吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第三回釣行
3月30日(月)

戸面原ダム。
前宇藤木。
戸面原ボートセンター。
快晴、微風。
気温/20度、水温/10度、水色/小濁り、水位/減水0.4m。 

「サンスイ川釣り館の武重店長に釣りを教わった」の巻。

釣りを再開して九年目に突入した。
ひと頃、釣行意欲の減退を感じた時期もあったが、一昨年あたりからはそれも解消し、再び上昇カーブを描きだした。それを反映してか、昨年は久方ぶりに釣行回数、二桁を達成できた。
しかし、肝心の釣技の方はといえば決して芳しいものではない。
すでに向上心、探究心は乏しくなり、今はへら鮒釣りをしているというより、竿を出して真似事に興じているだけのような体たらくぶり。
釣りのスタイルも固まってきた。
いつも出舟時間の頃に家を出るから現地に入るのは概ね、朝の喧噪が終わった一時間半後と成る。遅れてきたのだから、さっさと小舟に道具を積んで出舟すればよいのに、池主さんと四方山話をしてからでないと腰を上げない。
話が盛り上がった所で桟橋に出るのだが、入釣場所へのこだわりもあまりないから行く先も、行き当たりばったり。過疎を見つけて、竿を出す。
釣技の持ち合わせがない所へもってきて、過疎が好きときているから、釣果は推して知るべし。いつも釣れない。
そして六時間ばかり真似事に興じてから桟橋へ戻り、池主の奥さんに一日のあれこれを語って、一件落着と成る。
このように長閑な姿勢で取り組んでいるから、私の趣味はへら鮒釣りです、などと言おうものなら、他の愛好家から怒られそうだが、本人は至って楽しくやっている。
人気(ひとけ)のない過疎で竿を出して、浮子を眺める。
耳に入ってくるのは、ウグイスの鳴き声と森が木の実を落とす音だけで、大空に目を転じると番いの鳶が大空に戯れている。
そして蝉時雨の季節には、遠い昔の少年時代の夏休みまでも思い出させてくれる。
これほどまでに贅沢な空間と時間はないのではなかろうか。
私にとって魚釣りとは、まさに太平楽ともいえる時間なのだ。

六時半。
戸面原ダム、管理事務所。
思いがけない人物がこちらのダム湖の池主、相沢さんと談笑していた。
いつもお世話に成っている、サンスイ川釣り館の店長、武重さん(以下の表記、武重さん)だ。
今日は月曜日。この日はサンスイさんの定休日にあたる。
その休日を利用して、釣りに来られたのだろう…。
そう、勝手に解釈して、
「どちらに入られるのですか?」と尋ねてみた。すると、
「何処でもいいですよ!」予想だにしない答えが返ってきた。
「……?」
もしかしたら、私と並ぶつもりでおられるのか…?
それにしても私が来ることを何故、知ったのだろうか…?。
そうだ、そうだった。
昨日、夏の富士山行きの準備で、竿掛けの問合せをした時、今日の戸面原行きを話したのだ。
ということは、私がここに来ることを前提に来てもらえたのか。
これは嬉しいことであるが、不安もある。
いま迄、武重さんからは多くの事を教えて戴いたにも関わらず、その殆どが消化されないままでいる。なんだか、おのれのバカさ加減を晒すようで、とても気恥ずかしい。
しかし、プロの方から直にレッスンを受けられることなど滅多にないから、千載一遇の好機とも言える。
そう考えると、ふつふつとわくわく感が沸いてきた。
今回も太平楽な時間を過ごすつもりでやってきたが、どうやら今日は貴重な一日と成りそうだ。

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快晴で穏やかな、朝の本湖。

前宇藤木。
今回も前回に引き続き、ここに陣を構えることになった。
細かくいえば、舟を結んだのは前回の宇藤木橋寄りではなく、南郷岬寄りにある四本立木の方だ。ここは前回、束釣りのあとで敬遠した場所でもある。
舟の固定が終わり準備をしていたら、武重さんが餌を作ってきてくれた。
餌の横には元餌が添えられ、さらの大きさ見本まで作ってくれてある。それを有り難く頂戴して、本日の釣りが始まった。

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本日の入釣場所の、正面図。
スコープを忘れてきたので一眼レフが使えず、デジタルカメラで撮った。
矢張り、写真の出来映えが悪い。

 
マークした地点は大まかです。
実際とは違っている可能性もあります。
Yahoo!地図より。

☻本日のデータと予定。
・目標/特に無し。
・釣り方/チョーチン、グルテンセット釣り。
・竿 /朱門峰嵐馬、十八尺。
・浮子/忠相、パイプムクトップ十四番。
・道糸/1号。
・鉤素/0.4号、300粍+500粍。
・針 /8号+4号。
・納竿/十五時。

八時半。
武重さんの指導を受けながらの釣りが始まった。
数投目で早くも浮子の挙動に変化があった。
……
ここから教えて戴いたを細かく書こうとしたが、マウス(筆)が思うように進まない。
私が今、書いているのは釣行記。
それゆえ、その内容はきちんと記すべきと思う。
そして、そうすべく何度も下書きを重ねてみたが、私の稚拙な文章力でそれを表現するには、あまりに難易度が高すぎた。それに誤記でもしようものなら、折角のご厚意に迷惑を掛けることにもなりかねない。貴重な話の数々だけに甚だ残念であるが、ここでは結論だけを書いてやりすごすことにする。
……
一枚目が難産であったが、そこからは手を替え品を替え、十時までの九十分で十二枚を釣ることができた。
そして武重さんは、これで決まり、と言い残し、ご自身の釣りを始められた。

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本日の第一号。
サイズは概ねこんなもの。

単独での釣りと成った。
面白いもので、何となく心細さを覚えてきた。
浮子が動く。
しかし、弱々しい動きだ。
そこで教えてもらったように、浮子をほんのちょっと持ち上げると、ツンっと動いて、釣れた。
なるほど、こういうことか…。
そして何枚か釣れ続いた所で、餌が無くなった。
どうするか…。
もう少しこの餌でいろいろと試してみたいが、私がいくら図々しくても、まさか、もう一度作ってもらうわけにはいくまい。そこでやむなく持参の餌で作ってみると、さっぱり釣れなくなった。
それを表して、武重さんからこんな名言をもらった。
魚がフランス料理を食べたがっているのに和食を作ってもダメです。こちらの都合ではなく、あちらの都合に合わせないと、と。
私は今年から餌は単品仕様にすると決めていて、前々号の
「初釣りの巻き」でもそれを書いた記憶があるが、
ごめんなさい。訂正します。私が間違っておりました。

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本日の入釣場所を、対岸から見た図。
赤○印の立木に舟を並べた。
写真は納竿後に撮った。

正午。
本日ただ今の釣果、十六枚。
自作の餌にしてからは、いつもの釣りに戻った。
矢張り、この餌では無理なのか…。
武重さんに確認してもらうと、
「柔らか過ぎます。これでは餌が付いてないかもしれません」
餌持ちへの懸念を指摘された。
そしてさらに、
「釣りをしていて一番釣れないのは、餌が針に付いていないことです!」
なるほど。ごもっともです…。
そこで餌を少し硬くすると、尾鰭が切れた大きな魚が釣れた。
今季始めて釣った、地魚だ。
これが復活の狼煙かと期待したが、そうはいかない。
結論から先に言うと、この魚が本日のオオトリになってしまい、ここから納竿した十五時まで私の竿に魚が掛かる事はなかった。
さて、武重さん。
こちらは順調に釣果を伸ばしている。
百戦錬磨、臨機応変、縦横無尽…。
ありきたりの言葉だが、これらの言葉通りの釣りをされている。そして私の三倍の数の魚を釣り上げた。
今日は私の釣りに出向いてもらって、感謝、感謝です。
釣りを再開して九年。
本当によい人たちと出会う事ができた。
そんなおのれの幸運に感謝して、一件落着。
刺激的な一日を終える。

お仕舞い。

☻本日の釣況。
・09:30~15:00、
 18尺チョーチン/十七枚、バラケ+グルテン。

☻2015年データ。
・釣行回数/3回
・累計釣果/19枚。

2015年04月12日(日) 。
吉右衛門。



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