吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第十二回釣行
5月16日(月)。

戸面原ダム。
落合。
戸面原ボートセンター。
天候/晴天、時々風。
水色/澄み、水位/減水、0.32m。 

「落合三連戦初戦。おのれで考案した餌は通用しなかった」の巻。

先月から再開した営業が順調に進んでいる。
それもあってか年が明けた頃には週に二日しか出ていなかった事務所へも、今は三、四日と出るようになった。矢張り、自宅に縮こまって事務仕事をしているより外に出るのは楽しい。
この釣行記にも、趣味で営業をやっている、と記したことが記憶の隅にあるが、わたしには四つの趣味というべきものがある。
子供の頃から夢中になっていたプロ野球観戦。
中学、高校と部活でやっていて愛犬の小雪が来てから、ふたたびシャッターを切るようになった写真撮影。
仕事でやっているうち面白くなり、常に戦略・戦術を考案し飛び込む先を物色していた営業。そして最後にへら鮒釣りだ。
しかし、これらを趣味と称している割には、そのどれもが道半ばというか、「日暮れて途遠し」であることは間違えない。
それでも野球と営業だけは、世間さまもある程度は認めてくれると思う。
野球は打撃結果や投球結果を検証するだけで、その試合の大筋のようなものが見えてくるし、監督の起用意向も読めてくる。へら鮒釣りの上級者がタナゴムを使うだけで潜ってもいない底の様子が見えているのと同じだ。それを贔屓球団の北海道ニッポンハムファイターズだけでなくパシフィックリーグの他の試合も行う。さらにドラフト上位指名の選手や往年の名選手の晩年の動向を注視すべく、ファームの試合も大雑把に目を通す。それだけに野球談義であれば夜を徹して語れるだけのタネを持っている。
反面、どうにもならないのが写真撮影とへら鮒釣りだ。
写真撮影は子ども(愛犬)らのスナップ写真を撮るだけでなく、釣りに出掛ける時にも必ず機材は積んでいく。よい絵を撮る為、であれば舟を漕ぐのは厭わないし、車も走らせる。が、いざ、そこで撮った写真をパソコンに取り込んでみると暗澹たる気分に陥る。一度の釣行で数十カットにも及ぶシャッターを切るのだが、会心のカットは年に数枚しかない惨状ぶりだ。
へら鮒釣りに関してはこの釣行記に記しているので、いまさら、触れはしないが、わたしに適正がないことだけは間違えない。
しかし、今、一番面白いのがそのへら鮒釣りときているから、趣味における技の巧拙はあまり関係ないとみえる。
そして今日も釣り竿を担いで、ほっつき歩く。

戸面原ダムのホームページの釣果欄に、「落合」が載った。
待望の二文字であった。
今年の釣りのテーマは、「へら鮒釣りの四季を楽しむこと」。
その点でいくと今年は凍える指に息をかけて釣り竿を握ったし、前々回の釣りでは上流域に遡って竿を出した。
そして季節は本湖の釣りへと移ってきた。
この落合を皮切りに、馬ノ背、前島、石田島へと晩春から真夏にかけて転戦してゆくつもりだ。

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本日の入釣場所の、正面図。
先鋒、十一尺。


 
マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
Yahoo!地図より。

☻本日の予定。
・目 標/二十枚。
・釣り方/チョーチン(両団子)。
・釣り竿/特作伊吹、十一尺。
・浮 子/亀二郎、一号。
・釣り糸/1号。
・鉤 素/0.4号、450粍+600粍。
・釣り針/サソリ針 7号+7号。
・納 竿/十五時。

六時半。
戸面原ダム。
落合。
今月から朝の始まりが三十分早くなった。
さらに落合が桟橋から近いこともあって、このような時間から竿を出せる。
実はわたし。
落合、落合、と声高にほざいている割には過去に入釣したことは二回しかない。そしてその時の釣果も五枚と十一枚。それだけに落合を語る資格などあるわけもないが、それでも落合には力を込めたくなる理由がある。
落合はその名の通り、このダム湖の水源となっている湊川と宇藤木川が落ち合う所にある。それもあってか澪筋になっていて、水が温む頃になると春を待ち侘びたかのように、大きな魚が回遊してくる。それを狙ってわたしは昨年、四十糎と三九糎を釣り上げた。
これが大きな魅力となって、わたしを惹きつける。
それに僅かニ回とはいえ教訓めいたものもあり、今回はそれを試そうと考えている。
わたしの釣りの大きな欠点は、魚が集まれば集まるほどに釣れなくなることにある。餌がうまく作れず、魚が上へ上へとあがってきて、終いには大混乱に陥り、お手上げになってしまう。
そんな致命的とも思える欠点を抱えているのに、両方の釣り針に団子餌を付けて釣るのが好きときているから、困ったものだ。
そこで今回は魚の上昇を押させる意図で、メインディッシュに魚粉を据えてみた。
当然のことながら、これを単体で使うと浮子が没してしまう。そこで散け性に富んだ麩を混入して浮力を増そうとも考えた。
そんなこんなで思考してきた餌だが、果たして、これが吉と出るかどうか。
なにせ、餌の考案者がおのれ自身であることが不安でならない。
このようなことで過去に何度、失敗を繰り返してきたことか。
しかし、所詮は趣味の世界のこと。
へら鮒が釣れようが釣れまいが世間さまに迷惑をかけるでなし、好きにやろうと思う。

さて、釣りを始める。
おのれの考案した餌を静かに湖面へ落とす。
九時頃までに浮子が動き、あわよくば、それまでに一枚でも釣れれば、とぼんやり考えていると、豈図らんや、早くも釣れた。
これは餌を落とし始めた四十分後のこと。
驚くほどの大きさではないが地の魚であった。
こいつは幸先がよい。
笑みを浮かべて記念写真を撮っていると、池主の相沢さんが桟橋へ降りてくるのが見えた。すかさず、玉網をかざして魚が釣れたことを報せると手を振って応えてくれた。
桟橋といえば朝、行徳の名人が、川筋にゆく、と勇躍舟を漕いでゆくのを見送ったが、どうであろうか。
早々と玉を濡らせたことで余裕めいたものが生まれたが、とても人さまのことを案じるどころではなかった。前途を喜んだのも束の間、一枚釣っただけで、浮子が深い眠りに入ってしまった。

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本日の第一号。
朝の日陰で撮るから、このようになってしまう。
背景は、本湖の岩盤。


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本日の第三号。
この魚で撮り直した。
背景は、石田島。

正午。
本日ただ今の釣果、三枚。
あれから九時半と十時二十分に釣れた。
浮子は時たま動くが、魚が釣れることはない。
力強く消し込むも空振りかスレ掛かりばかりで、期待のツンッは一度もない。しかも針素を切られたこともあって、魚は寄せられても、釣り針に残る餌を口に入れることができない。
このような結果を突きつきられると、矢張り、魚粉餌の宙釣りは浅知恵だったのか。わたしなりに柔らかくしてみたり、粘り気を排除してみたり、と、いろいろやってみたつもりだ。
が、この結果。
残念ではあるが、考案してきた餌は通用しなかった。
さて、これからだが、一件落着とするにはあまりに早すぎる。
しかし、退路を断つ意味で主力の麩餌を積んでこなかったのは迂闊だった。嫌でもこの餌でやり通すしかない。
餌が替えられないなら、せめて釣り竿だけでも替えてみよう。
竿袋から十四尺を取り出していると、行徳の名人が引き揚げてくるのが目に入った。
「めいじーんっ!」(実際はお名前で呼んだ)
大きな声で呼びかけると、桟橋の先端まできて体を折り曲げてくれた。そして仕掛けを巻いていると、相沢さんとの話し声が風に乗って聴こえてきた。なんでも、六八枚も釣ったらしい。
すごいな…。
それにしてもわたしの知り合いは、みなへら鮒釣りが上手い。
驚くほどに上手い。

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本日の入釣場所の近景図。


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本日の入釣場所の遠景図。

十五時。
竿を替えた甲斐がった。
十四尺でも三枚とはいえ、釣果を得られた。
今となっては目標を二十枚にしたことは、あまりに身の程知らずだったが、あの時はおのれの考案した餌に酔っていたから致し方ない。
納竿を決め撤収をはじめると、傍に転がっていた餌袋に書かれたキャッチコピーが目に入ってきた。
(燃える男のダンゴエサ)。
何を言っているんだか…。
最後は餌メーカーのコピ-にぶつくさ呟いて、一件落着。
周辺の写真を撮るべく、縄を解く。

お仕舞い。
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本日の入釣場所の側面図。
この写真は桟橋から撮った。

☻本日の釣況。
・へら鮒、6枚。

☻2016年データ。
・釣行回数/12回
・累計釣果/193枚。

※お断り。
この釣行記はiPad等の端末に合わせて編集しています。


2016年05月22日(日) 。
吉右衛門。



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