| 戸面原ダム。石田島、桟橋側立木。
 戸面原ボートセンター。
 天候/曇りのち晴れ、弱風のち凪。
 水色/小濁り、水位/減水5.5米。
 「過疎の柳に二匹目の泥鰌はいなかった」の巻。 前回の釣りは面白かった。消去法で入った最後の候補地に福があり、思いがけず大きな魚と出会うことができた。そればかりではない。午後にはクライマックスとも云える時間がやってきて、40糎には届かなかったが、壱尺を可なり超えようかという魚を六枚も追釣できた。しかもこの魚たちを擬きとは云え底釣りで仕留めたのだから、大満足の釣りだった。
 そこで今回も二匹目の泥鰌を釣るべくやってきた。
 そのわたしに追い風とも云えるようなことがある。前回のわたしの釣果以来、池主の相沢さんが推奨場所として、この過疎の立木を釣り客に案内しているようなのだ。そして昨日も42糎が出たらしい。この状況に張り裂けんばかりの希望を胸にして、桟橋を後にした。
 
 
 
                  
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                    | マークした地点は大まかです。 正確性は欠如しております。
 Yahoo!地図より。
 
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 ☻本日の予定。・目 標/魚籠を下げること。
 ・釣り方/底釣り擬き。
 ・釣り竿/普天元独歩、十二尺。
 ・浮 子/亀治郎、二番。
 ・釣り糸/1号。
 ・鉤 素/0.4号、350粍+420粍。
 ・釣り針/アスカ針8号+7号。
 ・納 竿/十五時。
 六時半。わたしが今、陣を構えたのは前回と同じ石田島の桟橋側に位置する普段は過疎の立木。ここで竿を出すのは前回の続編のようなものだが、意識的に違えたのは舟の向き。同じ立木を利用するのがだけにすべてがリピートでは芸がない。そこで舟の向きを東の方角へ直角に転回して留めてみた。
 底の形状は平坦。潜って観察してきたわけではないから偉そうには云えぬが、何処に落としてもトップの露出幅に変わりはない。ということは、舟の留め易さも含めて、こちらはわたしのような下級レベルの者に優しい場所といえる。
 さて釣りを始める。
 わたしにしては珍しく出舟後、六十分で最初の餌を入れた。矢張り、意欲に溢れていると何事もスムーズに取り計らえる。で、餌を打ち始めて三十分が経とうとかすると、浮子が何やらモゾモゾと怪しく動き始めた。つられて胸の鼓動も高まり出すと、ツンっと沈んで魚が釣れた。が、しかし、釣れたのは壱尺には満たぬもの。そして以降も断続的に釣り上げたが、前回の魚とはひと回りもふた回りも小振りなものばかり。
 こんな事ではない筈だが…。
 三年前の放流べらに戸惑うも、ここは続けるしかなかった。
 十時半。思惑とは違った釣りになっている。
 正直なところを告白すると、ガッカリ感が否めない。
 魚は釣れている。すでに八枚の魚を釣り上げて、数の上では前回の釣果を上回った。が、型が悪い。釣り上げた魚に前回並みの型が見当たらない。最初のを玉で掬った時には、大きな魚に混じった小ぶりの魚と思っていたが、そうではなかった。この型が今回のレギュラーサイズだった。魚の平均を比すると、前回が36糎で今回は27糎。和寸で表記すると三寸も小さくなった。
 当てが外れた。
 今回も魚籠を出す夢が、儚くも消えようとしている。
 そんなことで意気消沈していると、
 「オレたちでは不満なのかっ!」
 との声が水の中から聞こえてきて、パッタリと釣れなくなった。釣れなくなった原因は業界用語でいうところのカラツン。わたしを嘲笑うかのように空振りばかりとなった。
 もしや、魚を浮かせてしまったのではあるまいか。
 ということは餌に問題があるのか。シロウトなりに餌には気を遣ったつもり。魚粉系を主体に麩はチョーチン団子しか混入していない。それでもこの現実を突きつけられると、そこに原因を求めるしかない。
 さて、どうする。
 浮子を穂先の方に、ちょっとだけ寄せてみるか。
 10粍程度深くする事を思案し始めていると、電話がなった。待ち受け画面に表示された名は、「行徳の名人」。名人が電話をくだすったのはわたしが掛けた事への折り返し。そこで用件の終わりに、戸面原で釣りをしていることを話し、現況を相談すると矢張り、答えは同じだった。名人はとても穏やかな方で、釣りの腕前は上級。いつも朝一番に来られては昼頃に竿を仕舞われる。そして沢山の釣果を得られて帰る。その名人に同調してもらったのが自信となって思惑通り、釣れ始めた。
 
                    
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                    | 本日の移動場所の、正面図。 竿は変わらず、十二尺。
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                    |  |  正午。本日ただ今の釣果、十四枚。
 名人の助言に自信を得たせいか、あれから五、六枚の釣果を得ることができた。で、それについては、してやったりと喜びはしたが、この魚たちではどうにも心が満たされない。矢張り、大きな魚を釣りたいとの思いが抑えられず、舟を前回と同じ方向に転回してみることにした。
 そして決意も新たに餌を打ち始めると、朝のリプレイでも見ているかのように、三十分で浮子が動き始めた。
 今度は大きな魚だといいな…。
 期待を胸に力感ある魚信に反応するも、釣れてきたのは朝と同じ型。そして次も、また次も同じ。なんということはない。釣れてくるのは朝と同じ魚たち。
 もしかしたら魚たちも、わたしの移動に合わせて先の場所からついてきたのではあるまいか。そんな馬鹿な空想をしていると、またもカラツンに見舞われて釣れなくなった。
 さすれば朝の対応で凌ごうとしたが、今度は上手くはいかない。結果、そのまま釣れることはなく、一件落着と相成る。
 下級レベルのわたしが底釣りで二三枚もの魚を釣り上げたことは大いに喜ぶべきであるが、前回の釣りで禁断の果実を食べてしまったせいか、どうにも満足を得られない釣りであった。
 過疎の柳に二匹目の泥鰌はいなかった。
 お仕舞い。                  
                      
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                    | 移動図。 写真とイラストで説明。
 朝の横向きから午後は正面向きへと転回した。
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                    |  |  ☻本日の釣果。・へら鮒/23枚、
 ・ブルーギル/8匹。
 ☻2017年データ。・釣行回数/5回
 ・累計釣果/140枚。
 ※お断り。この釣行記はiPad等の端末に合わせて編集しています。
 
 
 2017年6月18日(日)  。 |