吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第十二回釣行
7月31日(金)。

戸面原ダム。
桟橋。
戸面原ボートセンター。
快晴、猛暑日、弱風。
気温/37度、水色/濁り、水位/1.5m。 

「下手の横好き、ここに極まれり」の巻。

来週、孫娘が三歳になる。
この釣行記でも生まれた時のことを取り上げた記憶があるから、時の流れの早さには驚くばかりだ。
その孫娘もすっかり喋れるようになって、段々と意思の疎通ができるようになってきた。
わたしも今では、「おじいさま」と呼ばれ、すっかりものわかりのよい、おじいさまを演じている。
今の幼児は進んでいて、わたしが端末を片手に電子書籍を読んでいると、横に来て動画を見ようという。
孫娘が見たがっているのはおもちゃ屋の宣伝動画で、リクエストに応えてやると、そのあと必ずといってよいほどショッピングモールへ行って、おもちゃを買わされるハメになる。
おもちゃ屋へ行くと、あちらこちらでわたしと同じように孫の手を引くおじいちゃんがいるが、みな、デレっとして顔がほころびている。おそらく、わたしも同じ顔をしているに相違ない。
両手いっぱいにおもちゃを買った帰りは、ドーナッツ屋に寄るのが定番コースとなっている。
そのドーナッツ屋で向かい合っていると、いろいろな話をしてくれる。片言で喋るから何を言っているのかわからない部分もあるが、適当に相づちを打ってやると、次から次へと話題を持ち出してくる。そんな孫娘とやり取りをしていると新たな夢が生まれてきた。その夢とは、この娘が高校生になった頃、鮨屋のカウンターで並ぶことだ。
その時、孫娘はどうような話をしてくれるのだろうか。
随分とちっぽけな夢であるが、今のわたしがそれを達成するのは並大抵のことではないだろう。しかし、それに向かって頑張れるものなら、頑張ってみたくなってきた。

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孫娘と家内、そして愛犬の吉右衛門。
千葉の浜辺にて。

七時。
戸面原ダム、桟橋。
桟橋へ出た。
今朝の空も夏色に染まり、真蒼だ。
そしてニイニイゼミだけだった蝉時雨にも、ミンニンゼミが加わり、尚いっそう賑やかになってきた。これらが奏でる大音声が戸面山から響き渡ってくる。
夏を実感するには釣りが一番だ。
前回の桟橋と前々回の向田湾処(むかえだわんど)の釣りとで、手の甲から肩にかけて真っ黒に日焼けした。まるで少年時代の夏休みに戻ったかのようだ。
それをわたしは周囲に、「営業焼け」と詐称して喜んでいる。
さて、釣りである。
今回も舟には乗らない。
前回と同じ桟橋で竿を出す。
前回でようすもわかり、だいぶん要領もつかめてきたから、準備にぬかりはない。釣り台は大きなヤツを物置から引っ張りだしてきたし、板の隙間から小物を落とさぬようブルーシートもリュックサックに詰めてきた。それらを使ってお店を広げると、何やら自分の城でも築けた感じがしてきた。

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本日の入釣場所の、正面図。

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本日の入釣場所を、側面から見た図。

 
マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
Yahoo!地図より。

☻釣況。
・目標 /二十枚。
・釣り方/チョーチン、両団子。
・竿  /朱門峰嵐馬、十尺。
・浮子 /忠相、ムクトップ九番。
・釣り糸/1号。
・鉤素 /0.4号、450粍+600粍。
・釣り針/アスカ7号+アスカ6号。
・持参餌/凄麩、天々、バラケマッハ、PBH、Sピンク。
※PBH、パンダーベイトへら。
・納竿 /十五時。

七時半。
戸面原ダム、桟橋。
先発は十尺。
釣果表に並んでいたのは十五尺前後だったが、前回の経験がわたしにこの竿を選ばせた。
今回。わたしが描いている筋書きは、チョーチン釣りから始めて魚がうわずり次第、一本半にして沢山を釣ることだ。それに今回は数年ぶりに角麩も用意してきた。放流べらの群れがやって来ようものなら、これで一網打尽にするつもりでいる。
そんな夢を抱いているが、果たしてそうは問屋が卸してくれるかどうか。最初の餌を投げ入れた。
餌を打ち始めて気がついたのだが、もじりがない。
前回もそれほどあったわけではないが、ぽつぽつとは散見できていた。それが今朝はもじりどころか、魚っけが何もない。
これはおかしい…。
ひょっとして、いつもの結果になるのではないか…。
沢山釣る夢が不安に暗転して脳裏をかすめた。
そしてそれは、浮子下を一本半にしても同じだった。

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本日の入釣場所の、右側の図。

十一時。
本日ただ今の釣果、零枚。
沢山釣るつもりが、今回もギブアップのようす。
悪い流れを変えようと事務所へ休憩に行ったが誰もいない。池主の相沢さんは不在だった。
見廻りにでも出られているのか…。
そう思いながらも冷茶を買ってテーブルの片隅に腰を掛けていると、物音で気づかれたのか、奥からご夫婦で出てこられた。
そうか。ご夫婦は休んでおられたのか。
考えてみれば、朝が早い仕事だけに当然だろう。
相沢さんは人がよいから相手をしてくれたが、ちょっとした罪悪感を覚え、早々と退散。
なんだか、とても悪いことをしてしまった。

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本日二番手の、十五尺。

正午。
炎天下の昼下がり。
十五尺に替えて再開。
沢山釣る予定だった筋書きは、オデコと一枚を巡るせめぎ合いと化していた。
普通、これだけ暑くて釣れないと逃げ出したくもなろうが、わたしの取り柄は夏に強いこと。一発逆転を信じて頑張る。
その一発とは大型(四十糎)を釣上げることだ。
気持ちを切り替え、ただひたすらに餌を打つ。
そして一時間が過ぎ、そろそろ二時間になろうかという頃。とうとう浮子が動いた。
そして打てば打つほど、動きは活発になってくる。
思い起こせば、第一投から数えて七時間あまり、やっと今日の見せ場がやってきた。
しかし、釣れない。魚が釣り針に掛からない。
そこで餌に改善を加える。
そして改善した餌を釣り針に優しく付けてやると、鋭く浮子が動いて、遂に魚を捕らえた。
が、喜んだのも束の間、プルプルプルっ。
釣れたのはムカつくような、ブルーギル。
しかも、わたしがへら鮒に食べてもらおうと、一生懸命こしらえた餌を喉元の奥にまで呑み込んでやがる。
なんでこうなるのか…。
一発逆転の夢が果敢なく散った。
ため息をつきながら、次の餌を入れると、またもブルーギル。
しかし、そう悪いことばかりは続かない。
次の次の餌で、半分諦めかけていた、へら鮒を釣り上げた。
釣れたのは、八寸半の放流べら。
やっと釣上げたとはいえ、気持ちは複雑だ。
オデコを逃れた安堵感こそあるものの、七時間、頑張った末の釣果への寂しさもこみ上げてきた。
今回の釣果が一枚で、前回が五枚。二回を合わせても、ご老人が残した釣果、七枚を上回ることができなかった。
折角、相沢さんに桟橋を解放してもらったのに、とてもやりきれないと思った。
もしかしたら、釣った魚の数を釣りをした時間で割ったら、房総三湖で竿を出すへら師のなかで、わたしが最下位になるのではあるまいか。そんなことが頭をよぎって、一件落着。
下手の横好き、ここに極まれり。

お仕舞い。

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最後の最後に釣上げた、第一号。

☻本日の釣況。
・07:30~10:00、10尺 チョーチン/0枚、
・10:00~11:00、10尺 一本半/0枚、
・11:30~15:00、15尺 チョーチン/1枚、

☻2015年データ。
・釣行回数/12回
・累計釣果/58枚。



2015年08月08日(日) 。
吉右衛門。



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