快晴。
水温25度 水位- 5.7m 澄み。
三島湖 豚小屋下ともゑ桟橋前. 看板下. ともゑ桟橋。
ともゑ釣舟店より出舟。
クラシック古の釣具で釣行。
〜古の竿と浮子で〜。
昨春、女房に釣りの再開を告げると、ベランダに転居の際にも処分せずにいた竿ケースが有ると云う。早速、持って来させると風雨に晒されて朽ち果ていたが、恐いもの見たさと云うか、何やら「パンドラの箱。」を開放する様な気分で開けてみると竿が2本と浮子箱が出て来た。竿は18尺の方は外見上問題無し。14尺は継ぎが駄目だった。
18尺の竿は「純龍心観五四〇」オリンピック釣具の竿だ。多分、其の頃の最高級竿だったと思う。何故、生活に困窮していた頃なのに最高級竿を所持していたのだろう。記憶を辿ってみると確か印旛沼中央水路で使用していた竿が折れてクレームを出したら差額の提供で交換してくれたのだと思う。
オリンピック釣具と云えば、当時の最寄り駅に求人広告が告知してあり求職に行った事が有る。勤めていた会社に嫌気を感じ転職を決意して臨んだのだが敢えなく門前払い。そんな苦々しい事迄思い出してしまった。
浮子は「亀二郎」の600。ボディが緑色で足とトップに向って黒の雷が走っている絵の長浮き。これもとても高価な浮子で散々残業をして購入した記憶が有る。
昨年再開してからは、今回が52回目の釣行。やっと最近はなれてきた感が有るので、今回はこの古の釣具で釣行を企画敢行する。
千葉の自宅でエンジンをかけたのが03:20。行き馴れた三島湖なので前二回と違い緊張は無い。房総半島を南下する車中で素人也に計画を練る。先ずは魚は水面に近い位置に居るにもかかわらず、18尺使用の必須条件を抱えているので魚に水面下5.000ミリ迄降りて来てもらわないとならない。餌の沈下速度を遅くすれば着いて来てくれるか?。しかし、もうひとつの必須条件の浮子の亀二郎は2gの錘は背負うから、其れ也の速さで沈下するだろう。等々、経験者の方が見れば一笑に付す様な事を真剣に思案し乍ら船宿ともゑさん到着。
釣況から三ツ沢と鳥小屋を勧めてもらい、支払いを済ませてから桟橋へ降りようとすると、可成りの減水風景。前回は3mの減水だったから随分と減った模様。
午前五時、ヒグラシとニイニイゼミの大合唱に見送られて鳥小屋に向け、いざ出航。三ツ沢に着くと先発の3名は早々と着舟している、此処迄来て、自分は鳥小屋では試行した亊が無いので、この減水からして18尺では長過ぎるのではないかと不安が生じる。そこで鳥小屋は次回に期待するとして、豚小屋看板下へとUターン。しかし、此処で不幸が襲う。戻ってみると、後発の人が3名居て目の前で売り切れてしまった。已む無く、暫く留まって長考一番。結果は、ともゑ桟橋前へ着舟する亊。そこで、やっと仕掛けと餌を作成し終わったのが06:40。無駄な時間を費やしたがゾクゾクする様な期待感。
息を呑み乍らの第一投。グッと来る様な重さ。「重い。」昔の重さだ。気分は行き也最高潮。なじんでは切り、なじんでは切りを数投繰り返したが亀二郎に反応無し。ここで仕掛けを確認。竿と仕掛けは、純龍心観18尺で天々。浮子は亀二郎の600。鉤素は600ミリ+750ミリ。餌は天々150+ガッテン150+夏50+水100+新B50。目標釣果は針に数匹かけクラシックを楽しむ事。
淡々と餌を打っていると意外な形で釣れてしまった。なじみ切りをしていた時に魚がかかったのだ。魚信を見逃した気はしないでので、なんか残念な気分。此処から数匹釣れて08:00迄5匹の釣果。釣果はさておき、困ったのは竿が軟らかくて魚を寄せられない事。まさか8寸の魚を釣るのに舟上で立上がれない。それと亀二郎の動きが鈍い。これは鉤素の長さも有るし餌も関係するから一概には亀二郎の因とは云えないが・・・。
09:30看板下が空いたので即時移動。普段なら、そのまま継続するが今日は特別な日なので移動を敢行。再開は09:50。直ぐに亀二郎が微妙な動き乍ら魚が喰った事を知らせてきて釣れた。次も鈍い動き。食後は角麩で大きな魚信を演出しようと休憩に入る。
落下傘を差して、上半身裸でおむすびを食べていると減水して露出した岩盤や水面に黒い影。鳶だ。まるで影絵を見ているみたい。空は夏空、雲も夏雲。30〜40代は仕事に夢中に成っていた。あの頃はこんな素晴らしい景色に巡り会えるとは思ってもみなかった。時の流れに感謝。 それと竿や浮子の事。彼らは今回の釣行をどの様に感じてくれているだろう。退役軍人が平穏な生活していた処に赤紙が来た様なものか。または思ってもみなかった日の目を見て喜んでいるだろうか。こんな、せんもない亊を思案し乍ら再開。
此れ迄の釣果は丁度10枚。此処からは角麩で大きな動きを見たい。然し、期待虚しく小さな魚信で2枚の釣果。次は、大きな消し込みでの魚信を期待している時、今日一日を決定した不幸が生じた。落下傘が万力ごと飛んでしまったのだ。幸い横の揺れ止めロープに絡んだので救出は出来たが傘がずぶ濡れに成ってしまった。
茫然自失で声も出ず・・・・。途方に暮れての窮余の一策は、桟橋に上がり落下傘を乾かし乍ら釣りを継続する亊。そこで気を取り直して続行するも、今度は2枚目の魚を釣り上げた時に仕掛けが壊れてしまった。これには気落ちして再度仕掛けを作成する気にもなれず、労い乍ら純龍心観と亀二郎を仕舞う。
時計は、未だ14:45。ここからは補欠で持参した12尺で続行。餌うち30分の後、釣れだして30分で9枚と量産体制に入るも今回の釣行の主題と焦点がズレてしまうので此処で終了。15:43納竿。お仕舞い。
落下傘が飛んで消化不良には成ったが、とても楽しい時間を過ごせた。
竿は、釣った魚が寄せられないので今後の使用は控えるが、亀二郎はまた使用したいと思う。
古の道具には「ご苦労様。」と云って労いたい。
豚小屋下ともゑ桟橋前
18尺団子8枚(06:40-09:30)。
豚小屋下看板下
18尺団子2枚(09:50-10:30)。
豚小屋下看板下
18尺角麩2枚(11:20-11:50)。
ともゑ桟橋 18尺角麩2枚(13:30-14:30)。
ともゑ桟橋 12尺角麩9枚(14:45-15:43)。
合計 23枚。
7寸半〜8寸半。平均8寸。
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