吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第六回釣行
5月06日(水)

戸面原ダム。
石田島、立木。
戸面原ボートセンター。
曇天、弱風時々中風。
気温/21度、水温/17度、水色/小濁り、水位/減水1.6m。 

「上にいると思った魚が、下にいた」の巻。

わたしが釣行の過半を戸面原ダムで過ごすようになったのは、いつの頃からだったろうか。よくは覚えていないが、こちらの池主相沢さん夫妻にはひとかたならぬ、お世話になっている。
わたしの還暦祝いの写真を桟橋で撮らせてもらったこと。
わたしの撮った写真パネルを飾らせてもらっていること。
わたしの釣行記のリンクをこちらのホームページに貼ってもらっていること。等々あるが、なによりも大きいのは家庭的な暖かさと親切な対応にあるのだと思う。
この釣行記を読んで戴いている方で、明日の釣行先を悩んでおられる方がいたら、是非とも、戸面原ダムを一考されてみたら如何だろうか。きっと温かな思いに包まれると思う。
今週も、その戸面原ダムへやってきた。
別段熱に浮かされているわけではないが、わずか十日の間で三度目の釣りとなった。その釣りであるが、前回も前々回も浅い棚に竿を入れたが、今回はどうか。
テーブルに置かれた釣果表を開いてみたが、あまり代わり映えはない。やはり魚は表層近くに棲息しているようだ。
さて、魚のことは置いておいて、前述した家庭的な暖かさの最たるものが、釣果表となって表れている。
こちらの釣果表は見栄えがよい。
日本一は褒め過ぎだろうが、そうとも思わずにいられない。
奇麗に書かれた文字が大学ノートの細い罫に整理整頓されて並んでいる。「寮下」なる画数の多い文字でさえも罫の中に美しく収まっている。わたしのような学問を持たない者が書く文字とはあまりにも違う。
この日本一の釣果表を作成しているのが、池主の奥さんだ。
奥さんは陸に上がってきた釣り客の一人一人から丁寧に聞き取りをして資料を集めている。それを基に釣果表を作成しているのだろうが、奥さんは資料をノートにまとめる術を知っている。
学生時代はおそらく勉学に励まれていたのだろう。
ご本人は否定しているが、きっと高学歴な方に相違ない。
その高学歴な奥さんが、池主となって八年目を迎えた働き者のご主人を、夫唱婦随で支えている。
この姿をみるにつけ、いつも教えられることがある。
夫婦とは斯くあるべし、と。

六時半。
戸面原ダム、桟橋。
今回も前回と同じく、石田島の島表で竿を出すつもりだ。
今朝の出舟は一時間前に終わったが、人気は落合から川又に集中していて、石田島は未だ無事に残っている。
それはそうだろう。
まったく釣れていないのだから…。
それでも前回一枚しか釣れなかった石田島へ漕ぎだす、わたし。
なんとしても今回は、二桁釣果を目指すのだ。

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快晴の本湖に浮かぶ、石田島。
何を思ったか、中央より左に撮ってしまった。

前回より水位が1m も減っている。
こんなこともあろうかと昨日、ホームセンターに出向いて金属の杭(打ち込み丸カン)を買っておいた。
それを土中に突き刺し舳先を結ぼうとしたが、甘かった。
粘土質と思っていた島肌は頑丈な石質だった。この岩盤とも言える島肌に杭を刺すには、正月の餅つきで使うような大きな杵でも振り下ろさない限り、とても無理だろう。
前回の続きを楽しみにしてきただけに、すっかり当てが外れてしまった。しかし、気落ちばかりもしておれない。早く落ち着き先を決めねばならない。すでに本湖のめぼしいポイントは埋まっている。ざっと視渡しても残されたポイントは島の沖にある、通称「石田島の立木」と呼ばれるポイントしかない。
この立木。
盛期には場所取り合戦の名ポイントだが、わたしにはこの立木を躊躊う理由がある。前回、上級技術者とも思われる方が早々と撤収したのに目撃したのだ。それが一抹の不安となって脳裏に焼き付いている。それに今日は、午後から西の風が吹くらしい。西といえば上流。上郷橋の方だ。
それらを考えると腰が引けてしまうが、ここしか空いていないのだから、どうしようもないだろう。

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本日の入釣場所の、正面図。

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同上を視線の位置から、もう一枚。

 
マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
Yahoo!地図より。

☻本日の予定。
・目標/五枚。
・釣り方/浅棚、グルテンセット釣り。
・竿  /朱門峰嵐馬、十二尺。
・浮子 /杉山、四番。
・道糸 /1号。
・鉤素 /0.4号、300粍+600粍。
・針  /サソリ7号+アスカ6号。
・持参餌/凄麩、天々、グルバラ、綿グル、新ベラグルテン。
・納竿 /十五時。

七時半。
今季六度目の釣りが始まった。
前回上述の上級技術者に出会したのは、八時頃。
当日の出舟時間から割り出すと、上級技術者は二時間で見切りをつけたことになる。しかも、天々から一本半までを探った、と言っておられたから、どの層にも魚影がなかったのだろう。
それを私のようなシロウトがやるとなると、少なくとも、午前中一杯は浮子が動かないのが必定だ。
開始早々、なんとも夢のない話だが、その程度の見通しでいた方が無難だ。しかし、そうは言っても、午後からの風を考えると早めにケリをつけねば、泣きをみることにもなりかねない。

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本日の入釣場所を、対岸から見た図。
写真は納竿後に撮った。

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本日の入釣場所の、側面図。
同上に撮った。

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本日の入釣場所の、背面図。

浮子の挙動に変化が起きた。
時計を見ると、まだ九時半。
餌を打ち出してから、二時間しか経っていない。
これは意外なことだった。
しかし変化といっても、小さく弱い動きだ。
私に技術があれば、このような動きも大きく強い動きに育てるのだろうが、おのれの力量を考えると、とてもできない相談だ。
それでも根気づよく続けていると、いくらかましな動きになってきた。そして、ハッとするような動きも散見されている。
それがどのような浮子の動きであるか、五段階のプロセスに別けて表記してみる。
ステージ1、ぼんやりと微弱に動く。
ステージ2、力感はないが、すぅーと、一節から二節動く。
ステージ3、ステージ2が活発化し、カラツンが出だす。
ステージ4、カラツンが頻繁に発生し、時々釣れる。
ステージ5、たくさん釣れる。
さて現状はというと、ステージ2とステージ3の間を行ったり来たりして、なかなか次のステージへと進めない。
それを改善すべく餌をいじってみたが、何の兆しも生まれない。本人は改善に取り組んでいるつもりだが、改悪の方向に動かしてしまったかもしれない。
そこで前々回の川又と同様、浮子下を一本半に短縮してみると、
その一投目。力感はないが、浮子が、すぅーと沈んでいくのがみえた。
なんとも胡散臭い動きだが、これに反応すると、釣れた。
しかし、「釣れた」というより、「釣れてしまった」感が強い。
これでは面白くない。
しかし、何が起きるかわからないのが、わたしの釣り。
ここで突然、事態の急変に直面した。
浮子が俄に活気づき、強烈なツンっの五連発。ステージ5にでも突入したかのような展開となってきた。

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とりあえず釣れた、本日の第一号。推定三五糎。
岩盤を背景に撮った。

正午。
本日ただ今の釣果、六枚。
あの連発は、一瞬のできことだった。ステージ5でも、なんでもなかった。それを今の浮子が証明している。
現在の浮子下は、竿の長さでいう、一本半。
もう一度群れがやってきたら、それを一本にして、勝負するつもりだ。そんな気概で待ち構えるが、気配はない。
それでも夢を抱き待っていると、予報通り、風が出てきた。
今日のわたしの釣りは、浅棚釣り。
この釣りは竿を立てた反動で餌を入れるチョーチン釣りと違って難しい。アンダースローから水面ギリギリを這わすように投げないと風に負けてしまう。それに、うまく着水できたとしても、容赦なく風に流される。これではどうにもならない。
そこで逆の方向。つまり浮子下を二本半に下げてみると、浮子が湖面から消え失せた。

上にいると思った魚が、下にいた。
玉で掬った魚を放すと、思惑はずれに、意気消沈。
これは釣技というより、センスの問題だ。
おのれの釣りに限界が見えてきた。
しかし、ものは考えよう。
頑張った結果、カウンターの数字が「7」となったのも事実。
これは入釣した時には、想像もしていなかった数字だ。
そう考えると消化不良ではあるが、こんなものと言えば、こんなものだろう。
よくわからない釣りであったが、風も強くなったことだし、
一件落着としよう。

お仕舞い。

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本日の入釣場所の、遠景図。
帰路に、戸逆橋の上から撮った。

☻本日の釣況。
・07:30~14:00、12尺1本半/7枚、バラケ+グルテン。

☻2015年データ。
・釣行回数/6回
・累計釣果/32枚。

2015年05月17日(日) 。
吉右衛門。



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