吉右衛門へら鮒釣り2011
◎第弐回釣行 05月17日(木)
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三島湖。
桟橋。
ともゑ釣舟店。
晴天、微風。
気温26度、減水1.2m、水温18度、水色澄み。   

五月晴れの桟橋には魚が沢山居た、の巻。

西城秀樹さんが二度目の脳梗塞を患ったという。
この報に触れたのは四月の上旬の頃。
ちょうど自分が手術後半年の検査で入院する直前であった。
西城さんと言えば七十年代後半の大スター。新御三家の筆頭だ。
確か八年前の今頃、
懐かしの名番組「ロッテ歌のアルバム」の復刻版が観れると言うので、中野サンプラザに出向いた事がある。
司会は「一週間のご無沙汰でした」でお馴染みの故玉置宏さん。
三田明さん、あおい輝彦さん、錦野旦さん、大場久美子さん…、
この多彩な出演者のトリを務めたのが、西城さんであった。
大盛り上がりのステージで、西城さん登場。
玉置さんとの軽妙な遣り取りの後、
観客にYMCAの振りを練習させてから、熱唱された。
自分も慣れない手振りで女房共々、一生懸命、歌い踊った。
あの頃の西城さんは一度目の梗塞から復帰したばかりで、
オレは大きな元気をもらって、落涙してしまった。
以来オレは、西城さんのファンと成った。
西城さんが出演する歌番組、トーク番組は積極的に視聴した。
その西城さんは今、
鳥のさえずりや道端の花にも感動しているという。
そして、アナウンサー教本までも購入して、
リハビリに励んでおられるとのこと。
オレのような馬鹿で怠惰な人間は、凝りもせずに繰り返すが、
西城さんは病気と真正面から向き合い、
それを克服した筈であっただけに、オレは悔しい。
……、
♪ヤングマン、さあ立ち上がれよ......
ゆううつなど吹き飛ばして、君も元気出せよ......。
オレを心から元気づけてくれた、この歌。
そしてこの歌を、もう一度聴きたい。
西城秀樹さんの復活を祈ってやまない。

五時半、
愛車に荷を積載して、ナビゲーションをセット。
数秒後に算出された到着予定時間は、七時。
七時かあ…。時間の確認をしてから傍らのiPhoneで、
ダイヤルした先は、三島湖ともゑ釣舟店。
そう、今日は昨年一度しか竿を出せなかった三島湖へ行くのだ。
そして電話に出てくれた奥さんに、
今から、千葉の自宅を出発すること、
到着が七時頃に成ってしまうこと、
今年度の放流バッチを売って欲しいこと…。これ等を伝え、
西城秀樹のCD、ゴールデンベストを挿入して出発。
いつものように、房総半島をヒタヒタと南下する道中、
ステレオから流れるYMCAを聴きながら、今日の釣りを想う。
一昨日、若旦那に豚小屋と桟橋の釣況を取材すると、
桟橋に一時の勢いはないが、豚小屋下は好調、とのこと。
混み具合にも依るが、このどちらかに入釣出来れば嬉しい。
それが叶わなくても、湖の何処かに舟を浮かべて、
静かな時を過ごせればいい。
そして、数匹の魚に遊んでもらえれば、何も言うことはない。

午前六時三五分、
ダムサイド到着。
取水塔付近から眺める湖面には、いつも見慣れていた高島屋の桟橋は姿を消し、中央ロープもやや上流に移動していた。
高島屋さんが閉鎖したのは一昨年の秋。
それから大分経つのに、眼下の光景がやけに新鮮に映るのは、
あんなに好きだった三島湖への思いに変化が起きたのか?。
いやいや、そんな事はない。断じてない。
ちょっと間が空いただけ、だ…と思う。
話を湖面に戻すと、
釣舟の存在は鳥小屋とポンプロープの狭間辺りに、
一、二艘が浮かんでいるだけ…。
これなら希望ポイントに溢れても大丈夫。
ポンプロープの最下流、大オダの脇まで漕いでこよう。
……、
お久しゅう御座います。と入店すると奥さんが居られた。
早速、舟代のチケットと放流バッチを購入。
そして、破顔一笑。
懐かしく四方山話をしてからベランダへ。
そこで目にした光景はと言うと、
豚小屋には八艘位の舟が奇麗に散開。看板升は無論のこと、
心密かに狙いをつけていた桟橋前の一番升も売り切れていた。
次に桟橋はというと、無人。誰も居ない。
となると無条件で桟橋、ということになるのだが、
さっき見てきた鳥小屋とポンプロープも棄て難い。
桟橋か下流域かで思案してみたが、初心貫徹。
今日は桟橋にしておこう。
桟橋が活躍していたのはゴールデンウイーク。
ということは旬を過ぎたと言っても、大して時は経っていない。
上手くすれば、残りカスにありつけるかもしれない。

釣行記写真
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本日入釣場所の、正面図。
この写真は昼頃に撮った。

◯本日のデータと予定。
・目標/十枚。
・竿 /嵐馬.12尺。
・浮子/忠相グラスムクトップ.10番。
・鉤素/450粍+600粍。
・餌 /両団子。
・納竿/定めず。

午前八時十分、
このマッタリ感はなんだっ!。
どうもココに来ると、緊張感がなくていけない。
が、せめて第一投を投入する時くらいは、緊張しよう。
それが魚に対する礼儀だ。大きく深呼吸をして厳かに、第一投。
五月晴れの碧色の空のもと、今日の釣りが始まった。
空かさず、打つべし、打つべし、打つべし……。
リズミカルに打込む事、十分、二十分…。
この積極策が功を奏したのか、浮子の挙動に変化が現れた。
更に偏向眼鏡で覗く浮子の下では、
地魚が大きな口を開けて、パクパクと粉を吸っている。
アイツ等の下にいるのが、放流べらだといいなあ…。
それだと、残りカスにありつけるのだが…。
自分に都合良く、期待したが甘かった。
エサがどっぷりなじみこんだ後の動きで仕留めようとしても、
そうは問屋が卸してくれない。
餌落ち目盛り付近を通過すると、浮子の動きが途端に鈍くなる。
これはマズイ。竿の長さが不的確ではないか…?。
こういう決断は、早い方がよい。
十二尺竿は、何の戦果も上げないまま敢えなく、お蔵入り。

・竿 /嵐馬.10尺。
・浮子/忠相グラスムクトップ.9番。
・鉤素/350粍+450粍。

午前九時、
十尺竿への交換をしていたら、放流べらが群れで遊びにきた。
それをよく見ると、所々にピンク色の傷口らしきものが見える。
痛々しいなあ…。
ココに連れて来られて半年、
その間に随分と、痛い目、恐い目に遭ったのだろう。
鵜が彼らを食するのは生きていく所為だが、
オレのは遊びだから…。
そう思っていたら駄目を押すかのように、どこからともなく
土左衛門が流れてきて、穂先の一尺先にビタッ!と止まった。
合掌。
流れてきたのだから、流されていけばいいのに、いかない。
まるで意思があるかのように、ズッと留まって、
オレの釣りを邪魔している。
なんだかなあ…。
と気持ちが暗く成りかけていたら、背後で舟が軋む音。
何事かと振り向くと、番頭さん。
係留してある舟を束ねて釣りを始めるみたいだ。
「番頭さん、ご無沙汰です。岩村(オレの本名)です」
よかった。番頭さんにも挨拶が出来た。
「ホントに久しぶりだね。『来ないねえ』って話してたんだよ」
気にかけてもらって、ありがとうございます。
オレは生きています。
番頭さんとも四方山話をしながら、再開。
すると、ドキっ!。力強い、ツンッで魚が掛かった。
それを見ていた番頭さんが呟く。
「リャンコだね」
えっ!リャンコ?。
ホントだっ!、リャンコで釣れた。
リャンコで釣れたのが嬉して堪らないのに、
番頭さんの手前、平静を装う、オレ。

釣行記写真
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リャンコで釣れた。

午前十一時、
「痛えじぇねえかっ!、馬鹿野郎!」
怒鳴られても仕方がない。
先ほどからスレ、スレ、スレの…オンパレード。
鱗を幾多、空に舞わしたことか。
カウンターの数字は「10」。
いつの間にか、今日の目標は達成していたが、
これと同じくらいの魚を、バラした。
そう言えば、朝、竿を交換した時に鉤素も短縮したが、
それが悪かったのか?。
スレと鉤素短縮の、因果関係。オレには解らない。
解らないが、魚を苛めている事だけは確か。
暫く、ヤメよう。
ヤメて魚が離散した頃を見計らって再開しよう。
こんな事を考えていたら、十一時半。時報が鳴った。
……、
前号でも書いたが、時報は人の心に決断を促す。
背後の番頭さん、納竿。
そして豚小屋かも離脱者がひとり、ふたり。
オレは休憩、休み時間。
この休み時間を利用して、今日の周囲の状況を書き留めておく。
先ずは、オレの位置。
L字型に構築されている桟橋のLの字の要衝の、
角(外側向き)の部分に座を構え、
ともゑさんの崖下、竹薮の前に向かって打つ。
そして豚小屋は、ボート小屋が邪魔でよく確認出来ないが、気温の上昇とともに離脱者が相次ぎ、今は五、六名といった処か。
……、
写真でも撮ろう。
といつもの位置に構えたら、カメラに異常。
シャッターが降りてくれない。
肝心の正面図を撮り終えていないのに…とブツクサ言い乍ら、
カストマーに問合わすと、一部の機能が壊れているとのこと。
参ったな、参ったが仕方がない。
何とかしよう、と釣行記の分だけは写した。

釣行記写真
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本日入釣場所の、上流図。

釣行記写真
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この写真は釣り座から撮った。

正午、
天気晴朗ソシテ波ハ凪。
再開するにあたって、スレの対策を考える。
考えると言っても、知恵は無い。
知恵は無いが何とかしないとまた、鱗を剥しかねない。
先ほど因果関係は不明と書いたが、鉤素の長さを変えてみよう。
然し、延長か短縮かの判断がつかない。
判断がつかなくても確率は二分の一だから、可成りの高確率。
ハズレを選択しても次は当たりなのだから、気持ちは楽。
取り敢えず選択したのは、延長。
ココでいつもの、尺半+二尺に戻す。
……、
本日ただ今の釣果は、十枚。
朝の目標は達成出来たので、二十枚に上方修正して再開。
ココの魚影密度は濃密だと思う。
直ぐに魚信が出てきて、釣れた。
釣れたのは、朝の小童どもと違って尺の玉からはみ出たヤツ。
魚の群れが、地魚と入れ替わったか。

釣行記写真
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本日一番の大型、同サイズは三枚釣れた。

残念でした、入れ替わっていませんでした。
またも釣れてきたのは、小童。
小童ではあるが、これらが突如として怒濤のように釣れ始めた。
……、
気持ちがいいなあ。
どうやら鉤素を延長したのが、正解であったようだ。
再開してからは、魚にご迷惑を掛けること無く、スレ零を達成。
胸を張る!。
そしてカウンターの数字は、「三一」。
これだけ釣れればもういい。
そろそろ、ヤメにしようか…?。
名残惜しくもあるが、今日の釣りを振り返る。
残念乍ら若旦那は出張中であったが、
奥さんと番頭さんにお会い出来たし、
五月晴れに恵まれて、魚も沢山釣れた。
いい日に来れて、桟橋を選択してよかったと思う。
こうして思い残す事が何も無いのを確認して、
十四時五十分、竿を仕舞う。

駐車場でのこと。
荷を車に積載していると、
番頭さんが土産の玉子を持ってきてくれた。
そして、一年ぶりに楽しく遊ばせてもらった事と、
玉子の御礼を合わせて述べて、一件落着。
ありがとうございました。また来ます。
そう言って、家路に就く。

お仕舞い。

○本日の釣況。
・08:10〜08:50、12尺天々/0枚、両団子。
 09:00〜11:30、10尺天々/10枚、両団子。
 12:10〜14:50、10尺天々/21枚、両団子。
・合計 三一枚。
 七寸五分〜壱尺壱寸五分。

○この日の釣果データ。

釣行記写真
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この日の竿頭は、大名人の山田さんでした。
日刊スポーツ、釣り欄より。

記事掲載のPDFデータはこちら>>>

○2012年データ。
・釣行回数/2回
・累計釣果/42枚、平均/21.0枚。


2012年05月27日(日) 。
吉右衛門。



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