晴天。
水温25° 減水2.0m 澄み。
ともゑ桟橋。
ともゑ釣舟店。
くっそ〜ぉ!、あの浮子の下に居る魚をどうしても釣りたかった・・・。の巻。
どうしても餌に自信が持てない。
昨秋の事、埼玉の某釣具店へ浮子の作成依頼に出掛けた際、話題が餌の話に成って、今のメーカーの餌を作成してみせてくれた。依頼ズッとこの餌を用いているのだが、上手く出来ていない気がする。故に常に餌に不安を抱え乍らの釣りに成っているのだ。
そこで確認の意味も有り、前々回の釣行の後、仕事で埼玉に行く用事が出来たのを幸いに某釣具店を訪れた。
矢張り誤っていた。軟らか過ぎると思っていたが、それでは浅い棚にしか使えない、と云われてしまった。
原因はカップ「1杯」をスリキレと解釈していた自分と、目安と説明したつもりの御主人との錯誤だ。
自分も管理職の端くれだから解る気がするのだが、教える側が、相手の知識.スキルを過大評価すると説明を端折る事が有る。多分、御主人は基餌を調整し乍ら使用しているので、出来たモノが軟らかければ硬化させ、硬ければ軟化させればよい、と思っていた筈だ。
然し、自分は餌の善し悪しがよく解っていないので、出来たモノをそのまま使用している。そこに錯誤が生じたわけだ。つまり御主人の想像より自分のスキルが可成り下廻っていたのだと思う。
其処で今回は可成り噛み砕いて説明して戴いたので、多少ではあるが迷いは消えた気がする。
然し、以前の釣行記でも記した亊が有るが、例え上級者からであろうとも教授してもらった餌を、丸受けで作成するのではなく、早く自分也の経験則を確立させないと駄目だと思う。其れ迄、暫くの間努力と我慢だ。
午前五時半、三島湖ともゑ桟橋に立つ。
今回は火曜日に大雨で出来なかった角麩釣りを、岸向きの座に構えてするつもりで来たのだが、前回施行した座を通過する時に足がパタッと止まってしまった。
「九時迄は両団子でやってみないか?」己に問いかける。矢張り、両団子で釣りたいのだ。三回続けて二〇枚前後の貧果ではあるが、この難易度の高い釣りにすっかり魅了されてしまっている自分が確認出来た。
因って、魚が釣り易い九時頃迄は前回と同様の座にて両団子で臨む事した。
六時〇〇分、準備が完了。
本日は、両団子と角麩の混成予定だから釣果目標は設定せず。
竿は11尺、仕掛けは天々。餌はベーシック系の両団子。
三日前の続編の様なものだから餌の配合も慣れたものだ。
開始早々、そこそこ打込むと、やる気がモリモリ出て来る様な魚信で釣れだした。驚きのペース、七時半迄で十枚達成。どうせ一時的な現象に決まってはいるが、朝一からこんなに釣れたのは何時以来だろう。もしかしたら、このまま両団子で継続すれば大台(四〇枚)の夢が叶うのではないか。大台が駄目でも中台(三〇枚)は充分に有り得るぞ。これに気を良くして、午前七時半にして角麩の施行は中止と決定。
その決定は早過ぎた。
あざ笑われるかの如く、ペースダウン。九時の段階での釣果は十二枚。なんてことはない前回より二枚多いだけだ。これだから滅多に夢などは見るものではない。
さてどうしよう。
そこでハタとも思い出した亊が有った。前回の終了後に、同じ桟橋でトーナメントの練習に来ていた上級者の方(この日の竿頭)に、釣れない時の対策手順を聞いたのだった。
それによると、
・鉤素を延ばす。
・浮子を軽くする。
・竿を替える。
・(最後に)餌をいじる。
こんな亊を笑顔で几帳面に話してくれた。
普段なら、魚は上だ、と決めつけて竿を短縮して迷路に嵌るので今回はこれを実行してみよう。
先ずは鉤素の延長から、現在は尺半と二尺。これを二尺と二尺半に延長してみる。
結果は直ぐに出た。一枚だけなら偶然も有るが三〇分で三枚の釣果を得られた。これなら偶然とは云わせない。感謝感謝。失礼乍らお名前もお聞きしませんでしたが、ありがとうございました。トーナメント頑張って下さい。
ここからは、釣れる様な釣れない様な展開で昼のサイレンを迎える。十一時半迄の釣果は二〇枚。
食事をして、陽射しが厳しく成って来たので傘を差し、桶に入れておいた大きな魚の検寸で昼休みは終了。
本日の大型も写真判定で四〇には届かなかったと思う。
ハナ差と云うヤツ。
午後の部開始。
竿は17尺に延長。水深5m前後の魚を狙う。因みにこれも前述の方の助言。陽射しが高く成ると活性のある魚は下層へ移動するらしい。
状況は良いか悪いかと問われれば、良だと思う。
十四時迄八枚釣った。そして二十九枚目を向う合わせで釣り上げ、中台成就に王手がかかる。
納竿時間迄二時間近くも有る。これなら頑張り次第では中台と云わず大台もあるぞ。竿を持つ手に力が入る。
楽勝ムードに異変、暗雲が立ち籠める。
全く魚が針に掛からなく成って来た。
それでも、そのうち釣れるだろうとタカを括ってはいたが、状況は悪化の一途。なんと痛恨の百分間釣果無し。時計の針は十五時半。中台も危なく成って来た。
ここで番頭さん登場。
「へぇ、今のでのらないんだ」「良い魚信なのにね」「魚は可成り居るよ」「おかしいよね」
気持ちに焦りが出て来た。最悪の結果が脳裏を掠める。
十五時四五分、ホッ!、ツンで合わせてやっと針に掛かった。「執念で釣ったね」と番頭さん。
ホッとしたのも束の間、妙に手応えが軽い、
お願いします!、六寸でもよいから鮒であってください。
そんな願いも空しく水面に顔を出したのはブルーギル。天に見捨てられた瞬間に、憮然たる思い。
くっそーぉ、こうなったら何としてでも、あの浮子の下の魚を釣るぞ!と思うも、ブリーギルを釣り上げた余波で鉤素がクチャクチャに成ってしまった。
万事休す。またもや、はね返された。
ここからの延長戦は野暮と云うもの。
あきらめよう。
お仕舞い。
11尺天々 20枚(06:00〜11:30)
17尺天々 9枚(12:00〜15:50)
合計 二九枚。
八寸〜尺参寸二分。
次回は八月三日、桟橋其の参。
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