「きっと待ってたんですよッ!」の巻。前編
帽子がない。
灰色の帽子がなくなった。
先月の12日のこと。
現場から戻った車庫の中で、帽子がなくなっているのに気がついた。
あの帽子は、2013年にチョッキと対で買った物だった。
番いで買うと仲を引き裂いたような気になって罪の意識に苛まれる。
それでも、職場に戻れば案外あるのではないか!、
そんな期待を持って自室の扉を開けるも、その姿はなかった。
困った、なんとか見つけなければ…。
実はわたし。
学生の頃は、ホームズ、と呼ばれていた学生探偵であった。
昔取った杵柄ではないが、その経験を生かして何とか見つけ出そう。
早速、捜査に取掛かった。
この日行動を共にしたスタッフから証言を集めた。
出掛けに事務所の出口であった、千葉さな子の証言。
「吉右衛門さんが灰色の帽子を被って行くのを見ました」
午前中行動を共にした、二コタマゴロウの証言。
「吉右衛門さんが帽子を被っていたかどうかは覚えていませんが、オートンの中に忘れ物はありませんでした」
午後ずっと一緒にいた、飛行機雲の証言。
「吉右衛門さんが帽子を被っているのは、車庫で会った時からずっと見ていません」
となると、考えられるのは、
オートンを下車してから飛行機雲と会うまでの間という事になる。
その考えで行くと、行き先は一ヶ所しかない。
これは案外簡単に解決できそうだ…。
これからそこに電話で問い合わせればよいのだが、時計の針は18時を廻っている。週明けにでもしてみよう。
この日の捜査は、ここで終了。
安堵感を抱いて、帰路に就いた。
続く。
2016年03月27日。
吉右衛門。
探偵ホームズ帽・・・
台詞が出てくるまで次回を楽しみにしております(笑)
ほ〜
新しいですね・・・ニタニタ
飛行機雲さま
三月はたくさんの売上をありがとうございました。
次の仕事に取組むまで、たくさん休んでください。
吉爺。
二コタマゴロウさま
先月、あなたに納めてもらった物件は、開業15年のなかで五指にはいるものです。
この数ヶ月のあなたの労苦に報いるべく、わたしも努力していきます。
ありがとうございました。
謝謝。
吉爺。