吉右衛門の闘病日誌、五日目の巻。
今日も日付変更線の辺りからか、眠れない夜を過ごす。
その原因はカテーテルを入れた術後の処置。
止血をすべく巻かれている空気圧のベルトに、
右手が容赦なく締め付けられて、痛いのなんのって。
当初は、男だから我慢、と痩せ我慢で年端の行かない看護士さんに
弱みを見せるのを躊躇っていたが、
夕食後に服用した鎮痛剤が切れると同時に、ギブアップ。
結局朝迄、眠りに就く度に痛みで起こされる。
この間、思考は何処に流れていたのか、今と成っては忘却の彼方。
まあ、大した事を考えていた痕跡が無い事だけは間違えない。
朝を迎え、
看護師さんに、いつもの事をいつものように行ってもらってから、
先生が幾人もやってきて、採血やらバンドの解放をしてくれた。
どうやら此度の入院も大詰め。
この採血の結果次第で、明日か明後日の退院と成る。
昨日の日誌にも書いたが、
オレとしては、ココの生活にも慣れてきたので
別に慌てて娑婆に戻れなくもよいのだが、
家族の事を考えると、早いに越した事はないだろう。
この日は特筆事項が無いので、箇条書きにして終えようと思う。
8時、朝食とスポーツ新聞。
9時から読書。
池波正太郎原作・さいとうたかを画、仕掛人藤枝梅庵。
11時半、採血の結果が出て退院が決まる。
12時、昼食。
13時、面会予定のラスベガスに電話、回避理由を伝え謝罪。
13時半、DVD鑑賞。
東映、新仁義なき戦い・組長の首(1.976年、深作欣二)。
15時、退院後のリハビリの見学と申し込み。
16時半、事務所に電話。スミレの悩み事相談。
17時半、面会予定のミシマルに電話、回避理由を伝え謝罪。
18時、夕食。
19時、DVD鑑賞。
東映、仁義なき戦い・広島死闘篇(1.973年、深作欣二)。
北大路欣哉と梶芽衣子の演技に見惚れた。
21時、インターネット閲覧。
23時、就寝。
ダラダラと書き並べたが、早い話ヤクザ映画と漫画で過ごす。
実はオレ、昔からヤクザ映画が大好き。
学校を抜け出して観たのは、高倉健の「網走番外地シリーズ」。
そして、この「仁義なき戦いシリーズ」に到っては青春そのもの。
あの時代は、キラ星の如く役者さんが排出された時代。
今迄、これら同じ映画を何度見た事か。
当時の大部屋の俳優さんの名前も、可成り知っている。
学校は男社会、社会に出てからも男の縦社会をズッと歩んできた。
それが、どこでどうなってこうなったのだろう。
お仕舞い。
2011年10月21日。
吉右衛門。