日中にケリをつけたい。
そんなことにめげず人気の少ない公園で頑張るも、
このだだっ広いだけの公園は狩りには適さない。
何といっても風情がないからつまらない。90分で4匹の成果でやめ。
場所の移動を決意する。
そして移動した先は、清澄にある庭園。
こちらに入園すると、いるわいるわ、高貴な庭園には似合わない連中が。
その連中が屯ろしている場所に行き狩りを始めると、
すんなり捕まえることができて昼過ぎには、
火炎小僧を火炎大親分に変身させて、一件落着。
達成に要した時間、ニケ月と二日。
怪獣捕獲ゲーム、ここに集結す。
未校正のままでの更新です。
誤字脱字等がございましても、
寛大に対処くださいますよう、よろしくお願いします。
吉右衛門。
怪獣捕獲日誌、四。
先週は運がよかった。
難攻不落の鳥恐竜が捕獲できた。
これで念願の図鑑の完成ま、で残すは(蜥蜴の大親分)と
(小豆色をした不潔そうな奴の変身系、以降の表記は小豆色)の
二種だけとなった。
それだけに年内を目標に気楽にやっていこうと考えていたが、
そうもゆかなくなってきた。
実はわたし。
過日、新型のスマートフォンを予約してきたのだ。
なにせアカウント情報があやふやなだけに、
現行機のうちに、なんとか達成する必要がでてきた。
そこで思いついたのは、このゲームの救済策。
捕えた怪獣を同伴して歩くと、景品として飴がもらえるのだ。
蜥蜴が大親分に変身するのに必要な飴は125個。
しかし既に74個は確保してある。
小豆色も41個を持っている。
どちらも歩行ノルマは、3㎞。
本来は野良を捕獲して達成したいのだが、この際、仕方がないだろう。
そこで蜥蜴を火炎小僧。
小豆色はホーチミンと命名して、連れ歩くことにした。
ホーチミンは三日で達成できた。上級の小豆色にして図鑑に登録できた。
残るは火炎小僧の変身作業のみとなった。
続く。
吉右衛門。
怪獣捕獲日誌、参。
16年10月6日(木)。
沖合いに何処かの船籍の船が停泊をしている。
あれは、どこの船であろうか。
それをぼんやりと眺めながら、蜥蜴の大親分の出現を待つ。
わたしは今、昨日、蜥蜴の大親分を捕まえ損なった海辺の公園にいる。
修理に出していたクルマを引き取っての帰りであった。
このクルマを昨日引き取っていたら、と思わなくもないが、
こればかりは巡り合わせだから仕方がない。
海辺の風景を写真に撮ったりして時を過ごすが、
果たして、蜥蜴の大親分は現れるだろうか。
かれこれ一時間以上も待ったが、その気配すらない。
それに昨日を同じ時場所で待ったところで現れるとは限らないし、
周囲を見渡しても、同業者らしき者はひとりもいない。
暦は十月。
秋も本番になると、陽が昏れるのも早い。
水平線が黄昏てくると、俄かに肌寒くなったきた。
時計を見ると、十七時半を過ぎたところ。
わたしの就寝時間は早い。二十時頃には床に入る。
そろそろ引き揚げるとするか…。
浜辺をあとに、とぼとぼと駐車場へ戻る。
クルマを発進させ公園を出た所で、或る考えが脳裏に浮かんだ。
そうだ、隣の湾町もパトロールしてみよう。
浜辺の公園から湾町までは五キロの距離。
居並ぶ工業団地を抜けた所が、港町だ。
十分くらいも、走ったであろうか。
港町へ出ると、その一角に幾重にも車が駐車している所があった。
そのクルマからは、スマートフォンを片手にした連中が飛び出してくる。
そして路地の方へ吸い込まれるように入ってゆく。
これは?。
何かが出たに違いない!。
わずかな隙間にクルマを停めると、わたしもクルマから飛び出した。
そしてホクホク顏で路地から戻ってきた青年に、
何が出たかを訊いて見ると、鳥恐竜が出たという。
えっ!、鳥恐竜。
とんでもない獲物が現れた。
図鑑を完成させるに最大の難関と思われた、鳥恐竜だ。
こうしてはいられない。
人をかき分けかき分け最前列までゆき画面をひらくと、鳥恐竜がいる。
初めて見る姿に、ゴクリっと生唾を飲む、わたし。
待ちに待った、鳥恐竜との対面の瞬間であった。
玉を替えた。
とっておきの、黒と黄の斑らの玉に替えた。
これに逃げられると今度は何時、出逢えるかわからない。
一投目を投げた。外れた。相手に届かず手前に落ちた。
次も外れた。右に大きく逸れた。
三投目は的中したが、浅かった。あっさりと抜け出された。
そして、コツを掴んだ四投目。
斑らの玉が鳥恐竜の顔面をとらえた。
great
鳥恐竜が玉に仕舞い込まれる。
そして数回転、鳥恐竜が飛び出すことなく捕まえることができた。
やった!。
鳥恐竜を仕留めたぞっ!。
拳を握り、天に向かって突き上げる。
最大の難関を突破できた。
満面に笑みを浮かべる、わたし。
千葉の港を後にする。
続く。
2016年10月13日。
未校正のままでの更新です。
誤字脱字等がございましても、
寛大に対処くださいますよう、よろしくお願いします。
吉右衛門。
怪獣捕獲日誌、弐。
16年10月5日(水)。
18時に帰宅すると同時に、ショートメールが届いた。
一昨日、海辺の公園で出会った青年からだった。
たった今、尻尾に火が点いている蜥蜴の大親分が出現したという。
この貴重な情報にスクラブル発進をかけようかと思ったが、
今日は週の中日で、クルマがない。
一台は事務所に置いてあるし、もう一台は修理中。
これはダメかと諦めた時、あることを思い出した。
そうだそうだった、自転車があるのだ。
二日前に試運転したばかりで甚だ自信はないが、
そんなことは言っていられない。
事故に遭えば、それはその時のこと。
家内に用意させて急発進。向かうは海辺の公園。
自宅からの距離はおおむね、四キロ半。
怪獣が消滅するまでを二十分として、
ロスタイムが五分はあっただろうから、残りは十五分。
それをわたしのようなレーサーが漕いで間に合うのだろうか。
普通に考えたら絶望的なことだが、
救いは、田舎道であること。
下り坂を駆け抜けること。
地元であるだけに道を熟知していることだ。
兎にも角にも、競輪選手にでもなったような気持ちで、前へ前へと進む。
あるまじきことだが、信号を一つ無視をした。
すみませーっん、通してくださーっい、と叫びながら女子高生を交わす。
そうして国道に架かった陸橋を越えると、海沿い街に着く。
この辺で時計を覗きたいところだが、
片手を離すと転倒しそうで出来やしない。
元々そんな器用な芸当はできやしないのだから。
兎に角、ペダルを漕ぐ。一生懸命漕ぐ。
オレは何としてでも、蜥蜴の大親分を捕まえたいっ!、
絶叫しながら進むと信号を見えてきた。
あの信号を曲がれば、残りは40m。最後の直線コースに出る。
そして信号を曲がると彼方に見えた信号が真っ赤に点灯している。
あれが青に変わるまで漕ぐぞ。
最後は立ち漕ぎで突っ走り、青信号を無事に通過。
公園に入り浜へと向かう。
そして自転車を降りるもスタンドの立て方も、ライトの消し方もわからない。
もう、なんでもいい!。
自転車を転がし、全力疾走で浜へ突進する。
そして、アプリケーションを立ち上げるも、
残念でした。
立ち上げた画面のそこには、蜥蜴の大親分の姿はなかった。
ダメだったか…。
しばし天を仰ぎ、
傍に居た連絡をくれた青年に御礼を言いつつ経過を訊くと、
すでに五分くらい前に消滅していたそうだ。
それでも、何年ぶりかで懸命に自転車を漕いだこと。
浜辺を全力で疾走したこと。
妙な清々しさに包まれて、額の汗を拭っていると、
青年とその友人たちが、
「お疲れさま」声をかけてくれた。
どうもありがとう。
そう言って、一件落着。
浜を後にする。
八月十三日からゲームを始めてから、おおよそ五十日。
かつてない経験ができて、おのれの中の何かが沸々と蘇ってきた。
続く。
2016年10月4日。
殴り書のままで未校正です。
誤字脱字等がございましても、
寛大に対処くださいますよう、よろしくお願いします。
吉右衛門。
怪獣捕獲日誌。
16年9月29日(木)。
府中での仕事の帰り、
駅近くの公園で赤いべべを着た御婦人とクワガタを捕獲。
早速、
御婦人を(ミホクイーン)、クワガタを(アラブ)と命名。
長旅を終えての帰宅途中。
駅を降り玉を拾いながら帰ろうとすると、
肝心のアプリケーションが待ち受け画面にない。
泡を食って自宅に帰り、
復旧を試みるも登録を人任せにしたのがまずかった。
登録をしてくれた当人が何もかもを忘れていて途方に暮れるも、
よかった。
七転八倒の末、無事に回復。
安堵する。
16年10月2日(日)。
自転車の練習を始めた。
近頃、同業の青年たちに(青い太鼓腹)の出現地域を訊くと
団地の中に数多く出現するとのこと。
そこで機動力を得るために自転車に跨ってみた。
実はわたし。
最後に自転車の乗ったのは、何時のことであっただろかう。
あらは確か、1979年であったと記憶している。
そうなると三八年のブランクになるが、矢張りこの空白は大きかった。
採点をすると、10点満点で2点くらいか。
真っすぐ走れないから蛇行の連続で、
車道の白線の内側を走行することなど、とても無理。
それにクランクも鋭く曲がることができない。
しかし、あきらめることなどは出来ない。
青い太鼓腹を捕えるため。ひたすらに頑張る。
16年10月3日(月)。
夜明け前の自宅近くの海辺の公園。
なにやら人が集まりだした。
駆けつけてホクホク顔で戻ってきた兄ちゃんに
「なにが出ている」のか訊いてみると
過日、お台場で騒ぎになったアレが出ているという。
しかし、残り時間がないとも言われ、全力疾走で駆けつけると、
よかった。
午前五時二三分。無事捕獲できた。
命名、(海浜太郎)。
これで野良のお台場は、四匹目。
現在、
レベル、26。
集めた種、138種。
残りは、4種。
孵化した卵の数、357個。
歩いた距離、298.08㎞。
最後に残った種、
・鳥恐竜。
・尻尾に火が点いている蜥蜴の大親分。
・狐の親分。
・小豆色した不潔そうな奴の親分。
狐は今週末、不潔は今月末には変身の準備ができそう。
蜥蜴の大親分は野良を捕まえたいので暫くかかりそう。
鳥恐竜はいつになるやら、お先真っ暗。
続く。
2016年10月4日。
未校正のままでの更新です。
誤字脱字等がございましても、
寛大に対処くださいますよう、よろしくお願いします。
吉右衛門。