吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第九回釣行
6月22日(月)

戸面原ダム。
落合。
戸面原ボートセンター。
曇天一時雨、無風。
気温/24度、水色/小濁り、水位/減水1.4m。 

「会心の魚信を空振り。釈然としない形であがりべらが釣れて、 一件落着」の巻。

今月(六月)の末、娘の小雪(愛犬)が十七才を迎える。
人間界の十七才は花も恥じらう乙女だが、娘はダックスフント。その年齢を人間に換算してみると八四才となり、立派な後期高齢者となる。※換算公式、[17(年齢)-1]×4+20=84才 。
わたしの家には三頭の愛犬(小雪・吉右衛門・虎徹)がいて、これらを子どもとして暮らしてきたが、この春、末の息子の虎徹が多臓器癌で旅立ち、我が家は悲しみで包まれていた。そんななか小雪が無事に十七才を迎えられることが、嬉しくてたまらない。
十七年前。
住み慣れた団地から現在の共同住宅に越してきた時に小雪はやってきた。隣町のペットショップのご主人が、わたしのリクエストに応えて遠く福岡の博多から連れてきたのだった。
当時の我が家は女房と長男と長女、そしてわたしの四人暮らし。
我が家は博多からやってきた生後四十日の子犬に歓喜した。
あれから十七年。
娘は健やかに育った。しかし、窮地は一度だけあった。
一昨年の暮れ。椎間板ヘルニアを患ったのだ。
後肢を動かすことが出来なくなり手術に踏み切った。
高齢での手術だっただけに本人(犬)も辛かったろうが、家族も大変だった。散々、甘やかして育ててきたから病院食をうけつけない。私ども夫婦は朝夕、一日二回。船橋市にある動物病院へ差入れに出向いた。大晦日も正月もなかった。そして退院四十日後に四本の足で歩行した時は安堵というより感動で涙がでた。
彼女の竹馬の友は一頭を除き、みな、鬼籍に入った。
運がよかったのか、生まれもっての健康体であったかはわからないが、万感の思いで当日を迎えると思う。そして今度は十八才を目指していきたい。

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小雪、一才時。
取引先のスタジオにて。

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同上、十六才。
稲毛海浜公園にて。

七時半。
戸面原ダム、
戸面原ボートセンター桟橋。
桟橋へ出た。
季節は梅雨の真っ只中。ムシムシとした朝だ。
見上げた空は墨色のベタ。藍色は何処にも見当たらない。
今回は昨秋に購入した竿を卸す。そのデビュー戦だけに、わたしの好きなチョーチン釣りで望みたい。
この竿を求めたのは例によって、衝動買い。
意匠(デザイン)が気に入り、思わず手が出てしまった。
一般的に竿を求めるにあたっての要点は、そのスペックにあると思う。しかし、わたしは竿に限らず何を買うにも優先順位の最上位に意匠をおく。今回もそうだった。別の竿を求めに渋谷のサンスイ釣具店へ出向いたとき、隣の棚に陳列してあった、この竿の意匠に魅せられた。
武重店長にそのスペックを尋ねると、軟調子だという。
それも極端に軟らかいらしい。
わたしはこれまで、この釣行記でも、やれ竿が軟らかいだのなんだのと、散々、愚痴をこぼしてきた。そのわたしがこの超軟調子の竿を買い求めるのは矛盾していると思う。しかし、こればかりは持って生まれた性だから仕方がない。性が理屈を凌駕したことになる。そこで、渇水期の放流べら釣りにでも使おう、との理由を故実けて買い求めるに到った。
その竿だが、過日、この竿で尺二寸、三寸を平気で釣上げているという御仁に出会った。
なんでも、この竿は(ため)がきくという。
ためとは、どのような意味なのだろうか。
よくはわからないが、それは魚を釣ってみればわかるだろう。
場所は池主の相沢さんに、落合を薦めてもらった。
いつもは何艘もの舟が連なる名ポイントも、今朝は誰もいない。わたしにとって始めての場所で勝手は不明だが、それはいい。
今回は落合で、この竿を卸す。

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本日の入釣場所の、正面図。

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同上、視線の位置からもう一枚。

 
マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
Yahoo!地図より。

☻本日の釣況。
・目標 /十枚。
・釣り方/チョーチン、両団子。
・竿  /特作伊吹、十一尺。
・浮子 /忠相、パイプムクトップ九番。
・道糸 /1号。
・鉤素 /0.4号、450粍+600粍。
・針  /サソリ7号+アスカ7号。
・持参餌/凄麩、天々、バラケマッハ、Sピンク。
・納竿 /十五時半。

八時半。
先ほどから、小さなときめきを覚えている。
この竿に魚が掛かった時のことを想像しているのだ。
そして最初の餌を入れると、弾力のある弾機のような感覚が腕に伝わってきた。かなうことなら大きな魚から小さい魚まであらゆるサイズの魚を釣上げ、その反応を試したい。そんなことを考えながら、今季九度目の釣りが始まった。
今回わたしが竿を出している場所は、落合。
この落合なる名称の意味と由来は何処からきたのだろうか…。
浮子が動かないのをいいことに、手元のiPhoneで調べてみた。
落合。
落合う。川が合流する。「本流と支流が落合う」とあった。
それをこちらに当てはめると、さしずめ湊川と宇藤木川が落合う場所ということになる。そしてここで合流してダムサイドへと流れていくわけだから、その通りだ。言い得て妙だと思った。

十時。
一時間半を経過したが、何もない。
ここは魚の回遊路の筈だが、それにしては、あまりにも浮子の動きが素っ気ない。それでも根気よく餌を打ち続けていると漸く、浮子の沈下速度に間が生じてきた。
この日始めて竿を持つ手に緊張が走った。
思わず身を乗り出し、浮子を眺めていると、ツンっ!。
やった!。魚が掛かった。
竿を動かさずに堪えていると、魚の抵抗が腕に伝わってくる。
(ため)とは、こういうことだったのか…。
それは、魚の掛け心地とでもいうのか。いままでに味わったことのない感触だった。
やっと玉が濡れた。
それに新竿で釣った充足感にも浸ることができた。

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本日の第一号。
背景は本湖。

正午。
本日ただ今の釣果、八枚。
いつになく沢山釣れている。
この六十分の間に七枚も釣れたから、その分だけ快感も味わうことができた。
さて、今回の目標釣果は十枚。あと二枚釣ると達成され、今季二度目の二桁釣果到達ともなる。
しかし、ここでブレーキが掛かった。
九枚目は直ぐ釣れたが、十枚目はそうはいかない。
どうやら、いつもの迷路に嵌ったようだ。
いくら竿を合わせても、針に魚が掛からない。
どうしたものかと鉤素を短縮してみたが、何の効果もない。それどころか、いよいよ空振りが増してきた感がさえもある。
水の中を覗いてきたわけではないが、浮子の下は空振りした数だけ、粉が煙幕のように舞い散っているのではなかろうか。
これがわたしの釣りの最大の課題だ。
これさえ克服出来れば釣果は画期的にあげるはずなのだが。

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本日の入釣場所の、対岸から見た図。

雨が降ってきた。小糠雨だ。
この程度の雨に濡れることは厭わないが、あとの始末を考えると道具は濡らしたくない。そこで体は露呈させたままブルーシートを掛け、雨がやむのを待つ。
九枚目を釣上げてから、九十分が経った。
時計の針は十四時を指そうとしているし、雨もやむ気配がない。
ここらケリをつけたいところだが、どうにもならない。
しかし予兆はある。スレで三枚釣ったのだ。
竿をあげると同時に針が刺さったから、魚は付近にいるのものと考えられる。そこで餌箱のなかに数年前に買った添加剤(粘力)が転がっているのを思いだした。そしてそれを引っ張りだして餌を作り直すと、ほぼ二時間ぶりに魚を釣ることができた。

やっとの思いで十枚目が釣れたというのに、いまだ釣りをヤメないわたしがいる。雨がやまないだの、この餌をもっと試したいだの、理由を故実けて続けている。
とどのつまりが釣りをヤメたくないのだ。
が、ここでヤメなかったことが、凶とでた。
時たまスレ掛かりはするものの、またもや空振りの山をきずく。
その間、上郷方面にいた釣り客が続々とわたしの前を通過して桟橋へ急ぐ。気持ちは焦るが焦ったからといって、どうなるものでもない。
斯くなる上はと、ここで最後の餌作り。
作るのは添加剤を含まない、究極の軟らかさの餌だ。
途中で脱落しないように何度も何度も練り込み、最後は手揉みまでして拵えてみた。いつか何処かで、餌作りの基本は麩を壊さない事と教わったが、出来た餌は麩が跡形もなく壊れている。さらに言うと、わたしの手の温もりも残っていて、とても気持ち悪くて食べられた代物ではない。
今回の釣りの締めくくりが、このような餌であることに違和感を覚えるが、彷徨の末に行きついたのだから仕方がない。
さあ、最後の勝負。
投じた浮子が立ち上がると、嬉しいことに反応があった。
そして沈下の最中にも、ツンっ!と鋭く入るが、これは見送り。
沈下が終わって鉤素が延びきったところで合わせよう…。
そう心に決めてジッと我慢していると、何度も立ち止まった浮子が、漸く止まった。
どうやら鉤素が延びきったようだ。
ここで、ツンっ!と動いたら空かさず合わせる!。
しっかりと竿を握り、緊張してその瞬間を待つ。
すると小さく持ち上げられた浮子が、鋭く沈んだ。
しめたッ!、会心の魚信だ。
空かさず、これを合わせるも、ムカつくような空振り。
これがダメとなると、もやは打つ手はない。
あきらめながらも次の餌を投じると、今度は浮子が立ち上がってこない。いつもでたっても寝たままだ。
浮遊物にでもひっ掛かったのか。
竿をあげると、それなりの魚が釣れていた。
散々苦労したのに、こんな形で釣れてしまって、どうにも釈然としない。
これを釣果としてカウントしてよいか悩むところだが、これまでの苦労を思うと、まあいいだろう。
会心の魚信を空振り。
釈然としない形であがりべらが釣れて、一件落着。
桟橋へ戻る。

お仕舞い。

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不思議な釣れ方で仕留めた、あがりべら。
背景は本湖。

☻本日の釣況。
・08:20~15:30、11尺 チョーチン/11枚、

☻2015年データ。
・釣行回数/9回
・累計釣果/49枚。


2015年07月05日(日) 。
吉右衛門。



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