‘ひこうき雲’ カテゴリーのアーカイブ

ひこうき雲のシネマメモ(^9^)後半


可哀想で辛いんですけど、

見応えのある物語だと思います!

なにより映画化にのぞむ意気込みたるや

監督、スタッフ全員が原作の愛読者という・・・。(笑)


そしてセットの中には

実際に建物を造って撮影したという場所も。

何もかも、と〜〜っても美しく恐ろしいんです。


3部作・1本3時間でも足りないくらいとなると

原作の重みが垣間見えますよね・・。

表現したかった世界が伝わります。


終わりを締める3作目、真っ暗で危険な旅の佳境に

主人公の相棒をつとめる庭師が

長い台詞を語りかけるのですが

それはこの物語をすべて表しているなあと感じます。


-

明るい結末が予想出来ない。

悪い事ばかりが起こった世界が元に戻るだろうか。

でも心に残る物語は

きっとそういうものを乗り越えたものだと。

この世界には命を懸けて戦うほど、尊いものがある。

-


目新しい言葉じゃありませんが、

話に入り込んでいると非常に沁みる台詞です。

決してかっこいいシーンじゃないですし、

ほんとボロ雑巾が山に捨てられたような

場面なんですよ・・・(;;)うおお!


死なずに帰ってきたとしても元の生活には戻れない。

そんな覚悟を虐げられた旅ですが、

もちろん終始暗いばかりではなく、圧巻の戦闘シーン

街中の風景や笑える場面も盛り沢山なので、とてもおすすめです。


そういえば高校生のとき?

リアルタイムで楽しみにしていたものがコレです・・。


今も3部作が撮影公開予定なのですが

(話の内容は、指輪物語の以前の話という設定)

ついに12月で3作目を迎え、終わってしまうのですよー・・・。

2回は劇場で見ますね。

最後も兼ねて3回は見ましょうかね。(暇だなー)


長くてしんどいように思えますが、お好きな方はぜし。是非。



-『ロード・オブ・ザ・リング』★★★★★


おこたで映画なんかのんびり見たい季節になりました。

では、また来月。




ひこうき雲のシネマメモ(^9^)前半


ひこぼんは映画も好きですが、本も好きです。


最近読んでいるのは図書館で働いている妹に

お勧めされた(読まされている)

上橋菜穂子さんのファンタジー

通称「守り人シリーズ」と呼ばれているものです。


児童文学なのですが、その細やかな設定と物語、

各国の政治状勢など、児童向けとは思えない完成度です。

それもそのはずで、上橋菜穂子さんは

ファンタジーを書くために文化人類学を学び

大学教授をされている作家なんです!す、すげ〜。


話はずれますが文化人類学って興味あります・・。

頭がよければお勉強してみたいものです・・。


この方は2014年国際アンデルセン作家賞を受賞されました。

日本では20年ぶりである、素晴らしい賞なのだそうです。


ファンタジー繋がりで、今回メモしたいのは

J・R・R・トールキン原作の指輪物語です。


映画のタイトルは「ロード・オブ・ザ・リング」。


直訳すると、指輪の主ですね。

あらすじはタイトルどおり・・です。


ファンタジーといえば

何を想像するかは人それぞれですが

なにかを探しにゆく冒険、

だれかを助け出す旅などという

いわゆる“希望”のイメージが強いのではないかな、と思います。


様々な種族に、武器や魔法

幻想的な雰囲気はもちろんなのですが

指輪物語の大きな特徴は

「危険な指輪を“捨て”にゆく旅」 というところです。


となると・・まあまず、暗いんですよ。(笑)


指輪には人を魅了させる不思議な力があります。

手にしたものはみな

取り憑かれるようにして指輪に狂っていく。


持ち主を転々とする指輪ですが元々の持ち主は、

誰もが恐れるダークサイド側の王なのです。


傷も破壊も出来ない指輪を始末する唯一の方法は、

指輪が生み出された滅びの山の溶鉱炉に投げ入れる事。


その苦難の旅に駆り出されてしまったのが、

平穏な暮らしを好む、ホビットとよばれる小人族の主人公です。

冒険を好まない彼らがなぜ、そんな旅に出る事になったのか。


頼もしい旅の仲間を携えて物語は進みますが、

やがて指輪の力に欲望があいまみれ、

仲間割れや思わぬ悪の手が襲いかかってしまいます・・・。

それでも捨てなければならない指輪を持って、

主人公はズタボロになりながら恐ろしい山へと向かう・・・。



・・・・後編は、またあしたです。



ひこうき雲のシネマメモ(^8^)


来年は、2015年ですね。


手塚治虫や藤子不二雄が多く描いた未来が21世紀。

大きくくくればそんな数字が

現実的な時代になってきましたが

車が空を飛び、ロボットが人と同じくらい

主体性を持って生活している・・

なんていう未来は、まだまだ先のようです。


ところで

「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で

タイムトラベルした未来が2015年だった・・・

ってご存知でしたか?

ひこてきには結構感慨深いニュースでした・・・。

宙に浮くスケボーとか3Dジョーズ・・

微妙にまだ未来感があります。

故人がこぞって夢見た未来が着々と

変化しているっていうのもあると思いますけど

今後、劇的に変わってしまう事はあり得るんですかね。


という訳で、今回のメモは3部作のなかでも一番好きな

「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART1」をご紹介します。


初めに見たのはいつだったんじゃか・・・・・・・

父がこの映画を大好きで

(リアルタイム世代で、次回作を

何年越しと待っていたそうです。

こういう話、本当に羨ましいです)

レンタル屋さんに走り、キャッキャ騒いで見ました。


あらすじは超簡単にいうと

主人公マーティが親友の作った

タイムマシンで過去に行ってしまうという話です。


そして行ったはいいが帰れなくなり

その時はまだタイムマシンを作ろうとも思っていない親友に

なんとか未来から来た事を説明して

再度マシンを動かすように頼みこむ・・・・


が、その最中、面倒なことにマーティは

自分を産んだ若かりし頃の母に遭遇してしまうんですねー!

なんで面倒なのかというと

母はなんと、自分の息子に恋をしてしまうのです。


となると未来が変わり

兄弟たちとマーティは産まれなくなってしまう。

やばい!!

ということでマーティは昔の父に会いにいき、

なんとか母とのきっかけを作る為に

四苦八苦することになるのですが、

まあ〜〜〜〜〜この父親の

だっっっさいことだっさいこと。(笑)

最高なんですよ。愛らしいです。

親父ガンバレよ〜!!!!って言いたくなります。


タイムトラベルものといえば、

過去もしくは未来の自分に会うのは

NGというのが決まりですよね。

未来ないしは現在が変わる、という発想はなんか好きです。

SFものは漫画に限らず

よく読んだりした方だと思うのですが

宇宙人ものよりは、過去や未来を

行き来する方が複雑怪奇で惹かれますー。

ドラえもんで、石になっちゃった自分たちを

過去の自分がみているというループには

ゾッとするものがありました・・・。

魔界大冒険大好き・・。

ドラえもん、火の鳥

ブラックジャックなんかはよく読みましたねー!

あとは小説でいえば、星新一さんが好きで、

そこから本に親しみだしたなって感じです。


SFものが苦手な方でも

気軽に観れる映画だと思うので

3部作ぶっ通しで見たりなんかしても楽しそうです!


続き物としてつくる予定はなかったそうなのですが、

PART1の終わりは奇しくも、

誰もが続きを待ち望むだろうという高揚感で終わります。


PART1では過去に戻り、PART2では未来へ行く。

じゃ、3は!?という方は是非とも一度ご覧下さいー。

正直な話、わたしは3はあまり好きじゃないです(笑)。



-『バック・トゥ・ザ・フューチャー』★★★★★


未来に戻るとは素敵なタイトルー。

この場合の未来は、自分が生きる現在を示していますからね。


全然関係ないんですけど、

先月末、某番組司会者イノッチの

ミュージカルを見て参りました!

初ジャニーズ!貴重!!

元宝塚女優さんたちも相まって

明るく楽しい舞台でした〜。

10月は吉右衛門さまも大好きな木南晴香さんと


高畑充希さんのヘレンケラーの舞台も

あったんですけど、お財布がさびしくなるのでやめときます。


以上、シネマメモ(^8^)でした。



ひこうき雲のシネマメモ(^7^)


こんにちはー。

8月の終わりから、随分涼しい日が続きますね。

蒸し暑かったり、雨が降ったりと各地でも悩ましい天気が・・

そんな時こそ室内で映画!?と思うのですが、

わたくしの相棒プレイステーション3がつい先日、壊れました。

原因はわたくしのぞんざいな扱いなので

渋い顔しか出来ませんが、

なんとなくノートパソコンでDVDを

見るのに抵抗があるんですー。小さいし・・。

まあ、それよりもゲームのデータがすべて

吹っ飛んだ事の方がショックでした!!!がはあー。


さて。

今回も、とても好きな映画です。

通算何十回再生したかというものを紹介します。


松本大洋さん原作の「鉄コン筋クリート」です。

実写化した映画でいえば窪塚 洋介さん主演の「ピンポン」が有名ですね。

これもとっても面白いです!今じわじわきている(と思っている)

若かりし井浦 新さんも出演されています。


「鉄コン筋クリート」ですが、これはアニメーション映画なんです。

わたしはこれを“愛情”を描いた映画だと思います。

それも、人ではなく、街という不思議な対象への。


あらすじは簡単に引用すると、宝町という町に住む

孤児の少年、クロとシロ(ふたりはまとめてネコと呼ばれています)

と、ヤクザや、都市開発の地上げや、殺し屋を雇う男による、

縄張り争いといったところでしょうか。


この映画、アニメーションとはいえ海外ではR指定をつけられたほど

バイオレンスな部分があるのですが、その雑多な感じが好きなのです。


この少年たちを筆頭に、彼らの町に対する愛情は「異常」です。

それほど魅力的な町なのかと思えば、

それは古き下町を意識させる町並みで、

浮浪者や不良ものたちが蔓延り、治安の悪さは感じられるものの

どこにも美しさなどの要素は感じられません。


そんな絵を朱色をベースに、渋く、けれども鮮やかな色合いで描きます。

ストーリー以外の魅力も印象的で、雑とも感じられる絵と

疾走感、声、背景音(サウンドトラックというんでしょうか)は

こだわり抜いたものだと思います。


ネコと呼ばれる少年たちは、人とは思えない身軽さで

町を我がもののように飛び回ります。

その描写は綺麗だけれど、時にとても暴力的です。


そして、主な登場人物の声をあてたのが

映画でも活躍中の二宮和也さんや、蒼井優さん

田中泯さん、宮藤官九郎さんなどの名だたる俳優さん。

(少しですが森三中さんなどもご出演されてます!)


このなかの蒼井優さんは、別人格が乗り移ったかのように

無邪気な少年シロを演じられております。

ギャアギャアと喚き散らし叫ぶさまなど、圧巻です。


自分たちを育ててくれたものが、取り壊される哀しさ、

新しいものへ変わっていくことへの正当化というのは

ときどき胡散臭く感じてしまうものです。

劇中「ネズミ」と呼ばれるヤクザは、

誰よりもそれを顕著に感じて、哀しい最期を遂げます。


こういう話である!と断定出来ない映画なので、

絵柄の特徴などもあり、好みがわかれてしまうかもしれませんが

私はこの映画はとても純粋なのに、バイオレンスという

矛盾したバランスみたいなのが、とても好きなのです。


-『鉄コン筋クリート』★★★★★


これ、元日に映画館で見たのですが、

またスクリーンで見たいなあ。


というか最近映画館あんまり行ってないなと気付いてしまいました・・!

ここ最近で見たのは、思い出のマーニー・・・

マーニー可愛かったです・・


それでは、また次回。(^8^)にて。(ヒヨコみたい〜)




ひこうき雲のシネマメモ(^6^)


暑いですねー。ついに8月も後半となりましたねー。

軽く、夏休みのおはなしにそれますと、

今年は遠出はせん!と心に誓い、軽井沢にちらっと足をのばしました。

9日の寒々しい日をみなさま覚えておられますか!!台風です!

朝から地獄のように寒かったです!!!!避暑すぎて、なみだ。


わたしの夏の悲惨話はそれくらいにして。


暑い夏に、ひんやりとした映画です。

わたくしこの映画が余すところ無くタイプなのです。

恩田陸さん原作の「木曜組曲」。

この話には、6人の女性以外、ほぼ出てきません。


そのうちの一名は、4年前に既に薬物死しており、

それから毎年“木曜日”を挟む3日間、

彼女を偲ぶ会を故人が住んでいた館でひらき、

旨い酒と豪華な料理を囲っています。


面白いのは、彼女たちは皆どこかしら血の繋がりのある関係で、

亡くなった女性を含む4人は、

趣きの違った物書きを生業としている女たちであり、

ひとりは出版プロダクションの経営者、

残りのひとり(彼女だけは血縁関係にありませんが)は、

亡くなった彼女の担当編集者であるというところです。


そして演者が超どストライクってやつなのですが、

浅丘ルリ子さま、加藤登紀子さん、原田美枝子さん、

鈴木京香さん、富田靖子さん、西田尚美さん、です。

どうですか!!!?!(興奮です。いくらかかったんでしょう)


例年通りの御馳走がふるまわれた、集会。

そこに第三者から届いた謎の花束にかかれたメッセージにより、

今年の会は急展開をむかえることになります。


そのメッセージの内容は、

女流作家 重松時子(浅丘ルリ子)の死は

毒薬による自殺ではなく、あなたたち五人のなかの

誰かによる他殺なのだと仄めかすものでした。


食事会の空気は一気に重く冷たいものになり、

彼女たちは互いを疑いはじめます。


えっ、また殺人事件とか起きちゃうんじゃないの?と思った方。

そうは問屋が卸しませんよーー!(笑)(使い方あってんのかしら。)


この映画のなんとも奇妙な点は、

女性特有ともいえるのでしょうか。

話の飛躍に伴う空気の変わり様なんですよねー。

あんたが怪しい!なんて話をしてたのに、「そんな話をしてたら、お腹がすいたわー」とか言い出して、みんなで夜中にミートソースパスタを作り出す。

とにかく料理が美味しそうなんです。

美女たちはワインもビールもばんばかあけます。(笑)

時々タバコを嗜み、様々な会話が飛び交うなか、

彼女たちはいつも、亡くなった女流作家の影にとらわれています。


故人は、みなの憧れであり、憎悪の対象であり、

誰しもが、才能のある彼女に認められたいと思っていた。

やがて、5人の女たちは口々に、

「彼女は私が殺したのだ」と言い始めます。


この映画はリアルとは到底かけ離れています。

芝居であるという意識的なものが雰囲気をつくりあげていると思います。

良い響きではないですが、胡散臭いほどに画面の向こう側を感じます。

日常的なのに、そう感じさせない空気がとても好きです。


彼女たちが出した結論はなにか。

3日目の朝に彼女たちは、それぞれの空想のなかに

その経緯を投じ、最後の朝食を食べています。

「結局のところは、ほんとうのことは分からない」

そう、互いに和んだ最中、編集者であった女性は

自分以外の4人の女に、

もうそろそろ、死んだ時子のことをテーマに

小説を書いてみないか?と持ちかけます。

このとき、編集者であるこの女性は

4人の女たちが断るはずがないことを確信しています。


彼女たちは、恐怖で断れないのではなく、

「書きたい」という作家の欲望から、

また、他の人が書いたものが、読みたいという動機から

満更でもない様子で、帰っていきます。

来年の宴会にて、4人のうちの誰かの物語が

読めるであろうことを楽しみにしながら・・・・。



事件が起こり誰が犯人か、だけが

ミステリーでないことを思い知らされますね!

若き4名の女性もさることながら、

回想にしか出てこないのに、異様なまでの力量の差を魅せ付ける

浅丘ルリ子さんは、まさにはまり役でした・・。

徐々に書けなくなり、苦悩で狂っていく様すら美しいーー!

そして、一歩引き目線で落ち着きはらった

加藤登紀子さんの静かな目は、お芝居が本職なのではないか!?と

思わせる程、貫禄たっぷりでした。

余談ですが、先日登紀子さんの歌う『難破船』を見て、シビれました。

明菜さんの歌っているものは元は彼女がつくったものなんですね!

どういう風に年を重ねたら、ああいう美しい人になれるんでしょうー。はあー。


大好きな台詞があるんですけど

『小説に答えなんてない

私の小説には余韻が残ればいいの

私はなにも名前を残したい訳じゃない

ただ、なにも余韻を残せずに終わるのが たまらなく嫌なのよ』


この話のすべてを表現した台詞だなあと。

こういう情緒って、独特ですよね。

なんか、繊細だと思います。

答えをひとつにすると、ときどき下品ですから。


他に余韻を感じた映画で思い出すのは

北野武さんの「HANABI」ですねー。

これもいつかは書いてみたいです。



-『木曜組曲』★★★★★


邦画で好きなのって特別ないんですけど、

これはベストスリーをつけたらいれたいくらい好きかもしれないです。


次回はまだ何にしようか決めていないので、

しばしお待ちを。

よろしくおねがいしまーす。




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