快晴のちくもり。
水温17° 減水0.7m 澄み。
豚小屋下一番升。
ともゑ釣舟店より出舟。
寄せて釣るのがへら鮒釣り、なのに寄せると釣れなく
成るのがオレの釣り。ここから脱却するぞ!の巻。
寄せて釣るのがへら鮒釣り、なのに寄せると釣れなく成るのがオレの釣り。毎度毎度の愚の繰り返し。
なんだかんだ云っても、池に竿を入れて魚を釣るのだから釣果がないと面白くない。昨秋に釣果を求めて、しっぺ返しに有ってから結果を求めるのはヤメにしていたのだが、段々と釣行意欲も湧いて来た事だし、少しずつで良いから、もう一度釣果向上を目的にしようと思う。
冒頭に釣果の事を記したのには分けが有る。二年前の明日、つまり二〇〇七年五月十六日と云う日は初めて三島湖へ釣行した日なのだ。
釣りをする前は、いろいろな所に釣行するのを楽しみにしていた。そこで目標釣果を達成すれば次の場所に挑戦すると云う風にして、概ね三十枚を卒業ラインに設定していた。
当時の釣行日誌を紐解くと
四月一〇日・・・戸面原、四〇枚。
四月二二日・・・円良田湖、三三枚。
四月二九日・・・横利根川、三〇枚。
五月〇四日・・・円良田湖、三〇枚。
驚く事に、今より釣れているのである。それは兎も角、満を持して三島湖に挑戦してからは、
五月十六日・・・三島湖(ともゑ)豚小屋下、十六枚。
五月二三日・・・三島湖(石井)広瀬川、二一枚。
六月〇一日・・・三島湖(高島)ダムサイド、三〇枚。
三度目にして、やっと達成出来たのではあるが、ともゑ釣舟店に何か忘れ物をした様な気に成って、再度挑戦すると
六月十二日・・・三島湖(ともゑ)豚小屋下、十八枚。
六月十八日・・・三島湖(ともゑ)豚小屋下、二六枚。
駄目なのである。
其処で意地に成って、三名湖を経て桟橋で施行すると、
六月二四日・・・三名湖、三三枚。
六月二八日・・・三島湖(ともゑ)桟橋、四〇枚。
やっと大願成就出来て、次の場所へ行くつもりだったのだが、段々居心地が良く成ってきた亊と、自宅からも69キロの90分で行ける事も加味して、以来、三島湖ともゑ釣る舟店に草蛙を脱ぐ事に成った次第だ。
三島湖詣でをする事に成った事由は、さておいて、考えてみれば、当時から二カ年が経過した今でも釣果に全くの進歩が無い事が伺える。両団子で三〇枚を越えた事は何回有るのだろう?。日誌をめくって数えてみたら、一昨年が四回で、昨年は零回だった。うーん、なんたる悲惨な結果なのだ。これでは、何かの調査の趣味の欄に「へら鮒釣り」と書こうものなら、同じ趣味をもつ人に迷惑だぞ。それでは、これからの季節は、下の針に角麩を付けて施行すれば良い亊に成るが、あまりその釣りには積極的に成れない自分が居る。
釣行は楽しいが釣果を考えると暗澹たる気分だ。其処で一念発起、今回からは釣果を第一に頑張りたいと思う。
夜中だというのに、元気よく自宅を飛び出したのは午前三時半。房総半島を南下して、目的地ともゑ釣舟店に着いたのは出舟十五分前。
挨拶もそこそこに、桟橋へ降りると同時に出舟の合図が聞こえた。漁に出たのは五杯、行き先は下流が四杯で豚小屋の三番升が一杯。
さて、何処に行こう。今日は釣果が欲しいから魚が居る所が良い。そして、迷う亊もなく向ったのは桟橋前の豚小屋一番升。勝手知ったるで早々に着舟をしたが、同時に、待ってました、と云わんばかりにゴミが押し寄せて来た。―――悲惨だ、なんでいつもこうなるのだろう―――。己の不幸を嘆き乍ら思案していると、以前ココで施行した事を思い出した。その時もゴミに悩まされた気がするが、七時頃には解消された。今回はゴミの神が嫌がらせをヤメてくれるのかは不明だが、看板升が空いているので駄目ならそちらに移動しよう、とブツブツ云い乍ら準備に勤しむ。
午前六時、準備完了。本日の目標は昼のサイレン迄に二〇枚、そして納竿を十五時にして最終釣果は三〇枚だ。
先発の十二尺の両針に団子を付けて鮒釣り開始。ゴミの合間に竿を入れていると、早々に浮きに反応が出る。投入場所が一定しないので難しい釣りと成ったが、七時頃には予想通りゴミも無くなり魚も釣れ始めた。そして八時十分、早くも十枚達成。然し、喜ぶ間もなく奈落に落ちる。決め手の‘ツン’が空振りに成りだしたのだ。そこからは、釣れない釣れないで、九時迄の五十分間釣果無し。イツものパターンに陥った。
ココで頭を整理する。
トップ四節のナジミ幅を確保する為、餌は指圧して付ける。すると当然餌の密度は濃く成る。そこで空ツンが出たら餌を軟化の方向に修正する。然し、軟化するとナジミ幅が確保出来なく成る。確保出来ないから餌を締めにかかる。
オイオオイ、なんか千日手みたいだぞ。
ハッキリ言って「何が何だか分からなく成ってきた」
これが正直なところだ。
いつもココが打破出来ないから次への展開に行けず停滞してしまうのだ。
今回は、諦めて漫然と突撃を繰り返すのはヤメよう。
今までの様な、魚任せ、運次第は駄目だ。
今度は打開策を思案する。
◇ナジミ幅確保の対策。
・餌を針に付ける時に、指圧を加える。
・重量の有る素材をレシピに加える。
・鉤素を短縮する。
・浮力の有る浮子に替えて錘を加える。
◇浮子の動きが停滞しているときの対策。
・餌に集魚効果の有る素材をレシピに加える。
・鉤素を延長する。
・浮力の小さな浮子に替えて餌を自然に沈下させる。
このあたりの亊を常に思案して、自分なりに経験則を作りあげていくことがまず以って肝要なのではなかろうか。
ただ今、赤面し乍ら並べた事は、全て諸先輩方が教えてくれた事だ。其の場では理解したつもりでも実は全く出来ていなかった。この亊を神妙にひとり舟上で反省し乍ら60分の時を経て再開。
竿も心も入替て再開したのは午前十時。
竿を十尺にしたのは、魚の気配を上層に感じたからだ。
二〇分の餌打で釣れ始めた。そして十一時一〇分、二〇枚達成。サイレンの二〇分前。この快挙にひとり祝杯をあげる。
昼休みの後、再開したのが正午丁度。
竿は十尺だが、浮子に小浮子を用意した。浮子下は通称一本半。前回の鎌北湖で施行した浅い棚に餌を落とす釣り。これはカッツケと呼ぶのか???。
餌を浮き下にキッチリと着水する亊が出来ない。何度やっても出来ない。これは訓練と慣れで習得するのは可能なのか???。
三〇分の餌打で釣れ始めた。上手い表現が出来ないのだが、針掛かりする瞬間、魚が吃驚しているのがわかる。天々で釣り上げる時より竿の曲がり方が大きい。然も、釣り上げると、玉網の柄がグニャッと曲がるヤツばかりが針に掛かる。
この日一番と思われるヤツが釣れたので、四〇上を期待し写真を撮るも、残念でした。足りませんでした。
十三時一〇分、ココ迄釣れた魚は28枚。目標を上方の四〇枚に修正して挑むが甘かった。30枚目が釣れたのは十四時一〇分。残り五〇分で10枚を目標に頑張ろうと思ったが、そうだそうだった、今日は大阪ドームでダルビッシュが投げるのだ。それを思い出して同刻あっさりと納竿。
撤収して、若旦那に二年間お世話に成った謝礼と、珍しく30枚を釣り上げた事を報告し、還暦迄の残り四年間に団子餌で平均五〇枚の釣果が確保出来る迄上達して、ともゑさんの釣会に入れてもらう事が目標である事、
こんな壮大な夢を語って来た。
夢は大きい方が良いだろう。
お仕舞い。
12尺天々 10枚(06:00-08:50)。
10尺天々 10枚(10:00-11:10)。
10尺一本半 10枚(12:00-14:10)。
合計 30枚。
八寸〜尺三寸。
次回は、五月二二日三島湖。 |