吉右衛門へら鮒釣り2011

  ◎第八回釣行
09月09日(月)

笹川湖。
ヅウダ親水公園下。
レンタルボート笹川。
晴天のち曇り、風。
気温/26度、水温/28度、水色/澄み、減水/2.2m。 

「再び笹川湖へ」の巻。

前回の釣りは強烈だった。
自分に重量感が出たような気分にしてくれた。
それもあってか、またも笹川湖に行くことにした。
しかし、笹川湖に行くのはいいが、新たな悩みが大きく膨らんできた。その悩みとは、ブラックバス愛釣家たちとの共釣だ。
あの日、懸念されていたことは何も起きなかった。
自分の廻りにバス釣りボートは接近してこなかったし、移動するにも大きく離れてくれた。それは親を恨むしかないオレの人相風体にあったとも思うが、そのマナーのよさには感心するばかりであった。
しかし、喜んでばかりはいられない。
こちらはよかったが、あちらはどうであったか…。
川岸に陣取るオレの存在は邪魔者以外の何ものでもなかったのではないか。あの日、幾艘ものバス釣りボートが目の前を往来したが何れもオレを避け、迂回してくれた。
しかし、彼らからすれば好意で「迂回してくれた」のではなく、「迂回せざるを得なかった」のではなかろうか。
かつて、へら鮒優先の三島湖を主戦場としてきたオレとしては、これは当然の行為と受け止めていたが、笹川湖ではどうなのか。
彼らの狙うポイントを狭め、面倒をかけたのではないか。
獲物は違えども、釣りを楽しみに来ているのは同じだ。
それにブラックバス釣りは、竿を出せる釣り場も限られている。
そう考えると、遠慮するのはこちらのような気さえもしてきた。
今まで、へら師の観点からしか考えてこなかったのが、笹川湖にきて別の視点からも考えられるようになった。
へら鮒釣りとブラックバス釣り。
この「静」と「動」の釣りは交わりようがない。
しかし、それを言っては身も蓋もない。
浮子の直ぐ傍を通過されるのは困るが、舟の周囲に疑似餌を投げ込まれるくらいは容認すべきだろう。また、そのくらいの度量がなければ、笹川湖での釣りは撤退すべきだと考えた。

午前七時十五分。
レンタボート笹川桟橋。
出航。
今回は本湖に向かって櫓を漕ぐ。
別にあてがあるわけはない。前回と逆の方向へ行ってみたかっただけだ。
桟橋を出ると直ぐに橋がある。橋の名は片倉橋という。
この片倉橋を潜り少し行くと視界が拓けてくる。本湖の入口だ。本湖といってもそう広いわけではない。直線でみると突き当りにある岩盤までもが見通せる。そして右岸は公園になっていて、左岸はボタ山のような小高い丘だ。
※地図は文末に掲出。
さて、何処に陣を構えるか…。
右側の公園に沿って進むと小さな湾処があった。一瞬、この突端に舳先を結ぼうかとも考えたが、いかにもブラックバス愛釣家が好みそうな場所にみえる。
ここは遠慮しておこう…。
そして更に進むと凹があり、その向こうにもまた凹がある。
この凹の中間にある凸には、お誂え向きな枝と根があって、まるでここに舳先を結びなさい、とでもいわれているかのようだ。
本命場所はブラックバス愛釣家に譲ったが、こちらも悪くなさそうだ。
こうして大して舟を漕ぐ事もなく、すんなりと舳先を結ぶことが出来た。

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本日の入釣場所の、正面図。
左端にみえる施設は、ダムサイド。
右手の施設は不詳。縁があったら調べておく。

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ズウダ公園下附近の鳥瞰図。
赤のイラストが入釣場所。
帰りに片倉橋から撮った。

◯本日のデータと予定。
・目標/浮子を動かすこと。
・竿 /朱門峰嵐馬、14尺。
・浮子/萱製、太パイプトップ。
・道糸/2号。
・鉤素/1.2号、350粍+420粍。
・針 /巨ベラ16号。
・棚 /二本半~一本半。
・餌 /尺上+マッシュダンゴ+巨ベラ。
・納竿/15時。

午前八時四五分。
笹川湖で二回目の釣りが始まった。
今回は餌を替えて望みたい。そこでマッシュ系の餌を三種類選んでこき混ぜると、あまり混じりけのない白い餌が出来た。
この配合だと集魚効果が薄いような気がしないでもないが、いろいろと試してみたいからこれでよい。その餌をテンポよく打込んでいると、iPhoneにダウンロードしてある鳩時計が時報を刻む。
十時だ。
前回はこの辺りで浮子が動いたが、今朝は動かない。
それに釣り場も二度目となると緊張がない。
そこで暇に任せて改めて周囲を観察してみた。
先ずは真左にある片倉橋から視線を時計方向に動かすと施設がある。笹川湖のダムサイドだ。このダムサイドはポイントなのかもしれないから、帰りに店主に訊いてみよう。
そして正面には小高い丘というか、ぼた山がある。このぼた山は自然の山なのか。はたまた工事で発生した盛土に風と虫が種子を運び山と化したのかは興味のあるところだ。そしてその隣には公園らしき施設があるが、公園にしては先ほどから人影らしきものはない。
今度は真右に視線を転ずると遠くの突き当りに岩盤が見える。
この岩盤まで漕いで行くのは可能そうだが、情熱がなければとても漕げない距離だ。そしてそこからは何処のダムにでもありそうな景色が続き、背後の公園へと連なる。
公園の名前は、ズウダ親水公園という。
ズウダとはどういう意味なのか。
大昔にズウダなる単語を有する民族が棲んでいたか。もしくは、頭宇田(当て字)さんなる地主がこの土地を寄贈し、その善意への謝意として名前を冠にしたか。何れにせよ見当もつかない名前だけに考えるだけ無駄な気がする。しかし、とても面白い名前だから今回のポイント名にしようと思う。
命名、「ズウダ親水公園下」。

午前十時半。
片倉橋の方から、移動者が現れた。
最初に二艘。更に遅れて一艘がやってきた。
行き先を追うと二艘は突き当りの岩盤まで進み、もう一艘はオレの三十メートルほど下流に舳先を結び始めた。
笹川湖のへら師はみな船外機を装着しているから機動性が高い。
これは広く少ないポイントを軽快に移動し魚影を探る為だろう。
そして魚場も笹川湖とその下流にある亀山湖に絞っているようだから、戸面原ダムや三島湖で出会うへら師とは、別の種族と考えてもよさそうだ。
無責任に語らせてもらえば、笹川湖、亀山湖のへら師は巨べらにロマンを抱き、戸面原ダム、三島湖のへら師は数と重さを競う。そんなところだと思う。
こうして無為に時を過ごしながら、隣に陣取る移動者にも釣況も尋ねたが、今日はよくないらしい。
それはそうだろう。よければ移動などしてこないだろうから、野暮なことを訊いてしまった。

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本日の入釣場所の、左図。
片倉橋~ダムサイド。

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本日の入釣場所の、右図。
突き当りの岩盤。

十三時。
本日ただ今の釣果、零。
沈黙した浮子を眺めていたら、こんな時間になってしまった。
その間、何度も餌を作り直した。そして棚を替え、鉤素も長くしてみたがどうにもなりはなしなかった。あとは竿の交換ということになるのだが、これは前回リリアンごと持っていかれた事を考えると、この巨べら仕様に替えた14尺以外の竿は使いたくない。
そうなると前途に希望はみえない。
今日は駄目かもしれない…。
弱気の虫がもたげてきた。
そんな時だった。お隣の竿が動いた。しかし、釣れたのはブルーギルのようだ。それでもそれが、羨ましかった。
ブルーギルが釣れたのをみて、こんな気持ちになっているようでは前途はない。
このように周囲に変化はあったが、オレにはない。
未来永劫に浮子が動かない気さえもしてきた。
それでも一縷の望みは捨てやしない。
これが杉林や豚小屋であればとっくに竿を放り出しているが、このような場所では何が起きるか分からない。それに今、ヤメてしまえば、何の為に仕事を休んできたのかわからない。
徹底抗戦とは言わないが、あと二時間くらいは続けてみよう。
そして餌を打ち続けるも、十四時が過ぎ十五時になっても何も無かった。
これはダメだ…。
漸くあきらめがついた。
為す術も無く、ここで漠然と竿を振っていても仕方がない。
ギブアップとしよう。
そう決めるとそそくさと荷を仕舞い、一件落着と相成る。

お仕舞い。

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本日の入釣場所の、地図。
原図には、Googleを使用。

○本日の釣況。
・08:45~15:30、14尺/零枚、両団子、
・合計 零枚。

○2013年データ。
・釣行回数/八回
・累計釣果/50枚。


2013年11月15日(土) 。
吉右衛門。



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