吉右衛門へら鮒釣り2015

  ◎第十六回釣行
6月27日(月)。

戸面原ダム。
中島湾処突端。
戸面原ボートセンター。
天候/晴天、中風。
水色/濁り、水位/満水。 

「矢張り、この場所は一等地だった」の巻。

ラジオ体操を始めた。
それからというもの、朝の生活に劇的な変化が生まれた。
それまでのわたしといえば夜が明けぬうちからパソコンのスイッチを入れ、前日の残務をこなしたり、この釣行記を書いていた。それが今はそそくさと家を出て、ラジオ体操が行われる公園へ向かうようになった。
あれは三ヶ月前のお盆の頃。
前日、娘にアカウント登録をしてもらったポケモンGOを始めるべく近所の公園に向かった時のことだった。そこでラジオ体操をしている一団に出会った。その数、ざっと六十人。季節はミンミンゼミの最盛期。この蟬しぐれが降りそそぐなか、人生の先輩と思われる方々が気持ち良さげに汗を流していた。
自発的に集まっているのだろうか。
腕を大きく振って足はつま先の先端まで伸ばしている。その姿に惹き込まれると、なにやら疼くものがあった。わたしもやりたくなってきた。そこで体操終わりに、帰り支度をしているご婦人に参加資格というか、あらましを窺うと、これは有志の集いであって誰でも自由に参加できるとのことだった。
翌日、タンクトップに短パン、そして運動靴を履いてわたしも集団の隅っこで参加させてもらった。
六時半。リーダーと思われる方のラジオから「ラジオ体操の歌」が流れてきた。
ラジオ体操が始まった。
歌に合わせて腕を大きく振って足踏みをする。そして軽いストレッチのあと第一体操。それが終わると、再びストレッチを挟んで第二体操へと流れてゆく。
わたしがラジオ体操をしたのは世田谷区立桜町小学校を卒業して以来のことだから、実に半世紀ぶり。それだけにあまり自信はなかったが、大して間違えることもなくやり終えることができた。やはり子供の頃に身につけたものは半世紀が経とうとも、忘れてはいなかった。
そして体操をしていて思った。
あの頃、一緒にラジオ体操をしていたクラスメイトは、今、何処で何をしているのだろうか。わたしも住まいを転々として千葉に流れてきたが、その辺りの事情はここにいる方々も同じだろう。
以来三ヶ月。朝が清々しくなり、気のせいか硬直していた身体も幾ぶんほぐれてきた感がある。
そんな日々であるが、残念な事にわたしは厳冬期の外出は控えねばならない。それゆえ、今月一杯で仕舞いとするが、それまでの間は精々、頑張らせてもらいたい。
                  (2016年11月15日)

馬ノ背が沈んだ。
先週の大雨で満水となって、肝心の立木が没した。
前回に続いての入釣を考えていただけに、残念である。
それでは、何処に入るか?
できれば、底釣りをやりたい。
そこで思いついたのが、向田(むかえだ)湾処。
わたしはこの春の釣りで対岸から、ここで大きなへら鮒が連続して釣れていたのを眺めていた。そこで竿を出そうと舟に乗り込んだが、いざ出舟、となった時不意に迷いが生じた。それは上郷橋を越えて行った釣り人がひとりしかいないことを知ったからだ。しかも、行き先は寮下だという。ということは連日の本命場所である道路下(この釣行記での表記は、中島湾処)が空き家のなっているではないか。頭の中の上皿天秤がガクンっ!と傾いた。釣果はさておき、後学の為にも中島湾度の方で竿を出してみたくなった。しかしわたしは、そちら方面の情報には疎い。せめて竿の長さくらいは頭に入れておこうと、急ぎ事務所へ戻った。
昨日の釣果が並んでいた。本命場所だけあって、多くの釣り人で賑わっていたようだ。しかし日曜日だったことに加え急激な雨量の影響からか釣果は伸びていない。それはともかく、竿は十尺と十二尺であった。
わたしが本日持参した最短竿は、十二尺。
確か、精進湖で誤って道糸を切ってしまったが、仕掛けは現地で繕えばよいだろう。池主の相沢さんから中島湾度の中でも一等地と称される突端の辺りを取材して、再度の出陣。
大いなる希望を抱き、初の中島湾処突端を目指した。

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本日の入釣場所の、正面図。
先鋒、十五尺。


 
マークした地点は大まかです。
正確性は欠如しております。
(Yahoo!地図より)。

☻本日の予定。
・目 標/三十枚。
・釣り方/底釣り(バラケ+グルテン)。
・釣り竿/朱門峰本式、十五尺。
・浮 子/忠相パイプムクトップ、十二番。
・釣り糸/1号。
・鉤 素/0.4号、370粍+420粍。
・釣り針/サソリ針 7号+4号。
・納 竿/十五時。

九時。
やっとのことで、へら鮒釣りが始められる。
この地に着いたのは六時だったから、あれやこれやと労しているうちに、三時間も費やしてしまった。
せっかく仕掛けからこさえた十二尺であったが、何故か、底が取れなかった。糸が余るくらいと思っていたが、どこに落とそうとも浮子はあっさりと沈んでいった。そこで右に左に十二尺が届く場所を探してみたが、どこに落とそうとも同じであった。さらにロープを解き舟を留め直しても浮子は沈んでいった。
果たして、この場所でよかったのか…。
ここは相沢さんの云われた、一等地であろうか…。
疑念が湧くのと同時に出舟時に抱いた、大いなる希望は萎んでいった。しかし、疑念を解消しようにも、周囲には誰もいない。それにたとえ間違えだとしても、今更、どうなるものでもない。
仕方がない。
十二尺を諦め竿袋から十三尺を出すも、この竿も仕掛けがない。ため息をつきながら、またも仕掛けを作るハメになった。そこでこさえた十三尺であったが、この竿でも届かない。
まいった。
先ほどの釣果表に並んでいた竿はいったい、何であったか。
この場所への疑念は増すばかり。
そこで今度はまさかとは思いながらも一尺飛び越えた十五尺を出すが、またも仕掛けがない。そうだそうだった。この竿の仕掛けは、前回、馬ノ背の隠れオダに捕まったのだ。
三度も仕掛けを作ることになるとは思いもよらなかった。
これでダメなら、まさかまさかの十七尺となる。祈るような気持ちで水深を測ると、天は我を見捨てず。浮子がしっかりと湖面に顔をだした。
さて、釣りを始める。
釣れるか、釣れないか。
ここが相沢さんの言われた場所であれば、そこそこは釣れるだろう。が、間違っていれば、悲惨なことになる。
半信半疑で最初の餌を入れた。

十時。
またも、下手を打ってしまった。
浮子が、ただの一度も動かない。
ここが一等地であれば、いくらなんでも、一度くらいは浮子に反応があってもよいだろう。それが何もない。しかも周囲には誰れもいないから、途方に昏れるくれるばかり。
しかし、よいこともある。
水色はまっ茶色だが、景観がなかなかなのだ。
思い起こせば十年前。へら鮒釣りの再開を決意して、ここ戸面原ダムへも下見にやってきた。そこで先代の池主の奧さんに優しく接してもらい、愛犬の吉右衛門とダムを一周してみた。その時に通った場所を思い出した。あの頃、健脚を誇った吉右衛門もすっかり年をとった。
そんな感慨に耽っていたら、蛇口(へびぐち)から道糸がはずれた。慌てて長竿を出して流失を食い止めようとするも、不器用なわたしには捕まえることができない。やむなくロープを解き仕掛けの救出に向かう事となった。
これは、とんでもない一日に陥った。

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本日の入釣場所を対岸から撮った、近景図。


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同上、遠景図。
ポイント上の道路(千葉県道88号富津館山線)から撮った。
ガードレールの下に陣を構える釣り人については後述する

十一時。
仕掛けを救出して再開するが、どうやら舟の位置がずれてしまったようだ。水面に顔を出すトップの露出幅が明らかに違う。
やむなく計測からやり直すが、あまりのお粗末さに情けなくなってきた。それにもへこたれず調整を済ますと、禍が福に転じて、初の魚信があった。これは準備に三時間、餌を打って二時間。合計五時間のできごとであった。
へら鮒が釣れた。
しかも、炎の三連荘。反撃の狼煙が上がった。
しかし、四匹目を間違えた。またも懲りずに、大きな魚信に合わせてしまった。
案の定、スレ掛かりだった。
申し訳ない…。
尾鰭に引っ掛けられて悶え苦しむ魚に謝るも、謝ってすむ問題かっ!とばかり、魚に反転されると釣り針が外れ、そのリバウンドで道糸が浮子に絡まった。
なんたることだっ!。スレで掛けた代償は大きかった。
糸を解きほぐそうにもその絡み方たるや、複雑怪奇。これは老眼でなくともどうにもなるまい。泣く泣く、道糸を切断することになった。

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本日の第一号。

正午。
釣り人が現れた。
この方に朝から疑念に思っていた、場所の正誤性を尋ねると、
そこは一番の場所です。と、明快な答えが返ってきた。
さらに、満水時は十五尺でいっぱい、との追伸もくれた。
矢張り、この場所で正解だったのだ。
ここは、一等地だったのだ。
疑問が氷解すると、もりもりとやる気が沸いてきた。
が、しかし、そんなわたしに、またもや天は悪戯を仕掛ける。
竿を上げても浮子が上がってこない。又々、仕掛けが蛇口から外れたのだ。しかも、すでに沖の方へと流されている。
悄然とする、わたし。
どうするか…。
このまま釣りを続ければ、納竿後に浮子を捜索しても発見することは出来ないだろう…。
見捨てるか…?。
いやいや、そんな可哀想なことは出来ない。彼はずっとわたしの浮子筒に入っていた仲間だ。
しかし、救出に向かうには、またもロープを解かなければならない。さすればその後、ここに戻っても、水深の計測から始めることになる。そう、双六で言うところの、振り出しに戻るのだ。
そこまでして再開する情熱と気力があるかどうか。
長考一番。
決めたっ!。
救出に向かおう。
それを決めて、一件落着。
ほろ苦く、おのれの適性のなさを痛切に感じた日であった。

お仕舞い。

☻本日の釣果。
・へら鮒/3枚、

☻2016年データ。
・釣行回数/16回
・累計釣果/214枚。

※お断り。
この釣行記はiPad等の端末に合わせて編集しています。

2016年07月03日(日) 。

吉右衛門。



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