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第十四回釣行 2010年07月26日(月)
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これまでの釣行記(へら鮒釣り) 2009年〔三島湖〕

晴れ、朝から風。
気温31度、水温27度、減水1.45m 澄み。
石田島.立木。
戸面原ボートセンター。 

本湖の立木で日傘も差さずに釣りをしていたら、
真っ黒に日焼けして遊んだ少年時代を思いだした。
絶好調だ!!、戸面原の夏。の巻。

先日、次男.吉右衛門の九つの誕生日祝いに、水郷の与田浦へ鰻を食べに出掛けた。
そう、吉右衛門とは自分の魚釣りのハンドルネーム。
この名の由来が、次男の愛犬、吉右衛門なのだ。
この子の名付け親は時代劇好きの女房で、池波正太郎の鬼平犯科帳で長谷川平蔵役を演じた歌舞伎役者の中村吉右衛門さんから勝手に頂戴したものだ。
それが縁で自分も、釣行記だけでなく、他のブログ等でも、この「吉右衛門」を名乗る事にしているのだが、これがなかなかどうして通りがよくて、時々、「吉右衛門さん」なんて呼ばれると嬉しい限り。いやはや、ちょっと恐れ多い気もしないでもないが、洒落の世界だから、お許しくださいませ。

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吉右衛門。
2001年07月17日生まれ、九歳。
写真は御宿.月の砂漠にて。

釣行のピッチが上がってきた。先週は月曜日と金曜日に出掛けたので今回も含めると短期間に三度の釣行となる。毎年そうなのだが、子供の頃から真夏が好きだったせいか、どうもこの季節になると中毒的に釣りに行きたくなる。それに炎天下に肉体を晒す事だって嫌いじゃないから、暑さだってへっちゃらだ。

午前三時五十分、意気揚々と自宅を出立。
未明の館山道をヒタヒタと南下して目指すは、戸面原ダム。
今日が今年十四回目の釣行に成るのだが、ココに向かうのは五回目。何せ、行く度にいい事が有るのでココに通うのが楽しくて仕方がない。この分だと最終的に富津中央迄足を伸ばすのも十回前後に成るのではないか。
午前四時五十分。到着。
あれっ!。今日は空いてる、こんな事も有るんだ。これなら今回の目的地、宇藤木橋の向こう側を確保出来そうだ。
事務所に入り、管理人さん夫婦に挨拶をして朝食をいただいていると、常連さん風な方がやってきた。
ふたりか……。
うーん、これなら、以前中島岬の帰りに下見をしておいた、石田島の立木に舳先を結べるかもしれない。何せ、こんな日に遭遇する事は、この先だって、ありゃせんだろうし……。
宇藤木橋は、何も今日でなくったってよさそうだが、石田島の立木は場所取り合戦のメッカであるし、水位次第では水没してしまうから、今だけの期間限定だ。
そうしよう、そうしよう、そうさせてもらおう。そうと決めたら急にワクワクしてきた。念のため常連さんにも行き先を伺うと、上流、との事。
やった!、石田島の出城を確保出来たぞ!。

午前五時二十分。
桟橋で舟に荷を積んでいると、先ほどの常連さんが、一緒に行って案内してくださる、との事。嬉しいじゃありませんか、見知らぬオレみたいなヤクザ顔のオヤジに、こんなにも優しい言葉を掛けてくださるなんて。いつも思うのだけど、この業界は優しい方が多い。特に釣技の上級者は頭も低いし、気さくだし……。
ご好意は、救命胴衣を車に取りに帰る都合で辞退したのだが、
ありがとうございました。
さて、出舟。管理人さんに一礼をしてから石田島へと向かう。
急いで漕いでは勿体ないので、向きを逆にして朝日を背にしながら目的地に接近すると、あった、あった、立木があった。
今回の釣行が通算で百一回目なのだが、思えば始めた当初は舟の上で立ち上がる事すら苦労した。それが、あのような陸続きでない湖面に突き出した立木に舟を留めるのだから、嬉しく成ってしまう。

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石田島の立木群。
島を背に写真右側の岩盤に向かって竿を入れる。

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同上。
別の角度から。
ココにアドベンチャーに成った気分で、舟を留めた。

◯本日のデータと予定。
・目標/三十枚。
    団子と角麩で各十五枚。
・竿 /朱門峰 凌11尺。
・浮子/忠相グラスムクトップ9番。
・鉤素/450粍+600粍。
・餌 /ミッド2+オールマイティ1+グルダンゴ1+水1。
・予定/団子と角麩のミックス作戦。
    06:10〜団子。
    12:00〜角麩。
    大凡15:00、納竿。

午前六時十分。
念願の場所に陣を張る事が出来た。
そして湖面を眺めていると、魚があっちでもこっちでもご機嫌そうに跳ねている。今日は何かいい事がありそうだ。これなら釣れるのも時間の問題だろう。ルンルン気分でエサを打ち始めたが、豈図らんや釣れない。そう甘くはなかった。
まぁ、それでもいつかは釣れるだろう、とタカを括っていたら、釣り人が現れた。なんと言うか人品骨柄は遠目で確認出来ないが、穏やかな喋り方をされる方で、「来週の試釣」に来ているとの事。当然、上郷方面を目指すと思っていたのだが、目の前の何の変哲もない岩盤に舟を留めた。へぇ、あの辺りもポイントだったのか?。
人の事は兎も角、今日も釣れない。浮子は動けども、カラツンすら無い。誰かにカラツンが出るはエサは80点、と聞いたから今のエサはそれ以下と、言う事になる。
いつやってもこの釣りは難しい。ホント、好きだけでやってるから成長もしないし……。なんてブツブツ言っていたら、正面の方が釣れだした。いいなぁ……人の幸福を羨むわけではないけれど、オレは全然釣れないや……そろそろ泣きが出てきた頃に、浮子が姿を消して、釣れた。
開始三十分の午前六時四十分の出来事。

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第一号。
尺の玉から結構ハミ出している。

魚が意外と大きいのには驚いた。推定壱尺弐寸、ってとこか。この手のサイズは自分の技量ではなかなか釣れない。
大きい魚を釣るのは面白いのだが、数がねぇ……。なんて愚痴をこぼしていたら、正面の方は入れ食いに成ってきた。
こっちの方が絶対に良い場所だと思うのだけどなぁ。野釣りは場所、だって言うけれど……。
愚痴を言っても仕方がない。続けていれば何かいい事が有るだろう。と気分を切り替えていると、
午前七時、早くも上郷方面から風が吹いてきた。

嫌だなぁ。
折角いい場所に入れたのに風が強く成るのか。何せ、周囲に障害物が何も無い湖上に居るのだから、吹きっ曝しだ。
今日も夏日だとは思うが、空の色は青と白がフィフティフィフティで、晴れなのか薄曇りなのかの形容が難しい。
然し、考えように依っては、風が出たのはありがたい。この時間でこの強さ、と言う事は昼間は波が立って傘など飛ばされてしまうだろう。それではアロハを脱いで、タンクトップだけに成って少年の頃ランニングだけで遊んでいた頃に戻ってやってみるか。
閑話休題。
風が少々の魚信も運んできた。相も変わらずカラツンが多いのには閉口するが、なんとなく浮子の動きに力感が出てきて、八時迄に五枚の釣果。これだけ釣れれば、いつもなら充分満足出来るなのだが、正面の釣れっぷりを見ていると気落ちしてしまう。その時、ハタと思い出した事が有った、先週の帰り際に例会の予定を伺ったら8月2日(月)には開催が有って、会の名前は忘れたけど、自分が用いているベーシック系の大家(大変失礼だがお名前は忘却)の方が主催している会だった。と言う事はそれの為の試釣をしているのではなかろうか。
うーん、何とかエサについて聞けないものか。と思っていたら、残念でした。ダムサイドの方へ行ってしまわれた。
さて、どうするか。
只今の釣果は開始二時間で六枚。別に不満は無いが、今日はコレに満足する事無く、積極的に攻めてみるか。
迷う事無く、竿袋から登場させたのは、本日持参した最長の15尺。この竿を選択した根拠は特に無いのだが、従来愛用していた万力がイカレてしまったので、今、所有している万力+竿掛けのペア(14尺以下用)では、これ以上の竿は担げないのだ。
脱線するが、先日釣り具屋に万力の購入に行った折り、竿掛け(玉網の柄のオマケ付き)も思わず衝動買いするハメになった。余計な散財だったと後悔しているのだが、このペアが微調整を終えて手元に届く迄は、この15尺が最長と言う事に成る。

午前八時半。
積極策と竿掛けの限界が、吉と出た。
何と言うか、釣況が一変したのだ。
水中で何が起きたのか?。
エサはさっき迄と同じなのに、浮子がリポビタンDでも飲んだかのように元気で躍動的に成って、消し込みを演出しだした。
結果、驚くなかれ、六十分で十枚も釣れてしまった。
釣った本人が驚いてちゃ世話はないのだが……何で、釣れたのだろう?。これが解れば、明日からの釣果に大きな影響を及ぼすと思えるのだが……さっぱり解らない。
結論は、15尺に替えて探った先(11尺より1m20p沖の1m20p深い水深)に棲息したいた群れをマグレで直撃したと言う事か。今回は幸運以外のナニモノでもないが、浮子の動きで魚の棲息層を見極めれられるのが上級者なのだろう。自分には縁のない話では有るが……。
そして、更にマグレで探った先には空腹な魚が沢山居て、昼前迄に十五枚も追加する事が出来た。
これで、釣った魚の数は三十一枚。
今日は豊漁で早くも、目標を達成出来た。

ココで一服、と言っても煙草は十年位前にヤメたので、ボーッ、としながら、午後に備えて鋭気を養う。
空はすっかり夏の青が広がった。
これって、子供の頃に見た空の色だ。
ジリジリと肌が焼けて、これが何とも心地良い。雲がモクモクとした夏雲でないのが残念だが、こうして何もしないでいると炎天下で真っ黒に成って遊んでいた子供の頃を思い出す。
祖父に近所を流れる多摩川に魚取りに連れて行ってもらった事、砧公園にカブトムシを捕まえに行った事、団地の空き地で三角ベースをした事……。
考えてみたら、あの頃って、もう半世紀も前の事だ。
半世紀かぁ、オレってそんなに長く生きたのか……。

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本日の入釣場所から上郷方面を望む。

正午。
午後の部を始めようと思ったら、朝の試釣の方が石田島に舟を着けようとしている。好機到来、お邪魔かと思ったがエサについて聞いた見ると……やっぱり。ベーシック系を使われていた。
「自分は一昨年の秋からこのメーカーのモノを使っています。今回使っているエサは、ミッド+オールマイティ+グルダンゴ+魔法の粉ですが、如何でしょう?」
「それほど魚が濃いわけではないので、魔法の粉はいらないと思います。小池さんでも使わないと思いますよ」、だって。
「……」。小池さんって誰だろう。取りあえず、
「ありがとうございます」、お礼を言いつつ頭を下げると、
「二時に成ったら、そちらの立木に入れてください」だって。
「どうぞ、どうぞ。また教えて下さい」。
会話が終わってから、ハタと思い出した。小池さんとは、業界の第一人者で、朝、思い出せなかった方ではなかったか。
いやはや、大変失礼しました。
釣りに戻る。
本日ただ今の釣果は三十一枚。
残り十九枚で半束(五十枚)達成。
過去の房総三湖での団子の最高釣果は、2007年夏の三島湖ともゑ桟橋での五十枚だから、二十枚釣れば記録更新と成る。
今の時間は午後十二時十五分。頑張れば達成は充分可能な数字。午後からは角麩の予定だったが、この際、角麩なんかやってる場合じゃない。三年ぶりの記録更新に向けて、団子で再開。

意気込んで再開したが、好事魔多し。
この大事な時に、突風で浮子が穂先に絡み道糸がクチャクチャに成ってしまった。仕掛けを作り直すのは容易だが、二十分のロスタイムを覚悟しなければならないだろう。
二十枚釣るにはどのくらいかかるのか。朝のペースで釣れ続くとは思えないから、三時間ないと難しいだろう。
三時間かぁ。
今日は出漁者が少ない。故にご主人もさっさと店仕舞をしたいだろうから、粘るのは罪だ。
決めた。記録更新は次の機会に、と言う事にしてヤメよう。

午後十二時半。
9尺竿登場。これに角麩の仕掛けを結び再開。
いつものように、必殺の段バラマッハに託す。
七投目。早くも消し込んで、幸先よいスタート。
本日は角麩も好調なようだ。豪快に、ズギューッン、と穂先まで消し込んで、次々と釣れてくる。
炎天下の湖上で肌を赤黒く焼きながら、魚を釣り上げる喜び。
嗚呼、この快感。
今の自分には、これに勝るモノは無し。
午後十四時。
楽しみにしていた、試釣の方が来ない。振り返って、
「来ないのですかー」叫んでみると、
「風が強いので移動は、ヤメました」だって……。
時は流れ十五時五分前。
五十枚どころか六十枚も釣ってしまった。そしてキリよく十五時ピッタシ迄、糸を垂らして納竿と相成る。今日は釣れた。

荷の撤収後、石田島の裏側の写真を撮って桟橋へと急ぐ。
漕ぎながら、赤黒く焼けた肩や腕を見て満足する。
今日は可成り印象に残る、釣りが出来た。
桟橋帰還後、
ご主人と奥さんに釣況と楽しい一日だった事を報告をして、
一件落着。
富津中央へと赴く。
最高な一日だった。

お仕舞い。


釣果11尺天々・両団子 6枚(06:10〜08:15)
15尺天々・両団子 25枚(08:30〜11:40)
15尺天々・両団子 零枚(12:15〜12:20)
9尺天々・角麩  29枚(12:30〜15:00)

合計六十枚。
八寸五分〜壱尺弐寸五分。

釣行記写真
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この日の結果。
竿頭の方は、朝の親切な常連さんで釣果は六十五枚。
(スポーツ新聞の記事より抜粋)

記事掲載のPDFデータはこちら > > >

◯2010年データ。
  ・釣行回数/14回。
  ・釣果/313枚。平均/22.34枚。
  ・次回は八月九日 戸面原ダムの何処か。

  2010年8月1日(日)
吉右衛門  


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