「ベルリンからの手紙」の巻。前篇。


老人の朝は早い。

毎朝、午前三時半には目を覚ます。

就寝時間などは関係ない。

まるで体内に時計の針が内蔵でもされているかのようだ。

そして、この時間から一日が始まる。

緩慢な動作で布団から這い出ると、

分厚い靴下を履いて自分の部屋へと向かう。


私は典型的なA型人間。

可哀想なくらい人間が几帳面に出来ている。

部屋に入ると直ぐに音響、暖房、パソコンの順でスイッチを入れる。

歌が流れ暖まりだすと、電子新聞に目を通す。

新聞と言っても、基本的には見出しを眺めるだけで、

読むのは興味をそそらた記事のみだ。

この作業は一般紙からスポーツ紙までひと通り行う。

それが終わると前夜の残務を整理し一日の予定を組む。

そして最後に新着メールの確認をするのだが、

この作業は前夜の九時頃にも行っているから、

気の利いたメールが来ることは滅多にない。


冒頭で体内時計の存在を書いたが、

これらの動作を終えると必ずといってもよいほど、

強烈な睡魔に襲われる。


それが、先月の或る日。

睡魔が消し飛ぶようなメールが、西洋の方から送信されてきた。


続く。


2014年02月02日(日)。

吉右衛門。


コメント / トラックバック2件

  • miss las vegas:

    文体が…短編小説のようですね!
    ベルリンからの手紙、楽しみです

  • kichiemon:

    激写さま
    書き込み有難う御座います。
    ブログは構想10分、執筆15分、編集5分の大体、30分程度で書き上げています。
    校正は敢えてしないようにしております。
    このブログフォーマットは行間の表示が不自然なのが気に入りません。読点で改行をしているのはその為です。

    昨日、後篇をアップしました。
    お手すきの時にでも読んでやってください。

    吉爺。

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