吉右衛門の闘病日誌、四日目の巻。


段々とココの生活にも慣れてきて、リズムも掴めてきた。

特別にチャイムが鳴るわけではないが、

朝は6時に看護師さんがやって来て起床。

直ぐに検温と脈拍、血圧の測定。

それが終わると間が空く。

間と言うのは売店が開店する迄の時間の事。

そこで、その間を埋めるべくこの闘病日誌をセッセと書いているのだ。

こいつを大凡30分で書き上げると、

丁度良い塩梅に売店の開店時間と成る。

7時半、この時間に入院棟と外来棟の関所とも言うべき鉄扉が開く。

それを待ちかねて、待ってました、

と言わんばかりにスポーツ新聞を買いに行く。

実はオレ、子どもの頃からのスポーツ新聞依存性。

これがないと生きていけない。

あとは三度の粗食の間に検査やら何やらが入って、

快適とは言えないまでも、営業が出来ない事を除けば、

大きな不満はない。


さて、本日は今入院のクライマックスである、手術の日。


10時半、

いつもの喧しい二人が登場。

折角鑑賞していたDVD「北陸代理戦争」が台無しに。


13時半、

予定時間の1時間半前、看護師さん登場。

手術着への着替えを促される。

そして奇妙なモノと細くカットされたミラーマットを渡された。

「あのお、コレは何でしょう?」

「手術中にお小水を我慢しなくてもいいようにです」、だって。

成る程、スソを拡げてみると避妊具のよう。

然し、オレは若い時分からこういったモノの厄介に成った事がない。

そんな事をブツクサ呟いていると、

見兼ねた看護師さんが手際良く装着して、

最後にミラーマットを根元にクルッと巻き付けてくれ、

一件落着。


14時、

車椅子に乗って、いざ出陣。

20分のインターバルがあって、手術台に。

先ずは名前の確認。

「イ・ワ・ム・ラ・キ・ヨ・ト」

「キヨトのキヨは、さんずいにブルーです」

次に手術着を外され、吸盤やら洗濯バサミをそこいら中に付けられ、

最後に工事現場のブルーシートの分厚いヤツを被せられて準備完了。


14時半、

手術開始。始めにカテーテルの挿入部である右手首に麻酔。

ココで眠りに入れて、覚めてみたら終わってた、なんて事だとよいのだが、

そうは問屋が降ろさず、ズッと起きていなくてはならない。

天井と睨めっこしてばかりではつまらないので、

ちょっと無理をして首を曲げるとモニタを覗く事が出来る。

詳細は不詳だが兎に角、

患部を治療してくれているのがライブの動画で確認出来た。

時々痛みも感じたが、トラブルらしき事もなく約40分で終了と相成る。


家族も呼ばれ、手術の経過と詳細、そして成功の確認もされ、

一件落着。


先生方に深謝深謝して、無事の帰還が叶う。


みなさま、ご心配をおかけしました。

無事に終了しました。

ありがとさんでした。


お仕舞い。

2011年10月20日。

吉右衛門。



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