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第三十回釣行 2008年10月10日(金)
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これまでの釣行記(へら鮒釣り) 2008年

曇天一時晴れ間。
水温23度 水位- 3.5m 澄み。
三島湖 豚小屋看板升くずれ前。
ともゑ釣舟店より出舟。

※決戦! 豚小屋下。
 
【今期1,000枚達成シリーズ 後編】
  〜日が暮れて、道なお遠し〜


甲冑を身に纏い関ヶ原に行く様な心境。
今回は、「今期1.000枚達成シリーズ」の後編。前編の釣れ残しは35枚。それを目標に釣りに行くが、自分にとっては、昨春より一年半の総決算みたいな気がする。下手糞が生意気な様だが、トコトン釣果にこだわって釣りをしたい。「我、釣技ハ劣レドモ意気軒昂也」

午前四時起床。荷を積載して、千葉の自宅でエンジンをかけ出発したのは四時三十分。
向う先は、三島湖ともゑ釣舟店。穴川インターから館山道に乗り、通いなれた道を南下して君津インター迄50キロ。そこから10キロ行くと、麓の雑貨屋さん。いつものように、食料を買い込むため立ち寄ると、目眩がする様な事に出会した。バスが停車していて店内が大混雑しているではないか。この、まったく、想像もしていなかった事を前に戸惑う。この人達は何処に行くのだろう?。もし、ともゑ釣舟店だったらどうしよう。豊英は休みだし、戸面原と云う手も有るが、今日は特別な日だし、豚小屋に入釣したい。とりあえず、三島行きでない事を祈りつつ、恐る恐る聞いてみたら、ドキッ!「三島です。」だって。不安的中。更に釣舟店を聞くと「ロッジです。」との亊。これには、ちょっと安堵。隣の釣舟屋さんだったら、まずまずか。釣り場は適当に混雑するかもしれないが、決行決定。
そして、今度は弁当を購入していたら、見知らぬ方に、「車を替えたのですか?」と、声をかけてもらった。「えー、娘にやってしまったので・・・。」と、答えたものの、どなたかが分からない。お店のご主人に聞いたら、ともゑさんの常連さんとの事。あーそうか思い出した。いやー失礼しました。ごめんなさいでした。そんな亊が有ってから、残り8キロの九十九道を上って、五時四十五分、ともゑ釣舟店到着。

挨拶もそこそこに脱兎の如く桟橋へ。随分と湖面が手前に来た感じ。満水が近い。
桟橋には、さっき雑貨屋さんで会った方々が5名。早速、行き先をリサーチすると、三ツ沢が4名で、豚小屋の桟橋前が1名。隣の釣舟店から来ても、距離的アドバンテージは我に有る。これで、本日も豚小屋看板前の入釣に確定の青ランプが灯る。

六時。法螺貝の合図で、いざ出陣。
予定通り、何の障害もなく看板升くずれ前を確保。してやったり。着舟をしていると、隣の釣舟屋さんから漁船団が登場。4名が入釣しようとするも、随分と離れて留めている。多分、自分が「やくざ顔」だから近づけなかったに相違ない。マズい顔に感謝。
荷を解き、袋から出した竿は10尺。今日は、コイツで勝負。先週と同じをボソの餌を作り、準備万端。今回の仕掛けと目標は、浮子、本体95ミリ+PCムクトップ202ミリの全長385ミリ。鉤素、450ミリ+600ミリ。納竿時間十六時で実釣時間は九時間半。目標釣果は35枚で、時間4枚のペース。
緊張の面持ちでの、第一投は六時三十八分。今週もなじみ幅が出ない。4目盛り前後。餌の付け方に神経を注いで多少の幅は出たが、魚信が遠い。しかし、餌打三十分で浮子に変化が出たのにはホッとした思い。ここで釣れたのは尺弐寸半で七時二十分。更に2枚目が釣れたのは七時四十五分。決まり手は先週と同じドンッ!。
2枚目が釣れてから、浮子が動かない。ニッチもサッチもいかない。さて、どうしよう。思い切って18尺を出すか?。しかし、仕掛けが無い。ここで作ると四十分のロスタイムが発生する。朝のゴールデンタイムに、これは痛い。では16尺にするか?。なんか中途半端だ。それでは現状の10尺での続行するのは?。これは浮子が動いていないぞ。頭の中で、グルグルと回る思考に断を下して出したのは18尺。今回がデビュ−戦。現場で仕掛け作りに励む。
仕掛けが出来て、再開したのは九時丁度。この時点での残り時間は七時間。必要釣果は33枚で、時間5枚のペース。
進水式を兼ね、期待をしての18尺であったが、三十分経過しても、事態は好転せず。 周囲の竿も曲がらない。移動の舟が往来し、携帯電話のやりとりで、不釣の様子が耳に入る。自分の中でも暗雲が漂って来た。しかし、好機到来。それから二十分後の九時五十分、久々に魚信。カラツンが二連続。餌を小さくして、浮子の動きを、ゴクリと、生唾を飲んで見ていたら、ドンッ!。「しめた!」とばかり、竿を上げると、ゴツン!と手応え。またも尺弐寸。やれやれ我慢した甲斐が有った。人知れず快感を覚え、なんだか元気も出て来た。ここで、事態好転を祈りつつ、湖面に向って、魚に「やる気か?」と聞くと、残念でした。無反応。ガク然たり。

時計は十時を大きく廻った。空しく時が過ぎて行く。
何が悪いのか。先ずは、魚にやる気が無い。これが一番。しかし、それを創意工夫して釣るのが、へら鮒釣りではないのか!。聞いた様な台詞で自分を叱咤激励し、鉤素の長さを替えてみた。針の大きさも替えてみた。しかし、事態に変化無し。
あとは何が出来る?。そうだ。今日はグルテンを持って来ている。グルテンも試してみよう。そこで出したのは、グルテンダッシュとセットグルテン。使っておいて、ちょっと失礼だが、もっと良い名前を付けられないものか。センスを疑う製品名。閑話休題。悪口を言っていたら作り方を間違えた。コチコチの餌が出来てしまった。それでも端の方の軟らかい部分を使用してみると落ち込みで釣れた。嬉しかったが、これはマグレだから誉められるものではない。こんな釣りを十一時半迄やって昼休み。
おむすびを食べ乍ら、周囲の状況をお浚いすると、桟橋側に4名。下流側にも5名。自分を入れて計10名。竿頭は約10枚で、尻は自分の4枚きり。残り時間は四時間強。必要釣果は31枚で平均ペースは8枚に上昇。事態は相当悪化したと云うより絶望的。

それでも1.000枚釣りたい。
投げ出さずに頑張ろうと、今度出したのは8尺。10尺→18尺→8尺では魚も驚くだろう。根拠が乏しい「第一感」頼りの釣りだからこうなる。仕掛けをセットして、午後の部開始は正午丁度。3投目に綺麗なツン。しかし、釣れたのはブルーギル。憮然たる思い。しかも、それからは、浮子に変化無し。ブルーギルにも見捨てられ、またも竿替え。
十三時、竿を仕舞う時間が惜しく、背後にブン投げて14尺に交換。今度は、十四時迄の1時間で魚信は1回。その1回で釣れたのが5枚目。

もう1.000枚は諦めよう。しかし、せめて残り2時間で5枚を釣り上げ、釣果を二桁にしよう。
では、どうすれば良いのか?。過去に釣れない亊は何度も有った。しかし、厳寒期を除けば、魚信は有った。魚信が有って釣れなかったのだ。今回は浮子が動かない。
天を仰ぎ、気を鎮めるも明暗浮かばず。途方に暮れる。何とか現状を打開したい。打開しないと「1年半、お前は何をしていたのだ!。」と、誰かに怒られそうだ。
そうだ!。思いついたぞ!。小浮子でやってみよう。先日、七井戸に下見に行った時に、諸先輩がやっていた1本半か2本の釣り。早速、8尺竿も背後にブン投げて、急いで10尺をひっぱり出す。何とか釣りたい、釣りたいで、気ばかりが急く。しかし駄目。無情にも浮子は微動だにせず。

時間は十四時五十分。
もう二桁も諦めよう。しかし、最後に一死だけでも報いよう。以前、ダムサイドで、浮子を小さくすると餌が自然に落ちるので、好転する事が有ると、隣の方に聞いた事が有る。早速、仕掛けを天々にセットし直して最後の勝負。勝負はいいが、周りは撤収しだした。自分にも挨拶をしてくれて引揚げて行く。

ひとりぼっちになってしまった。太陽が岩盤の向うに隠れた。急に寒く成ってきた。風も冷たい。何だか、釣りたい、釣りたいで、気も荒んでいる。1.000枚達成の夢も打ち砕かれたし・・・。もうやめよう。今日はここが死に場所だ。そう思って、ひとり芝居の幕をおろす。背後を見ると、散乱した餌袋の下敷きに、竿が数本、折れた刀の様に転がっている。我にかえり、粗末に扱った竿に詫び乍ら十五時三十分、失意の納竿。
長い溜息をついて何度も天を見上げ、桟橋へ帰還。長かった一日が終わる。お仕舞い。


後 記

翌日。スポーツ新聞の釣り欄に、昨日の三島湖ともゑ釣舟店の結果が「7〜21匹。」と掲載されていた。自分の釣果は5匹だったから、逆竿頭だった亊を確認する。
寂しい話だが、七月に沢山釣れたので、ちょっと勘違いをしていたのだと思う。釣れたのは三名湖と宮沢湖で、三島湖では角麩でしか人並みには釣れていない。
餌を替えるといっても、付け焼き刃で釣れるほど、甘くは無いだろう。
釣果に拘ろうなんて、とんだ思い上がりだった。すっかり目が覚めた。次回からは、初心にかえって、のんびり釣り糸を垂れ長閑な時を過ごそう。

最後に、自分で云うのもなんだが・・・・。「可哀想なくらい釣りが下手だ。」
日が暮れて、道なお遠し。



釣果 10尺団子2枚(06:38-08:20)。
18尺団子2枚(09:00-11:30)。
8尺団子零枚(11:45-12:55)。
14尺団子1枚(13:00-14:00)。
10尺団子零枚(14:10-14:50)。
10尺団子零枚(14:50-15:30)。

合計 5枚。
9寸〜尺二寸五分。 平均 尺一寸。


釣行記写真
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誰も居なく成った豚小屋下。


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