曇天。
水温不明 満水。
戸面原ダム 上郷 寮下。
戸面原ボートセンター。
戸面原ダム.上郷地区寮下に初入釣。の巻。
また、戸面原ダムを釣行先に選んだ。
自分の中でココがえらく気に入ったのだと思う。今年は残り少ないので何とも言えないが来年からは年に数回は予定したい。そして難点の着舟も習得出来る様に頑張りたい。
暦は九月。カレンダーも残り四枚と成った。
今朝の出舟は六時。
四時十五分、遅刻を避けるべく早めに出発。
車中で今春の杉林での亊を想う。―――あの頃は仕事が厳しくて精神的に可成り不安定な時期だった。そして思考が仕事に流れた時、不覚にも涙を流してしまった。
あれから五ヶ月。会社は幾分元気を取り戻し、自分も不況に免疫が出来たせいか、釣り三昧の生活をして、面白可笑しく過ごせている。
秋には娘たちを温泉に連れて行ってやれるし、ちょっと早いが年を越せる目処もたった。
ありがとうございます。世間さまに深く感謝しております。
閑話休題。
本日の入釣場所は管理人さんに聞くまで不明だ。
例に依って事前に電話を入れた時、杉林以外にもビギナー向きに竹が組んである処が存在すると云う。
何処であるのかは現地で説明をしてくれる亊に成っている。
五時四〇分到着。
笑顔の管理人ご夫妻に挨拶。この方たちの凄さは相手にヨソ者意識をさせない事だ。
早速、初心者向けの釣場のレッスンを受ける。入釣場所は上郷地区の通称寮下だと云う。どうやら石田島から見た時に、漁師が消えた入り江の方で、帰路に渡河した赤い橋の向こう側らしい。
五時五十七分、管理人さんに送られて今回も最後に桟橋を離れる。何故か魚釣りに行くだけなのに胸が高鳴る。
石田島を左手に見乍ら、先日に橋の上から見学した入り江に入る。暗い曇天と濁った水で渓谷を探検に行く感じ。然し、赤い橋を潜ると遠くに道路も見えて来た。ロケーションは期待した程ではなかったが、説明を受けた竹が視界に入ってきたので安堵して舟を停める。
今回は着舟に苦労する。どうにか完成間近迄もってきたのだが、これで良いのだろうか???。半信半疑な時、幸運にも目の前を常連らしき方の舟が通過したので、聞いてみるとOKとの事。ヤレヤレ、なんだかひと仕事を終えたような気分だ。
然し、気になることも言われてしまった「そこは宙づりのポイントですが良いのですか」だって・・・・。
事務所で説明を受けた時に「橋から手前が宙、奥が底釣りポイント」と聞いて来たので、宙釣りポイントを選択したのだが、宙は駄目なのか???。何とも不吉な予感が頭を過る。
この時、管理人さんが「釣れないんですよね」と言っていたのを思い出した。―――そうだ、釣れないから長い竿で底を釣らないと駄目なのだ。――― 然し、自分は底釣りなど出来ないのだから、ココで頑張るしかない。
舟上で仕掛けを作り乍ら思う。
今日も不安が一杯だ。先ずは最近湖全体が不調である事。底釣りの技術が無い亊。ヘボな事。全部を合わせると駄目の三乗に成る。石田島の時の様に十八枚も釣れれば満足なのだが、そうは問屋がおろしてはくれそうもない。浮子が動けば良し、としなくてはならないのかもしれない。
それともうひとつ気に成る事がある。この光景は何処かで見た様な気がする。そうだ、大名人の八月の湖集会の記事ではなかっただろうか。イラストはしっかりとした記憶はないが、写真に写っていた道路は彼処ではないか。帰宅してから確認してみよう。
七時三十五分、準備が出来たので魚釣りを始める。
竿と仕掛けは15尺の天々。餌はベーシック系の両団子。
目標は一匹でもよいから鮒を釣り上げる事。
不安だらけでの始動だったが、意外な亊に餌打十分程度で浮子の沈下速度が遅く成って来た。釣果零も覚悟していたので心が躍る。トップの動きにも変化が現れ、フッと一目盛り程度の魚信が発生。魚の活性は兎も角、生物が反応している事だけは間違えない。
竿を持つ手に力が入る。そして浮子の動きに呼応して合わせるとドンピシャ!のタイミングで魚は掛かったものの、力感が無い。なんだか悪い予感。矢張りそうだ、水面の現れたのはブルーギル。溜息をついて針を外す。
更に魚信は続くが正体が判明した今、緊張は無い。
天は我を見捨てズ、更に三十分後、魚信に力が加わって来た。―――オレだって、ヘボとは云え自称「へら師」の端くれなんだから、この動きの主が何であるのか位はわかるぞ。―――
そして、あのワクワク感が蘇ってがってきた。
なかなか魚との呼吸が合わない、空振りの連続だ。
然らばと奥の手を出す。ともゑ桟橋で大名人に教わった秘技、餌を針が隠れる程度に小さく付ける事。そしてコイツを投入し、この一投に賭ける。
竿を力強く握り締め、ゴクリと生唾を呑み込んで浮子が沈下するのを見つめる事数秒。落込みでズボッと消し込んだ。しめた!っとばかりに合わせると、ガツン!と確かで強い手応え。今度は待ち人来たる。大願成就が出来た。
嬉しい。いつも思う事だが、はじめての場所で一枚目を釣り上げた、この快感。そしてこの感動。これを味わいたくて釣りをしている様なものだ。時は八時三十分。始動から五十五分の出来事。
釣果零からの脱出が出来た頃から、陽が顔を出してくれた。なんだか自分のココロを映し出してくれているかのよう。
心に余裕が出て来たので改めて周囲を見渡してみると、漁師は遥か遠くの方に今朝程の方がひとりだけ。そしてこの先はオン留りなのであろうか???。細流が流れ込んでいるのか・・・・。これも帰宅してからの宿題にしておこう。
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入釣場所から見た正面写真。
正面から右側が秋田屋ワンド、対岸左端の出っ張りが梅の木。 |
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入釣場所から見た南側写真。
民家(?)の前が中島ワンド、小さく見える漁師の辺りが中島岬。道路は富津市と鴨川市を結ぶ。 |
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閑話休題。
魚釣りに戻る。
とても大漁とは云えない展開だが、ボツボツと緊張が持続出来る程度に魚信が有り魚も釣れた。
十一時四十五分からの食事休憩中、魚籠の中で泳ぐ魚の数を数えたら丁度十枚。石田島の前半の記録を三枚も上回った。この成果に心は踊る。
踊った心に欲が出た。今回は何とか二〇枚を釣り上げたい。残り時間は三時間。団子では到底不可能だ。では角麩でやるか。石田島では午後の三時間で十一枚だった。然もこれは最初の二時間での釣果だ。
団子で十五枚前後で終わるか、角麩で二十枚に挑むか。果たしてどちらにするか・・・・。自分にとって、難易度は角麩が易しいがやりたいのは団子。長考一番、結論が出た。今回はは角麩で二十枚に挑もう。
正午、石にかじりついても、って程でもないが、二十枚を釣るべく最善と云うか次善を尽くす。同じく15尺の竿を角麩仕様に替えて再開。
石田島の時は最初の二時間で十一枚釣れたが残りの一時間では釣れていない。人為的誤りが有るとすれば餌の炭団君ががバラケ過ぎたのかもしれない。―――業界用語ではこれを「開き過ぎ」と云うのか?。この単語は今度調べてから使う。―――。其の反省から今回は少々硬度を増して作ってみた。
餌打十五分、釣れた。消し込みの中でも派手な湖底迄浮子が引き込まれるヤツ。幸先良し。
続いて釣れだして十三時迄六枚。これで魚籠の中の魚を十六枚、と数えられる身分と成った。
残り二時間で四枚。達成は間違え無しと思っていたら、雲行きが怪しく成って来た。
何だか、魚が心変わりしたみたいだ。浮子が動かない。たまに消し込んでも空振りだらけのオチョクリばかり。
暇な時間。漂流して来た溺れた蜻蛉を玉網で掬った。
この蜻蛉が網の中で羽根を乾かし休めている間、玉網は開店休業。空白の七〇分。
そして時計は十四時。残り一時間で四枚に挑む。挑むと云えば聞こえは良いが、先程から、団子でやれば良かった、と角麩を選択した事を後悔している自分が居る。
今頃言ったって、もう遅い。
桟橋を出る時、管理人さんに帰船は十六時だと云われた。残り一時間を団子に替えて何が出来るんだ!。弱気な自分を叱りつけて続行。
ひと工夫してみる。炭団君を少し軟化させてみた。
其の効果かはわからないが消し込みで久々に釣れた。続いて超消し込みで十八枚目。更に二十分後に消し込みで十九枚目。
釣れた理由なんか、もうどうでもよい。残り三十五分で何としても、もう一枚を釣りたい。
重圧に弱いなんだなぁ。また釣れなく成った。
打つ手が無いから振込む度に「消し込め、消し込め」とお題目の様に唱える。
唱えるだけで釣れる程、甘い世界ではない。
十五時、無情にも一枚足らずで息の根が止まる。
道具を片付け周辺写真を撮り、桟橋へ帰還。
出迎えてくれた管理人さんに竿頭を聞くと、今朝の方が三〇枚釣ったそうだ。
最近二〇枚前後の釣果が続いているが、この数字でもココでは大満足に感じるのは何故だろう。
最後に、管理人さんに一日の御礼と次月の訪問を約して一件落着。
富津中央へと車を走らせ帰路に赴く。
お仕舞い。
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南側の道路から入釣場所を望む。
赤い橋の手前の竹の部分。 |
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15尺天々両団子 10枚(07:35〜11:45)
15尺天々角麩 9枚(12:00〜15:00)
合計 十九枚。
九寸〜尺壱寸。
次回は九月十四日、三島湖の何処かで施行予定。
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