曇りのち雨。
水温不明 減水不明 澄み。
鎌北湖 第二石垣。
越生の鎌北湖に魚を釣りに行って来た。
四月の或る日、昔、埼玉在住時に所属していた釣り会のYさんからお誘いをいただいた。
Yさんは当時釣り会での月例会では百戦百勝の達人だった方で、再開後、同行させて頂くのは今回が三度目に成る。一度目は円良田湖の常管桟橋、二度目はYさんが所属していて自分も、かってお世話に成っていた「つつじ野べら会」の三名湖例会だ。本日は其の時にお会いしたOさんとSさんもお見えに成るとの事で楽しさ倍増期待一杯の釣行だ。
鎌北湖で釣りをした事は過去に三度有った気がする。一度目は76年の春で五寸程度の魚を一尾釣ったのを記憶している。残り二回はいつの事で釣果が何れくらいだったのかは、完全に忘却の彼方で覚えていない。
若き日の燃える思いで家を出たのは午前二時零五分。
なんかこう、埼玉へ行くと時計が三十年ほど前に戻る気がする。若かった女房、幼かった子どもたち・・・・。
あれから幾年月。ふと、あの頃に戻りたく成る。時の流れに逆らってあの頃に戻りたい。
鎌北湖到着は三時五十分。現場には既にYさんとOさんが到着していて釣場も確保してくれていた。―――ありがとうございます。―――やがてSさんも合流されて、いざ出陣。
午前五時丁度、荷を解いて準備にかかる。
どうやら水深が浅い様で、俗に云う天々は不可の様だ。ちょっと困った。自分は殆ど房総のダムでしか釣りをした事がないから、天々以外の釣りはした亊が無い。故に浮子の位置やら設定等はさっぱりと分らない。となると、今の段階では明らかに経験不足だ。然し、周りは上級者だし自分は分不相応なへたくそだから気にする事も有るまい。それに、気を遣ってもらうのも申し訳ないから「ヨソモノ」面もやめよう、と自分に言い聞かせて準備に勤しむ。
さて、お久しぶりです、鎌北湖。
午前五時十五分、十一尺で第一投。
両方の針に団子を付けて、二投、三投と続けて打っていると第十投くらいでズルっ明確な魚信。すかさず合わせると、空振り、次も空振り、その次も・・・・。さっそく雲行が怪しくなって来た。今日も苦戦は必至の様相だ。
なかなか魚の口に針がかからない。結局、六人が竿を振る石垣で大トリをつとめる事に成ってしまった。
午前六時、明確なツンで待望の一枚目が釣れたので、ホっと一息。然し、其れも束の間、二枚目が釣れたのは七時丁度と苦戦は続く。魚信は有るのだが魚が釣れない。二進も三進も行かなく成って来た。
午前九時、仕方無い、ここで決断。竿を10尺にして浮子を一番小さいモノに交換。見様見真似で浮き下も五尺程度にして再開。すると効果覿面、途端に何と三連続で釣れてしまった。これには、釣った自分が驚いた。なんだか、ひとつ学んだ思いがしてきたぞ。
いや、何にも学べてなんかいなかった。只の三連続のマグレだった様だ。魚は、はやての如く現れて、はやての如く去ってしまった。
午前十時、もうほとんどギブアップの様相。
そこで雨が降る前にと写真を撮りに行ったり、諸先輩方と歓談をさせてもらったりで、楽しい時間を過ごす。思えば、普段、会話を交わすのは古女房と職場の三十も歳の離れた若い女性たちだけで、男性とは話した事が無い。
餌の修正が上手く行かない事を手壊しと云う亊。
餌は硬めの方が良い亊。
自分の餌は、柔らかくて棚迄もたない事を指摘してもらった。それから、馴染んでから芯残りして食い魚信が出る様な餌を作った方が良い事。等、いろいろと教えてもらった。
然し、楽しかった時間も此処迄。雨が降って来てOさん、Sさんは帰られてしまった。楽しい時間をありがとうございました。
十二時三十分、雨支度をしてYさんと続行。
此処迄釣った魚は8枚。
雨が降って来てから、何だか魚が目覚めた様だ。魚信に力感が出て来て敗者復活の瞬間が訪れた。
勝手なもんで、魚は釣れだしたがYさんとの昔話の方が楽しく思考はそちらに流れる。何だか二十代の頃に戻れた様な錯覚に陥ってしまった。あんな亊、こんな亊と笑い乍ら過ごした時間も、雨が激しく成って来て終焉を迎える事に成ってしまった。残念な亊だが仕方が無い。
十四時二十分、未練を残して納竿。
最後にYさんと軽食をし謝礼を述べて一件落着。
今回は旧交を温めるべく遠征をしたのだが、社会的にも、それ也の立場で活躍されている方々との時間は楽しかった。
呼んでいただけた亊に、感謝感謝深謝深謝です。
釣果は廻りの方達の三分の一位だった様なので、次回迄に少しは腕を上げておきます。
お仕舞い。
11尺 2枚(05:10-08:50)。
10尺 5枚(09:00-12:00)。
10尺 8枚(12:30-14:20)。
合計 16枚。
8寸〜9寸。
次回は、五月十五日三島湖。
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