吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第十八回釣行
2016年7月05日(火)。

西湖。
ユースホステル下、二番ブイ。
西湖レストハウス。
天候/曇天、中風時々強風。
水色/澄み、水位/不明。 

「西湖で短い釣り竿の角麩釣り」の巻。

西湖で二日目の朝を迎えた。
根場の浜で見上げた空は墨の色。さほど濃くはないが薄い雲に覆われた空に青はない。スマートフォンを使って天気予報に目を通すと曇り空に、東の方からそれなりの風が吹くとある。
東の風となると予定をしていた、喉っ首を越えての溶岩地帯ゆきが難儀な事になる。
はてさて、どうしたものか…。
私は未だかつてあそこで竿を出したことがない。それだけに本来は残念な思いに駆られねばならぬが、不思議とそのような気持ちが湧いてこない。寧ろ、安堵感さえもある。
矢張りだ。
昨日の終了間際に遭遇した事が、よほど堪えたとみえる。
それが証拠に、代替地として決めたのはユースホステル下の手前側のブイ。こちらも東の風が妨げになるが、それでいて選んだのは、浜が近いが故である。
とんだ所で、おのれの小心さを露呈させたが、少しでも天候が危うくなれば、一目散に逃げ帰るつもりだ。

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本日の入釣場所の、正面図。
先鋒、十三尺。


 
本日の入釣場所。マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
(Yahoo!地図より)。

☻本日の予定。
・目 標/五枚。
・釣り方/チョーチン(散け+角麩釣り)。
・釣り竿/特作伊吹、十三尺。
・浮 子/亀二郎、二番。
・釣り糸/1号。
・鉤 素/0.4号、100粍+600粍。
・釣り鈎/アスカ針 8号+3号。
・納 竿/十五時。

五時十五分。
先日買ったばかりの釣り竿を出した。
その竿の長さは十三尺。この西湖では短い部類に入るだろう。
それでは何故ゆえに、十三尺なのか。
それは昨日とは違う釣りを楽しみたいからだ。
さらに餌も角麩を選んだ。
西湖で短い竿の角麩釣りをする。
これが今日の私の釣りだ。
別に奇をてらうわけではない。が、昨日魚をたくさん釣ったこともあり、今日は世間様がやらないことをやって、一日を過ごしたいと思う。
そんな夢を抱いて準備に掛かっていると角麩用にしている浮子を持ってきていないのに気がついた。滅多に角麩釣りをしない私だけに、あの浮子にはなかなか出番が廻ってこない。この場はなんとか代替品で凌ぐが、部屋の片隅で置いてきぼりを食った浮子のことを想うと少々、申し訳ない気がする。
さて、準備ができた。
大きく丸めた散け餌を釣り鈎に付けて水面に放り込む。
場違いを承知で始めた釣りだが、期待だけはいつも通りにある。
得も言われぬ緊張と期待に包まれ、早く浮子が動かないかと念ずるも、すぅーっと沈んでは、素っ気なく上がってくるばかり。
三十分が過ぎ、一時間が過ぎ、そして二時間になろうかというのに、浮子の挙動に変化はない。ずっと沈黙したままだ。
矢張り、駄目か…。
無謀を承知で始めた釣りだが周囲の竿も一様に大人しくしているところを見ると、そうとばかりも云えない。そんな自分に都合のよい理由を故事つけ粘っていると、お約束の風が吹いてきた。
早くも吹き出したか…。
せめて一枚でも釣ってからにしてと思うが、この風が吉を運んできてくれ、突如、浮子が姿を消した。
やったっ!、超消し込みだ。
不意を突かれた格好だが、今日の釣りは角麩釣り。竿だけはしっかりと握っている。で、目の前で起こった快挙に勢いよく反応したが、これが見事な空振り。驚かされ悔しがらされ、ドマン中の絶好球でも空振りしたようかのよう。
しかし残念な思いとは裏腹に、浮子が動いた安堵感は大きい。
魚信さえもないのでは、と半ば諦めかけていただけに、フツフツと勇気が湧いてきた。そして十分後に起きた魚信も空振り。さらに三度目の空振りを挟んだ四度目で、とうとう、へら鮒を捕らえることができた。
嬉しい…。
この魚を得るのに三時間を要したが、苦労が長かった分だけ喜びも大きい。これだから、この釣りはやめられない。

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本日の第一号。
背景はエゴ。

十時四十分。
本日ただ今の釣果、二枚。
そこそこの風がある。
その風で跳ねたウサギが、舟縁に投げ出した裸足の足に飛沫を掛ける。足の裏が冷たい。
今しがた二枚目を釣り上げたが、今日の釣りに進展はない。
このようなダラけた姿で続けていても仕方がない。
気分転換に竿でも代えるか…。
昨日中途半端で仕舞うことになった、十八尺を出す。
で、浮子の調整をしていると、左舷に立てた弁当印の旗がはためきだした。
どうやら風向きが変わったようだ。
真正面から吹いていた風が浜の上に聳える三角山(仮称、正式名称は知らない)の方からに変わり、冷気までも運んできた。
これは、ひと雨くるのではないか…。
昨日の今日だ。天候の変化に鋭敏になった自分がいる。
雨の気配がしたら、直ぐにやめよう。
そう思っていると、竿を代えて最初の魚信で釣れた。
釣った魚を池に戻していると丁度よい塩梅に、女将さんが弁当の出前にきてくれた。
この冷気は雨の予兆であるかを尋ねると、予兆かどうかはわからないが、午後からは雨の予報だそうだ。
やはり…。
いつの間にか予報は雨に変わっていた。
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本日の次鋒、十八尺。

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本日の、第三号。
背景は三角山。

☻次鋒のデータ。
・釣り方/チョーチン(散け+角麩釣り)。
・釣り竿/普天元独歩、十八尺。
・以 下/変更なし。

女将さんが出前から戻ってくるのが見える。
私の所に一番先に来られれてからユースホステル下、沖ブナイ、供養塔、そしてエゴとこの地区に点在した釣り客の間を廻ってきたであろうから、時間にして六十分くらいかと思う。
その時、ちょうど十二枚目が釣れた。
女将さんが私の所にきて数を聴かれたとき、三枚と答えたから、かなりの短い間に十枚も追釣できたことになる。
矢張り、貧果の原因は釣り竿の長さにあったのだ。
ということは、まだ昼前だから雨が落ちてきても頑張れば、二十枚も釣れるかもしれない。
しかしそれは、このまま十八尺を振り続けていればの話だ。
浮気をして十八尺を振ったものの、今日のテーマが短い竿の角麩釣りであったことを忘れてはいけない。
釣れている棚を捨て、再び十三尺に戻す。
ほかの釣り人から奇人とも疑われかねない行動に出ると案の定、魚にそっぽを向かれた。これは彼らの棲息層もあろうが、根本的にこの池の透明度からして、罠であることがバレているのではなかろうか。
ここで釣れてくるへら鮒は罠に掛かったことのあるものが多い。
それは唇をみればわかる。どの魚も気の毒なことに損傷しているし、尾鰭だって丸く削られている。辛く怖い目に遭った分だけ学習したに相違ない。用心するのは当然だ。
それでもこの竿に執着していると、どうにか一枚を釣り上げることができた。そしてパラパラと冷たいものも落ちてきた。
時計を見ると、十三時。
まだまだの時間だが、どうするか…。
昨日から散々遊んだことだし、これからの天候を考えると、このあたりが潮時でもある。
やめるか…。
そうあっさりと決め。浜に戻ると女将さんがいた。
その女将さんに釣果が十三枚であったことを伝えると、釣果表に書きますか、とにこやかに尋ねてくれる。
いやいや、この釣果では…。幾ら私が図々しくとも、十三枚で大切な釣果表に書ける勇気などはない。
謹んでご辞退申し上げると、一件落着。
千葉へ帰る。
とても楽しい二日間であった。

お仕舞い。

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本日の入釣場所を対岸から撮った、近景図。

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同上、遠景図。
帰路に道路上から撮った。

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さらに背後から撮った、図。

☻本日の釣果。
・へら鮒/13枚、

☻2016年データ。
・釣行回数/18回。
・累計釣果/280枚。

※お断り。
この釣行記はiPad等の端末に合わせて編集しています。
下に記した日付は下書きを終えた日です。

2016年07月25日(月)。

吉右衛門。



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