晴天。
水温26° 減水3.4m 澄み。
ともゑ桟橋。
ともゑ釣舟店。
また駄目だった。桟橋最終回も大台には届かズ。の巻。
前回、中台(三〇枚)の壁ではあるが、やっとよじ登って越える事が出来た。
そして、今回は両団子での最終目標である大台(四〇枚)を目指したい。前回も相当頑張ったつもりなので、それに尚かつ、八枚を上乗せする亊は容易ではない気がする。
ではどうするか、そこで考えた。
一日で一番釣れる時間帯は朝なのだから、この時間での施行時間を増やせば良い。
そこで始動時間を五時〇〇分にする。四時半頃桟橋に立ち準備を開始、五時の出舟の合図と共に、第一投を打つ。どうせ、ひとりで桟橋の隅っこで遊ぶのだから、これは反則にはあたるまい。
考えた、などと大層な表現を用いた割には、この程度の姑息な亊しか思いつかなかったのが恥ずかしい次第だが、今の力量では仕方ない。
時間割は以下の通りだ。
午前五時から七時迄に十枚、九時迄に二〇枚、十一半のチャイム迄に三〇枚、そして正午から十六時迄で四〇枚。後半は毎度毎度、大失速をしているが、四時間で十枚、時間当り二枚半なら釣れるだろう。
九月に成れば出舟時間が五時半に成ってしまうから、有効なのは今しかない。
命名ロケットスタート。
今回は、このロケットスタートで頑張る。
あっさりと遅刻をしてしまった。
三島湖ともゑ桟橋の例の場所に座り、第一投を投げ込んだのは五時三十五分。
結論から云うと、今日はこの三十五分に泣く事に成る。
遅刻して三十五分を失った事の他に不安が有る。釣果表の数字がかんばしくなかった、釣れていないらしいのだ。昨日、多くの名人の方々が集う釣舟屋さん主催の例会での数字だから尚更だ。
名人が釣れないのにオレに釣れるわけがない。と弱気な始動。
仕掛けと餌は、11尺竿の天々、餌はベーシック系の両団子。
シットリ系のベース餌に別途作成したボソを混入し乍らの餌。今回で四度目だから大分サマに成って来た。
釣り始めて間もなく番頭さん登場。「どう魚信る?、昨日は散々だったよ」いよいよ不安が過る。
案の定、期待した七時迄の釣果は三枚、そして九時では十二枚と予想通りの不釣ぶり。
ロケットスタート脆くも破れたり。
早くもギブアップの様相。
どうせ、このままウダウダと継続しても、十中八九碌な亊には成るまい。ならば脱線して、この時間からはいろいろな餌の配合を試行してみよう。
テーマ、ボソの配合。
ベース餌(仮称A以下同)、集魚剤混入餌(仮称B以下同)、〆め餌(仮称C以下同)の三種を用意。
・A2+B2+C0.5+水1=ボソ1号と命名。
試用時間三〇分。
ちょっと硬い気がする。
浮子がトンットンッと動いたが釣れる気がせず廃棄。
・A2+B1+C1+水1=ボソ2号と命名。
試用時間三〇分。
大分改善された。釣れる気もするが今日は駄目。
更に軟化させた方が良いとの判断で廃棄。
・A2+B1+C0.5+水1=ボソ3号と命名。
なんか良い感じ。
軟度はギリギリの一歩手前。
これ以上、軟らかく成ると自分の腕では振込めない。
閑話休題。
十時十分、ボソ3号が完成した。
これを用いて釣果十二枚からの再開。
1号.2号の試用中にも餌は打っていたので魚は存在している。
浮子が垂直に立つ瞬間に反応が有る。ここからトップが沈下していく間の魚信で釣りたいのだが、全て空振り。力感が有って消し込んでも駄目。
然し、ナジミ終えてから餌の溶解が進みトップが上がって行く過程での魚信では針掛かりしてくれた。以前の鳥小屋での終盤の釣りみたいな、待ち釣りってヤツ。
結構釣れた、いやいや随分釣れた、の方が適切な表現である気がする。十一時半のチャイム迄十四枚。これで合計釣果も二六枚に成って息を吹き返す。
昼の休みに、大傘と大台成就時の記念セレモニー用の三脚を車から取って来て食事。
空の色は青が二割で白は八割程度の晴れ。陽射しは夏。自分はこの季節が一番好きだ。
蝉時雨が楽しませてくれる。前回には存在しなかったミンミン蝉も鳴き出した、次回はツクツクボウシにも会えるかもしれない。
そして周辺で漁をしている舟の数を数えると、豚小屋が九杯、ロクロウ沢は一杯、そして猫内橋付近に二杯だ。
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本日の最大寸「尺三寸」。大体がこれに近いサイズだ。 |
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正午、再開。
今回は大台成就が控えているので、大事をとって竿も仕掛けも替えずに施行。
嬉しい事に、直ぐに釣れだして十二時四十五分中台達成。
ここから残り三時間十五分で十枚を釣ればよいのに、弱気の虫がもたげて来た。――――この軟らかい餌で釣れなく成ったら、更に餌を軟らかくしなくては成らない。現在の餌は振り込めるギリギリだから、これ以上軟化の方向へはいけない。ならば今のウチにちょっと硬くしておいて、釣れなく成ったら現状の餌に戻したらどうだろうか?―――― この浅知恵に乗ってしまったのが災いした。全く魚信が無く成り、元の餌も作り間違え事態は悪化の一途。
更に、天は弱い者に試練を与える。
風も強く成って来た。ボッチャンボッチャンとうねりだした。波間の浮子を見ていると船酔いしそうだ。釣りも含めて波間に呑み込まれる様な錯覚に陥って来た。
十五時〇〇分、本日只今、釣った魚は三十四枚。
残り一時間で六枚を目指す。
餌を立て直して、風も和らいできたら釣れだした。
残り三分前迄に四枚釣って残りは二枚。最後の一投に賭ける。これが一荷で釣れれば大願成就出来きたのだが、あっさりと空振りして投了。
番頭さんが「頑張って二枚釣ればいいじゃない」と言葉をかけてくれたが、最後のひとりに成った現状では甘えられない。
始動の遅刻による三十五分が悔やまれた。
救命胴衣が無い事から始まった今回の桟橋シリーズ。
二週間で四度の施行と成った。結果は二〇、二十九、三十一、三十八、だんだんよく成る法華の太鼓、ではないがちょっとだけだが、進歩出来た気がした。
陸に上がって、若旦那に浮子の番手を伺って帰路に赴く。
お仕舞い。
11尺天々 26枚(05:35〜11:30)
11尺天々 12枚(12:00〜16:00)
合計 三十八枚。
八寸〜尺三寸。
次回は八月十一日、豚小屋一番升にて角麩を施行予定。
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