吉右衛門へら鮒釣り2011
第六回釣行 2011年07月06日(水)。
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戸面原ダム。
光生園ワンド立木、石田島島裏立木。。
戸面原ボートセンター。
快晴時々晴れ夏日、風。
気温30度、減水1.5m、水温不詳、水色澄み。   

夏の戸面原、立木の三本勝負!、其の壱。
後悔先に立たず、
素直に管理人さんの言う事を聞いときゃよかった、の巻。

大好きな夏がやってきた。
この季節の焼けるような陽射しを浴びていると、小学生だった頃の夏休みを思い出す。半ズボンにランニングの出立ちで、真っ黒に成って暗くなるまでよく遊んだものだ。団地の空き地でやったのは三角ベースにゴロベース、早起きして砧公園に捕まえに行ったのはカブトムシにクワガタムシ、そして多摩川へは小魚とザリガニを獲りに出掛けた。
先日テレビでやっていた新しく成った二子玉川を女房と二人で見ていたのだが、あまりの変わりようには驚くばかり。
今年、玉川高島屋が開業四〇年を迎えたらしいが、自分はあれが建つ更に十年位前の田圃であった時分に、スルメでマッカチンを釣り上げた事がある。あの頃は、玉川線(通称玉電)の二子玉川駅で降りると釣具屋が軒を並べていて、辺り一面田園だった。
あれから半世紀、まさに今昔を生きてきた。
そして、あの頃一緒に遊んだ悪ガキどもは、今、何処で何をしているのだろうか……。

今日七月六日はオレの誕生日。
歳を一つ重ねただけなのに、へらバックがズシッと重たく感じられるように成った。ヨロつく足取りで愛車に道具を積載して向かうのは、戸面原ダム。
今回より三回は、「夏の戸面原、立木の三本勝負!」と銘打ち少年の頃のように真っ黒に成るまで遊ばせてもらうつもりだ。
…………。
午前五時十五分。
到着して入店すると、管理人である相沢さんが不在。という事は既に開門して出舟の見送りと釣り客の世話を焼いているのであろう。今朝も例会が無い割には大盛況で、駐車場には三〇台以上の車が駐っていたから随分な賑わいが想像出来る。これは管理人さんご夫婦の努力の賜物で、商売が繁盛される事は多いに結構な事なのだが、果してオレは無事に入釣出来るのだろうか……?。
実は、今回心密かに入釣を希望して来たのは、落合。この自分にとっての処女地で浮子を眺めたかったのだが、微妙な展開と成ってきた。まあいい、その時はその時、と考えながら奥さんに朝食をお願いしていたら相沢さんが戻ってきた。
朝の管理人さんは忙しい。次々に訪れる釣り客に地図を差しながら場所と釣況を説明し桟橋へと誘導されている。
…………。
さあ、飯も食ったし先ずは斥候にと桟橋へ出向くと、ドキッ!。
落合には満員御礼の垂れ幕が下がり、その向こうの川又まで、
隅から隅まで、ズズ、ズイーと、等間隔に舟が並んでいる。
これじゃあオレの出番なんかあるわけがない。既に覚悟していたとは言え、茫然自失。ガッカリして桟橋の隅っこでションボリしていたら、相沢さんが声をかけてくれた。
「まだいい場所が残っていますよっ」。
何だか、以前と同じような展開に成ってきた。
「石田島のポイントが残っています、島表の左端です」。
石田島かあ、折角だけど島の表側は底釣りポイントだからオレには無理だろう。一頻り考えて、浮かない顔をしていたら、
「本湖立木も空いていますよっ」だって。
本湖立木は昨夏に入釣した事があるから何となくわかるが、先ほどから気になる処がある。
「あのお、いろいろとお心遣いはありがたいのですが、石田島の向こうに並んでいる立木に入りたいのですが……」。
実はこの場所、昨年、塚山で遊んだ帰りに通り掛かった折、とても魅力的に見えたのだ。
「彼処は光生園ワンドの立木と言うのですが……」
奥歯にモノが挟まったようの言い方をされるので、
「自殺行為ですかっ!」と伺うと、
「ハイっ!、苦しいと思いますよっ」だって。
ガーン!……キッパリと言われてしまった。
誰よりもココに詳しい管理人さんに駄目を出されて、何かが崩れるような音がした。

午前六時。
入釣場所を決めあぐね道具を担いで桟橋に戻ると、推奨ポイントはどちらも売り切れていた。
これは参った、しくじった。入釣場所が無くなってしまった。
今更愚痴っても詮無いが、薦めて頂いた場所にとっとと入るべきだった。
…………。
暫し、天を仰いで決めた。
斯く成る上は仕方が無い。
これも天命、光生園ワンドの立木に行こう。
推奨ポイントに入らず、駄目と言われた処に入釣するのは相沢さんに申し訳ないが、今朝はモジリもあちらこちらで頻繁にあるようだから、さ程、酷い事にはならないだろう。
…………。
桟橋を最後に出航して現場に到着。
早速、真横に並んだ立木に舟を留めて準備に掛かるが、その間に今朝の周囲の状況を書き留めておく。先ずは向かって右側の川又から落合に掛けて十名、石田島は岩盤側立木に三名と表に一名、遠くに見える事務所の裏辺りからブイかけては五名と本湖立木に一名。そして最後にオレを加えた二〇名くらいが本湖に散開している。これは、我が戸面原釣行史上最大の混雑ぶりだ。

釣行記写真
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本日入釣場所の、正面図。

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同上、背面図。
写真奥が、光生園ワンド。

◯本日のデータと予定。
・目標/十枚。
・竿 /嵐馬.12尺。
・浮子/忠相グラスムクトップ.10番。
・鉤素/600粍+750粍。。
・餌 /天々.1+グルバラ.1+GTS.1+水.1+スーパー団子1。
    (数字の1は100cc)
・納竿/14:00。

午前七時。
準備は完了したが、今回も始める前に能書きをひとつ。
前々号の釣行記でエサの事を書いたら、大名人の山田さんがこれについての解説を、掲示板で懇切丁寧にしてくださった。
昨夜、これを何度も読み返したのたが、オレは馬鹿だから一晩寝ると忘れてしまう。そこで、現場でも読めるよう後生大事にプリントアウトしてきたので、今回はこれを虎の巻とするつもり。
…………。
さあ、始める。
前島の右側にちょこっと見える桟橋を目標に、エサ打ちを開始。
今朝は可成り沖の方ではあるが結構なモジリがある。これらが接近してくる迄は黙ってエサを打つ我慢の展開になるのだろうが、この場所を選んだ以上は仕方がない。浮子が動く事を信じて頑張ろう。また虎の巻にも「テンポよく打つ」と「忙しい釣り」、とあったので丁度いい。今日は打って打って打ちまくるつもりだ。
そう決めて最初の400cc攻撃を終えたのは四〇分後。予想通り何も無かったが、テンポよくは打ったつもり。そして次の400cc攻撃の最中に相沢さんの推奨ポイントである石田島が釣れだした。人の幸福を羨むわけではないけれど、助言に従わなかった己の愚を思う。そもそも底釣りポイントを宙でやるのも自由だし……、と愚痴っているうちに、再び、何も無く第二波攻撃も終了。次の第三波攻撃は配合を替えて挑む。
・餌 /天々.2+スーパー団子1+水.1+スーパー団子1。
    (数字の1は100cc)。
この集魚効果を期待した配合で、何とか突破口を、と思っていると、左前方にある赤い橋(名前は忘れた)の方角から風が吹いてきた。最初は暑さ凌ぎの微風程度であったのだが、段々と勢いを増してきて、遂には浮子が穂先の手前まで流されるように成ってきた。これには参った、果してどうすればよいものか……?。
舟の向きを180度クルッと旋回すれば、風は凌げるのだろうが、今まで遮二無二打ってきた事が無駄に成るようで、やるせない。時間は九時ちょっと前、もう少しようすをみるか、と思ったものの一向に収まる気配がない。
…………。
これ以上は無理、と渋々向きを変えるべく縄を解いていると、オッと!、石田島の裏側で魚が三段跳びのように跳ねているではないかっ。何だか、「おいでおいで」と呼ばれているかのよう。幸いな事に裏側は無人であるし、善は急げ、と石田島の島裏へ急行する。

午前十時。
移動完了、ココに越して来てよかった。背後に背負った島が風を完封してくれている。ちょっとルンルン気分に成って、再開の為の準備をしていたら、二年前の事を思い出した。
そうだ、そうだった。前回は夏の満水時に来て、分けが分からないまま舟を留めたら、往来する方々に、「其処は根掛かりをするから駄目だよ」と言われて随分と不安に陥ったのだが、どうにかこうにか二十枚ばかり釣り上げて、多いに興奮出来た。
あの日は楽しかった。そして今思えば、あの興奮がキッカケと成ってココに通うようになったのだと思う。

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移動先石田島島裏の、正面図。
写真奥が、光生園下の立木。

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同上、背面図。
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あの時と同じような展開に成ればいいなあ。
淡い期待を抱いて再開。竿と仕掛けは移動前と一緒。エサの配合だけスタート時に戻して、又もや四十分400cc攻撃を始めるが、結果は同じ。二進も三進もいかないから、そろそろ何とかしないといけない。と言っても最善の策がみつからないので、次善の策として竿だけでも替えてみよう。そして、今回もエースの16尺のお出ましと相成った。

正午。
本日ただ今の釣果、零。序でに魚信も零。
移動してきて12尺で一回、16尺で二回と都合三回の400cc攻撃を繰り返すも、何ら反応は無い。思い起こせば、今年の出足は好調だった。夢のような体験をさせてもらったのだが、今、ココで
「その分を返せっ!」とでも言われているかのよう。
もしかしたらオデコを喰らうのではないか……?。この信じられない事を想像する迄に至ってきた。
そんな事で段々とエサ打ちのテンポも鈍ってきたから、移動後の周辺状況も書き留めておく。先ずは島の立木に三名(一名は直ぐに移動)、その向こうの岩盤(名称は知らない)に四名、そして真正面の光生園下の立木にも4名が布陣している。それと今日のこの混雑の原因が判明した。来週行われる例会の為に試釣に来ている方が大勢居るのだ。だから頻繁に移動が繰り返されていて、同じ色の傘の花があちらこちらで咲いているのだ。

十三時。
真夏のオデコに怯える、オレ。
こんな事に成るなんて夢にも思わなかった。
アヤは、あの時だった。メシを食った後にのんびりと斥候なんかに行かないで、さっさと道具を担ぎ桟橋に行くべきだった。
オレは絶対に魚釣りをナメている。技量が劣る分は場所で補わなくてならないのに、景色がどうだ、とか言っているからこういうメにあう。
桟橋で相沢さんに「石田島っ!」と言われたら、
「ハイっ、わかりましたっ!」と言って、怒濤のように舟を漕いで行けばよかったのだ。嗚呼!、後悔先に立たず。
…………。
もうすっかり捨て鉢になって、ゆで卵の殻を剥いていたら、何だか浮子の沈下速度が鈍く成ってきたようだ。気のせいか……?、と思いつつ、卵を持つ手を竿尻に持ち替えていたらナジミ際でトップが小さく、そして弱く動いた。
……?、半信半疑で合わせてみたら、コツン。
オオーっ!、と意外にも仕留める事が出来た。
バンザーッイ!。
遂に初魚信で獲物を仕留めた。八寸ちょっとの小童だったが、
よかった、よかった、本当によかった。時計を見ると十三時二三分。これは、移動時間を除くと苦節五時間二三分の出来事。
嗚呼、この快挙に、溜めておいた涙を流したい。

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遂に仕留めた、八寸ちょっとの小童。

本懐を遂げたと言うか、漸く一死報いた感じ。
真夏のオデコの呪縛から解放されて気分は大分楽に成った。今朝決めた納竿予定時間は十四時だから、残りは三十分と少し。
ココからはパラソルを畳んで全身に太陽を浴びながら続行。顔やら腕を焼いて、世間様には営業焼け、とデマカセを言う魂胆だ。
閑話休題、
一枚釣れたので少しは魚が集まったかと思いきや、全く以て甘かった。結局何事も無く静かに納竿の時を迎える。

十四時。
帰り支度をしていたら、エサバックの中に角麩があるのを見つけた。去年買った生き残りだが、次回からのメニューに角麩釣りも加えるつもりなので、少しだけ試釣をしてみたくなった。
・目標/一枚。
・竿 /嵐馬.10尺。
・浮子/痴舟.10番。
・鉤素/100粍+600粍。
・餌 /蛹爆弾+角麩。
・納竿/一枚釣れたら終了。

今年初の角麩を始動。
開始十分、所謂、脳天金槌で引っ掛けたが直ぐにバラす。
更に十分後、又もや脳天金槌の超消し込みで今度は成就。デカ頭のデブを釣り上げた。そこで記念写真を撮ろうと思ったのだが、この暑さ。魚に気の毒だから即時放流して一件落着。老化してきた肌も適当に赤く成ってきたし、今度こそ納竿と相成る。
道具を片付けながら思う。
桟橋へ戻ったら、助言を受け入れなかった事を、相沢さんにこう詫びておこう。
私が悪うございました、ごめんなさい。

お仕舞い。

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石田島.島裏、全景。

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最初の入釣場所、光生園ワンド立木。
右から三本目の立木に、舳先を結んだ。
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○本日の釣況。
・光生園ワンド、立木。
 07:00〜09:00、12尺天々/零枚、両団子。
・石田島。裏側立木。
 10:00〜10:50、12尺天々/零枚、両団子。
 11:00〜13:50、16尺天々/一枚、両団子。
 14:00〜14:20、10尺天々/一枚、角麩。
・合計 二枚。
 八尺零分〜壱尺弐寸五分。

○この日の釣果。

釣行記写真
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(戸面原ダムボートセンター、ホームページより。)

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○2011年データ。
・釣行回数/6回
・累計釣果/280枚、平均/46.7枚。


2011年07月18日(月) 。 
吉右衛門。


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